イラン事態の長期化が懸念されている中、トランプ大統領が日本、中国、韓国などにホルムズ海峡への軍艦派遣を要請しました。要請というか、事実上の圧力でして・・困っているのは世界各国が同じでしょう。ただ、日本側の場合はすでに1週間前から自衛隊を派遣するのかどうか、するならどんな形になるのか、などが記事になっていました(5日の時事通信、など)。韓国側では政府レベルでこのような話が(私が読んだ記事の範囲に限っては)無かったので、どんな対応をするのか注目されます。ちなみに日本も韓国も、2020年には「ちょっと別の形で」軍を派遣したことがあります。タイミングよく朝鮮日報(15日)が「2020年にはどうだったのか」を報じたので、先の時事通信(日本の事例)の記事とともに取り上げてみます。以下、<<~>>が引用部分ですが、時事通信の記事はまだトランプ大統領が他国からの軍艦派遣の話をする前のもの(5日)です。当時は、まだ「米軍が護衛することになるだろう」としていましたが、支援要請の話もすでに想定されていた、とのことです。
<<・・トランプ米大統領がホルムズ海峡で石油タンカーを護衛する方針を打ち出し、日本政府は支援を要請された場合にどのような対応が可能か検討を急ぐ。自衛隊を派遣するにしても法的根拠が必要で、できることは限られる。英国やフランスが情勢安定のため地中海に艦船を送っていることもあり、高市早苗首相は難しい判断を迫られそうだ・・・・(※派遣の場合)根拠法として政府内で取り沙汰されるのは安全保障関連法だ。放置すれば日本の平和と安全に重要な影響を与える状況を「重要影響事態」と規定。地理的制限はなく、他国の軍隊に弾薬の提供や給油ができる。外務省関係者は「あくまで頭の体操」と断った上で、「できるとしたら重要影響事態だ」と指摘した。
関連法はまた、密接な関係にある他国が武力攻撃を受け、日本の存立が脅かされる場合を「存立危機事態」と定義。集団的自衛権の行使が可能になる事態で、認定には閣議決定と国会承認が必要になる。ただ、「存立危機の段階ではない。ホルムズ海峡の封鎖くらいで国民生活が立ちゆかなくなるわけではない」(首相官邸関係者)との見方が大勢だ。2020年には同海峡の安全確保を念頭に、防衛省設置法が定める「調査・研究」活動の一環として護衛艦と哨戒機を送った。だが、自衛隊幹部は「今回はまさに弾が飛び交っている。設置法はそぐわない」と否定的だ。この他、自衛隊法82条の海上警備行動で、日本関係船舶を護衛することも可能だ。英仏は既に地中海へ空母などを派遣。米国の軍事行動には距離を置きつつ、中東の安定には貢献する姿勢を示す。日本政府内でも「ただ乗りするわけにはいかない」との声が出ている(時事通信)・・>>
<<・・先月28日に始まった米軍の軍事作戦で、ホルムズ海峡が最大の勝負の場所として浮上した中、14日ドナルド・トランプ米大統領が韓国を含む5国を名指しして、軍艦派遣を事実上「要求」したのは、今回の作戦に同盟を中心とした、他の友邦を含めての参戦構想を明らかにしたと言えるだろう。トランプがイスラエルではなく第三国に作戦参加を明示的に要求したのは、今回が初めてだが、中国を除けばこの日に言及された日本、韓国、イギリス、フランスともに、トランプがこれまで「十分な安全保障負担をしていない」との認識を表わした国々だ。韓国は2020年初め・・・・アラビア半島イエメンと東アフリカソマリア・サイ・アデン湾で活動していた清海部隊の作戦範囲を拡大するようにし、その要求に応じたことがある。
トランプはこの日午前、自身のソーシャルメディアである「トゥルースソーシャル」で、「複数の国家、特にイランのホルムズ海峡封鎖の試みで影響を受ける国家は、米国と共に海峡を開放し安全に保つために軍艦を送るだろう」と話した。午後にも「ホルムズ海峡を通じて石油を供給される世界各国は通路を管理しなければならず、私たちも彼らを強く助けるだろう」とし、他の国々の参加を再度、励ました。前日、金民錫 国務総理と面談した時も、トランプをはじめとする米政府関係者たちは、イラン問題に対する支援要請は別にしていないという(※昨日も取り上げましたが、その面談、北朝鮮以外のテーマは報じられていません)。しかし、トランプが「送るだろう(will be sending)」という表現まで使って韓国を呼びかけ、米軍がホルムズ海峡船舶護衛作戦に着手する場合、その「請求書」を受けとる可能性が大きくなった。
米エネルギー情報庁(EIA)の昨年第1四半期の資料を見ると、ホルムズ海峡を通じて流通する原油物流量は中国(37.7%)、インド(14.7%)、韓国(12%)、日本(10.9%)の順だ。韓国に輸入される原油の3分の2以上がこの海峡を通過する・・・・お金ではなく実際の戦力投入を要求したので、いままでとは次元が違う。中東戦争に直接関与することに伴うリスクもあり、国会承認の有無などをめぐって、国内政治的議論も伴う可能性があり、韓国政府の悩みは深まるだろうと見られる。米国とイランの緊張が高まった2020年、アデン湾に派兵された清海部隊がホルムズ海峡まで作戦領域を広げ、韓国船舶を護衛する独自の作戦を遂行した前例がある。当時、文在寅政府は、米国がホルムズ海峡共同防衛のために主導していた協議体である「国際海洋安保構想(IMSC)に参加する代わりに、独自に派兵する形をとった。同盟の米国との関係を管理しながらも、イランを刺激しないための苦肉の策だった(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。