「台湾も韓国も半導体強国なのに、なんで台湾だけ経済成長するのか」と、似たようなテーマの記事がいくつか出ています。様々な見方が可能でしょうけど、韓国の場合「半導体好況なのに経済が反応しない」というのは確かです。KOSPIとかサムスン電子やSKハイニックスを中心にものすごく上がっていますが、全体で見ると(四半期によっては)マイナス成長だったりしますから。朝鮮BIZ(朝鮮日報、14日)が、このテーマについて記事を載せたので、取り上げてみます。日本でも、半導体関連で多くの投資が行われると予想されます。さすがに経済の「規模」というものがあるので、日本の半導体産業が元気になったからってそこまで急激な成長率増加は無理かもしれませんが、「金が回る」という側面で、参考にする部分もある・・かもしれません。以下、<<~>>で引用してみます。いつもより引用が多めです(ツッコむのが難しい)。
<<・・(※台湾だけ高成長したことで)その成長速度を分けたのは、投資だった。工場・設備・インフラなど資本財投資を見せる総固定資本形成を見ると、両国の方向は確実に交錯する。グローバル半導体の業況が不振だった2023年には、両国とも前年同期比マイナスを記録した。しかし、台湾はAI革命が本格化した2024年4月~6月期、7.5%に反騰した後、同年10月~12月期から2025年7~9月期までの4四半期連続、2桁の増加率を続け、強い増加傾向を見せた。企業設備投資の先行指標である製造業投資財生産指数も、台湾は2024~2025年の大半の四半期で2桁の増加率を記録した。特に昨年4~6月期と10~12月期には、それぞれ47.1%、68.1%と、急増した。
海外で導入した設備の流れを示す資本財輸入額(ドル基準)も、2024年4~6月期以降、2桁の増加傾向を継続し、2025年の年平均増加率は51%に達した。これは、AI設備投資が生産能力の拡大に急速に繋がっていることを示している。韓国の場合、2024年4~6月期から、四半期基準で7連続、総固定資本形成増加率がマイナスを記録した。不動産景気低迷で建設投資が萎縮した中、設備投資回復の勢いも制限的だったためだ。2023年7~9月期から2024年4~6月期までマイナスだった設備投資は、2024年7~9月期に6.6%に反騰したが、その後は増加傾向が鈍化し、2025年10~12月期(マイナス1.7%)に再び減少傾向に戻った。建設・設備投資が同時に力を失いながら、韓国経済は投資の空白が長期化する局面に進入した・・
・・投資不振が続くと、生産能力の拡充が遅れ、潜在成長率を引き下げる可能性が大きくなる。クォン・ヒョソン、ブルームバーグ・エコノミックスのエコノミストは、「台湾は輸出増加→投資拡大→GDP成長につながる好循環が強くなった反面、韓国は輸出と投資のつながりが弱まった姿を見せている」と分析した。台湾は、TSMCを中心にOSAT(外注パッケージングおよびテスト)グローバル1位ASE、グローバルトップ10のファブレス(半導体設計)メディアテック、リアルテックなどが半導体全工程にわたるシステムを構築している。AIサーバー製造部門でもフォックスコンが40%以上のシェアで1位を占めるなど、10位圏に4社の台湾企業が進入している。このような産業システムは、AI需要拡大を直ちに設備増設と生産能力拡大につなげる。
台湾主要半導体企業は売上の7~10%を研究開発(R&D)に再投資し、先端工程技術競争力を強化している。TSMCは高性能コンピューティング(HPC)の基盤となる先端微細工程と3Dパッケージング技術(CoWoS・InFOなど)を前面に出して、NVIDIAやGoogleなどビッグテック(大型情報技術企業)のAI半導体チップ生産を圧倒的市場シェアで主導している。このような技術的優位は大規模設備投資拡大の基盤となっている。台湾のGDP比総投資比率は約27%で、経済協力開発機構(OECD)平均(22%)を大きく上回る。
「AI時代、成長の条件が変わった」(※見出し)。2023年以降に行われた韓国と台湾の成長率の差を短期間で縮めることは難しいだろうという見通しも出ている。産業構造の違いから始まった、相反する、技術と投資軌跡の結果だ。国際金融センターは最近、報告書で「メモリー強国の韓国はHBM市場を掌握しているが、非メモリー分野のシェアが低く、台湾と差を短期間で縮めるのは難しい」と述べた。AI好況は半導体強国である韓国と台湾の経済に再跳躍の機会となっているが、メモリ依存的な韓国より、多様な工程分野で技術優位を確保した台湾が、AI革命の経済成就を先取りしている。 AI技術の発展を実際の生活で具現できる多様な製品を作ることができる技術プラットフォームを備えているかが、GDP成長率を左右する時代が開かれたのだ。輸出額より技術競争力などの質的要素が経済成長速度を決定する構造となっているのだ(朝鮮BIZ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。