政権が変わると、各メディアの「基本的な書き方」がガラっと変わります。文在寅政権では、いわゆる朝鮮半島平和ムードを最優先して中国、北朝鮮との関係を重視、日本と米国を遠ざけるような論調が多かったですが、それから尹錫悦政権になってからは、それが「もう完全に米国側に舵をきった」「中国との関係をどう管理するかが残っているが、問題ないだろう」という論調になりました。本ブログでも同じフレーズをよく取り上げていました。それが李在明政権になってからは、「実用」という名のもと、またバランス(バランサー)などを重視する書き方になりました。いつもの安米経中(安保は米国に、経済は中国に頼る)というフレーズも盛り上がっていました。でも、それから1年ぐらい経って、李在明大統領が「もう安米経中の時代ではない」と話すと、一気にそのフレーズが消えました。
ただ、それから本当に安米経中が終わったのかというと、全然そうではありません。ちょうどこの前、在韓米軍の戦闘機が中国と対峙したことで韓国政府は一方的に在韓米軍を責めました。また(最近、本ブログで取り上げた内容だと)レアアースのことで、韓国が米国中心のブロックチェーン構想に参加を表明できないでいる、というニュースもありました。「大統領がそう言ったから、そうに違いない」以外には、何も変わっていないわけです。結局は安米経中と同じことをいいながら、表現だけ変える記事も増えてきました。文化日報(9日)の記事もその一つです。国際政治学教授が書いたものですが・・「中国の技術発展がすごい」という内容で、「でも、米国と同盟だから」という理由で、「中国の未来産業とは協力できない」とします。まるで、米国と同盟だからそうなる、というふうに聞こえます。
だから米国と技術協力して、市場(経済)は中国で・・という結論になります。いつも書いていますが、「経済安保」は「経済と安保(別々)」という意味ではなく、経済と安保が一つだという意味のはずですが。以下、<<~>>で引用してみます。別にこの記事一つではなく、「韓国では、各分野でこれと似たような主張がかなり目立っている」という趣旨としてお読みください。
<<・・4日、政治交渉会議の開幕を皮切りに、翌日の全国人民代表大会(全人大)が開催され、中国のいわゆる「両会」が開かれた。全人大の開幕式で、毎年恒例イベントとされる「政府業務報告」が発表された。今年は、これと共に、「第15次5カ年計画」が一緒に紹介された。今回の報告書で最も興味深いのは、中国政府が科学技術分野に予算を集中投資し、経済成長を主導してくことを、自負していることにある。先端技術の、いわゆる「新しい高品質生産」(新質生産)の向上を通じて、成長を加速していくという決意を盛り込んだのだ。それらのカギは、先端科学技術の発達を、国民経済の発展に導くことである・・
・・核心は、国民経済の発展に基づく、量子技術と航空宇宙である。量子技術の発展により、既存の通信ネットワークの統合が可能となり、高性能の量子通信システムの発達は、国防、行政、金融、電力、軌道交通(※レール上を走る交通手段)、低高度経済(低高度領空を活用する航空交通・物流産業など)の発展を先導するためである。航空宇宙産業の発展は、情報通信、及びAIのインフラ強化と、エネルギー・希土類などの新たな供給源の確保など、一石二鳥の効果をもたらす。現在、中国が運営している宇宙船は300機以上であるが、このうち、商業用の宇宙船が50機だ。2030年までに20万機以上の人工衛星を備えるだろう。小惑星採掘も実現可能となっている。中国が宇宙で必要となる装備と機器を3Dプリンターで量産する能力を昨年に備えたためだ・・
・・残念ながら、これらの中国の未来産業に、私たちのための協力が期待できる空間は、無い。米国との同盟関係があるからだ。未来産業分野で米国と競争する中国として、米国の同盟である韓国を警戒するしかない、内在的制約を抱えている。中国が2005年にアジア・太平洋宇宙協力機構を設立したとき、私たちを招待していない理由を、考えてみる必要がある。中国と韓国の技術の差が縮まり、米国がマーガ(MAGA・米国を再び偉大に)で先端科学技術分野の製造力を回復しようとしながら、私たちの製造業の市場にはリスクが増えるばかりだ。
私たちのレバレッジ(※影響力、交渉力)が弱まるばかりである。しかし、技術及び産業協力は米国と、市場は中国という姿勢で、実益を取っていくようにしなければならない(文化日報)・・>> 引用最後の一業、これ編集したのではなく直訳(前後に省略した部分もありません)ですが・・これがいきなり出てくることが、かなり謎です。どうしろ、というのでしょうか。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。