韓国メディア「金融・投資大国、日本の力が発揮されつつある」

タイトルをご覧になって、「また誤字か」と思われる方もいたかもしれませんが・・珍しく、そういう内容です。といっても、対米投資関連で、「それに比べて~」と韓国に向けた内容ではありますが。前にも、本ブログだけでなく、国内外から韓国に対して「経済規模からして、金融が弱い(メガバンクという側面からするとさらにそう見える)」という指摘はありましたが・・今回、また日本との「力」の差が表れたのでしょう。しかも結構大手で、韓国日報(7日)です。韓国の場合、対米投資は国内法律を変えなければ実行できない内容が多く、ちょうどいま、その法律のことで関税25%だとか、国会が「空振り」しているとか、そんな話が出ているところです。外国・・というか日本やEUだったら、そんなに「現法律上実行できない内容」を首脳が合意できたのでしょうか。

興味深いのは、「そもそも」的な書き方です。「資金インフラ(韓国のドル資金を用意できる能力を、こう表現しています)」そのものについて日本と韓国ではここまで差があるのに、なんでそのための議論がまったく出てこないのか、そもそも3500億ドル投資そのものが不可能ではないのか、そんな指摘です。「対米投資を実行するための『インフラ』が無いことに関して、議論が行われていない」、「純対外金融資産は日本の3分の1、対米直接投資累積額は日本の10分の1、ハードカレンシーも無く常設通過スワップもない」のに、なんでそんな話が聞こえてこないのか、というのです。対米投資が本格化するならしたで、何をもってその巨大な資金を動かすのか、その方法についても何の話が出てこないのが、最大の懸念だ、とも。知りませんけど。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・(※前回の1回目の投資発表においては、日本側にとってどういう得があるのかについて否定的な指摘もあったという内容の後に)、最近になって言及されている第2次投資については、その内容に変化が感知される。有力候補として、原子力発電所の建設が取り上げられている。そこで、(※前回の1次発表と)核心的な違いは、日本企業の機器の納品が想定されるという点だ。第1号発表を米国のショッピングリストだったとすれば、第2号は、日本が自国の産業の利益を対米投資の中に埋め込み始めたものだ、と見ることができる。両国の政府は3月19日、日米首脳会談に合わせて発表を調整中だ。米国連邦最高裁判所が2月20日、相互関税に違法判決を下し合意の法的前提が揺れているが、日本政府は投資を推進し続けるという立場だ。

このような日本の対米投資推進の計画が可能なのは、金融の基盤がしっかり定着しているからだ。日本のメガバンクは、20年間、根本的に体質が変わった。1990年代までは国内預金で国内企業に貸し出してくれるローカル金庫に近かった彼らだが、今になっては、海外利益比重が40~50%に達する、グローバル投資銀行に変貌した。MUFGは、海外利益がすでに半分を超えている。収益の源泉も、預貸マージン(※預金金利と貸出金利の差)から、すでに手数料、IB業務、資産運用に移っており、製造業の海外進出に伴っていた補助者の立場から、M&Aとプロジェクト・ファイナンスを主導するグローバル金融プレイヤーに成り上がった。




このようなメガバンクをJBIC(日本国際協力銀行)とNEXI(日本貿易保険)がサポートしている。民間銀行が、一人で負担するには余裕がない地政学的リスクや、大規模なインフラ・リスクを、政府系金融が融資保証と保険でカバーしてくれる、官民一体型の構造である。これに、低金利の円の豊富な流動性が、米国内のデータセンター、半導体工場、エネルギー施設に直接投入される長期投資金融の基礎として供給されているわけだ。2024年末に、ドイツが1位になったが、それまで33年間も連続で世界最大の純債権国だった日本の体力、グローバル投資銀行に変貌した日本のメガバンク、リスクを分担する政府系金融機関の存在、そして低金利の円まで、四重の基盤の上で、日本の対米投資はその実行力を高めているのだ。プラザ合意以後40年にわたり、貿易大国から投資大国に体質を変えてきた日本が、その蓄積された力を今、取り出しているのだ。

問題は、私たちだ。「マスガ(MASGA・米国造船業を再び偉大に)をするチャンスが来た」、「小型モジュール原子炉(SMR)で橋頭梁を確保しよう」、などといった品目に関する議論ならあふれているが、その投資を実行するための「インフラ」の不在を、正面で扱う議論は見つけるのは難しい。純対外金融資産が日本の3分の1、対米直接投資の累積額は10分の1、基軸通貨(※韓国ではハードカレンシーも基軸通貨と言います)も常設スワップもない国に、3500億ドルは、きつすぎる。このままなら、日本が「四重の基盤」の上で実益をもっていく間、韓国はドルを用意するために走り回るだけで、再びトランプの「ジャブ」をくらうことになるかもしれない。対米投資が本格化すれば、何をもってこの巨大な資金を動かすのか、その答えが見えないことが最大の懸念である(韓国日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。