2月27日に、チャットGPTの報告書による「中国によるネット世論操作」についてエントリーしたことがあります。続報・・というか、関連した内容の記事があったので、続報として取り上げてみます。読売新聞と、スタートアップAI企業として話題の「サカナAI」が、「政府機関や国営メディアなど中国共産党系の主要なアカウントを抽出し、大規模言語モデル(LLM)を用いて投稿のニュアンスも含めて内容を解析した」もので、「SNSでの大量の投稿をAIの新技術で分析し、認知戦の実態を解明したのは初めて」、とのことです。韓国ではニュース1が報じており、元ソースは読売新聞です。ちなみに認知戦とは、検索結果のままで恐縮ですが、「認知戦(Cognitive Warfare)とは、SNSやAI、偽情報を用いて相手国(の国民・リーダー)の認知・心理に働きかけ、思考や感情を操作して行動を誘導する「第6の戦場」と呼ばれる新たな戦争形態です」・・
・・「物理的な破壊ではなく、社会の分断や政治的不信、世論操作を通じて戦わずして勝利を目指すもので、情報空間が主戦場となります」、とも、ま、なんというか、いわゆるネット世論操作といったところでしょうか。認知戦関連もそうですが、AIによるSNS分析というのも、なかなか興味深い話です。前にこの件が話題になったのは、有名なAIであるオープンAI(チャットGPT運営社)が正式報告書で「中国がですねー高市首相をですねーネット世論捜査をですねー」とちゃんと公開してくれたときです(CNN日本語版、2月26日)。韓国でも京郷新聞などが報じている、「サイバー特殊作戦と命名されたこの工作を通じて、高市首相に対して否定的なコメントを投稿したり、外国人を詐称して批判的な電子メールを政治家に送り、米国の対日関税に対する怒りを煽るなど否定的な世論を造成しようとした」、と。そして、そのためにチャットGPTを利用しようとしたけど、チャットGPTはこのような工作に関する要求(アドバイスなど)に「応じなかった」、とも。以下、<<~>>で引用してみます。なんか、中国政府レベルの工作が「あって当たり前」のような流れの書き方になっていて、ちょっと笑ってしましました。
<<・・チャットGPTの開発元であるオープンAIの新たな報告書によると、大規模な中国の影響工作は、国外にいる中国の反体制派を威嚇することに重点が置かれていた。影響工作は中国の法執行当局者が「ChatGPT(チャットGPT)」を使用したことで偶然明らかになった。オープンAIによれば、その法執行当局者は、内密の抑圧工作とされる活動を記録するためにチャットGPTを日記のように使用していた。ある事例では、米国の移民当局者を装った工作員が米国内にいる反体制派の中国人に対し、公的な発言が法律に違反したとされると警告した。米国の郡裁判所の偽造文書を用いて、反体制派中国人のSNSアカウントを削除させようとするケースもみられたという・・
・・別の事例では、就任直後の高市早苗首相を中傷するため、複数の要素からなる計画を作成するようチャットGPTに求めていた。米国の対日関税をめぐるネット上の怒りをあおろうとする取り組みの一環だった。オープンAIによれば、チャットGPTはその指示を拒否したが、10月下旬に高市氏が就任すると、日本のグラフィックアーティストに人気のフォーラムで、高市氏を攻撃し、米国の関税への不満を表明するハッシュタグが出現した(CNN日本語版、2月26日)・・>>
<<・・中国政府が昨年11月、高市早苗首相の「台湾有事」関連発言の後に謎の沈黙を守った後、大規模な認知戦を行った情況が捉えられたと、読売新聞が23日報道した。読売とAIスタートアップの「サカナAI」が共同でソーシャルメディアデータを分析した結果、中国が緻密な計画の下でインターネット世論戦を展開したと分析された・・・・中国はこれに強く反発し、自国民に日本旅行の自制を勧告し、軍・民両用製品の輸出を規制するなど、圧力の水位を高めてきた。だが中国の対応は即時ではなかったと読売は分析した。AI分析の結果、中国は11月7日から12日までの間に、日本内の反応を見て、「戦略検討→世論を見てみる→本格実行」の3段階にわたって対応水位を調整したことが分かった。発言直後3日間、中国共産党系列アカウントの日本批判投稿はほとんどなく、13日、中国が日本大使を招致して抗議しながら、批判投稿と照会数が爆発的に増加したという。
AI分析によると、中国指導部は日本の強力な反発世論までデータとして活用し、最終的に強硬対応方針を固めたものと見られる。日本政府関係者はこの分析結果に対して「中国内部の意思決定過程を示すものであり、実際の情勢と一致する」と評価した。今回の分析は読売とサカナAIがXと中国ウェイボーに上がった投稿約40万件を、巨大言語モデル(LLM)で分析して得た結果だ。AIは、単純キーワード検索を超えて文脈とニュアンスまで把握し、「台湾問題介入」「軍国主義」など中国が拡散させようとしたフレーズを抽出した。最新AI技術で認知戦の展開過程を具体的に視覚化したのは今回が初めてだと、読売は伝えた(ニュース1)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。