電気自動車もそうですが、私は「これから、『そういうもの』が主流になる可能性が高い」と思っています。ただ、エネルギー関連やヒューマノイドロボット関連で、いつも「盛り上げすぎ、煽りすぎではないのか」とも思っています。そういうのは、長期的に見れば、むしろ「発展を遅らせる原因」になるのではないか、とも。最近、エネルギー関連で思ったほどの結果が得られなかったという報告が相次いでいます。いろいろと壮大なことを話していたけど、結局は米国の補助金目当てだった、としか思えない話も。『思ったほどではなかった』という理由でいったん発展が止まってしまうと、あとで再開する(金をかける)ことは難しくなります。それは、「焚き付けた人たち」の責任ではないでしょうか。ヒューマノイドロボットに関しても同じです。得に中国関連で、あまりにも盛り上がり過ぎで、違和感がありました。
見ていてロマンを感じたり、面白いと思ったり、そういうのはいいでしょう。でも、曲芸ができるからって優れたヒューマノイドなのか?といいますと・・そうではないでしょう。現代自動車の「アトラス」もその一つで、本ブログでは取り上げたことがありませんが、韓国では本当に話題になりました。ボストン・ダイナミクス製のロボットで、現代自動車はこのロボットを2028年に現場に投入するとしており、マスコミは(ソース記事本文にもありますが)「大興奮」状態でした。しかし、市民記者のレポートがメインの「オーマイニュース」の、ロボット工学関係者が書いた記事によると、それは決して容易なことではないし、直接的な書き方は避けているものの、「不可能」だとしています。メディア的に、労働組合の肩を持つ側面もあるでしょうけど(あの会社の労働組合なだけに、特に)・・読んでみると、「確かにそれはそうだ」と納得できる部分もあります。記者が指摘している今のヒューマノイドロボットたちの問題は、「空中回転はできるのに、机の上のコインを手に取ることは難しい」ことだとか。メイドロボ普及への長く険しい道程を感じさせてくれる記事、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・現代自動車は、新年になってからメディアの集中的な注目を受けました。2028年を基点に「アトラス」ロボットを大量生産して自動車生産ラインに配置する計画を発表したからです。韓国メディアの報道内容は興奮に満ちた歓声だけでした。経営陣に向けては感嘆の「ハート」を相次いで飛ばし、労組に向かっては表情を変えて「技術進歩を遮っている」としました。あまり思わしくなかった2025年実績発表を控えていた現代車としては、期待以上の成果を上げたわけです・・・・(※記者が前から書いてきたという)一般的な錯視現象、すなわち生成型人工知能をヒューマノイドロボットを同じ物と見て、「すぐにロボットが人間の身体能力に近づくだろう」と信じてしまう現象です。チャットボットなどAIが人間の言語能力を真似できるようになったのは、膨大なテキストデータを基に学習したからです。人が読むのに数万年かかるほど膨大な文字やイメージ情報がインターネットに蓄積されているからこそ、可能だったのでしょう。
しかし、ロボットが人の身体活動を模倣するために必要な学習データ、特に「手技(dexterity)」訓練のためのデータは、インターネットにほとんど存在せず、ほぼ完全に人が行った動作遠隔操縦を通じて訓練させなければなりません・・・・もちろん、シミュレーション(コンピュータ仮想環境での模擬実験)を活用した学習も可能であり、このようにロボット工学が多くの進展を遂げたのも事実です。ロボットに、歩いたり、走ったり、空中回転まで訓練させることができたのも、シミュレーションのおかげでした。このような動きは質量や重力など物理法則を反映したモデリングで現実に近づけて実現でき、シミュレーション学習の効率が非常に高いです。しかし、イヤホンのケーブルをまとめたり、シャツのボタンを留めるなどの繊細な手の動きとなると、シミュレーションの限界が明確に現れてきます。
この興味深い違いを「モラベックのパラドックス(Moravec’s Paradox)」と呼びます。人間にとって難しいことが機械にとっては簡単なのに対し、人間にとって簡単なことが機械にとっては難しい現象を意味する概念です。機械に複雑な計算、囲碁、さらには空中回転なども簡単に教えることができます。一方、机に置かれたコインを手に取ったり、シューズの紐を結ぶように、人が日常的にすることを教えるのは非常に難しいです・・・・人間の洗練された手さばきに必要な感覚と運動能力は数百万年にわたって進化してきた結果です。このように長い年月を経て蓄積された能力を機械が容易に模倣できないのは当然かもしれません・・・・リモートコントロールまたは直接実行で教えることになりますが、これらのデータはシミュレーションとは異なり、リアルタイムでのみ蓄積されます。
コンピュータを介したシミュレーション学習は、実際の時間にとらわれず、コンピュータの計算速度で迅速にさまざまなシナリオを作成して記録できるように、指数関数的にデータを蓄積できます。しかし、現在人類が確保したロボット用物理データは時間に換算すれば、わずか1年余りの水準です。バークレー大学ロボット工学者ケンゴールドバーグがロボットの限界を「10万年データギャップ」と表現する理由がここにあります。生成型人工知能に比べると、ロボットの物理知能は今、歩きを離し始めた段階といえます。このような状況で現代自動車が2028年からアトラスを大量生産して配置すると公言したのです・・
・・(※現代自動車がアトラスを投入するとした)エンジンやトランスミッションなどのコア部品の精密な組み立てと調整、革シートとオーディオの装着、油圧ラインと電線設置のように簡単にキズがついたり、形が一定でない、または洗練された部品を扱う作業。まさにこの作業にアトラスを投入するという計画です。言い換えれば、ロボットが満たさなければならない技術レベルが非常に高い作業です。問題は、その高価なロボットが工場で役に立つ役割を果たすことができるかということです。現代が公言した通り、アトラスが工場に配置されて有用な作業をするには、まだ解決されていないロボット工学の根本的な限界から克服しなければなりません。そしてロボットを工場に2028年まで本格投入するには、基礎工程に活用できる手の技術と環境適応能力の実装課題を来年までには解決しなければならないでしょう。これは可能でしょうか?・・
・・昨年の業績不振が主に作用したと判断しますが、問題は、現代自動車が2020年代に入って不確実な約束を乱発する姿を見せているという点です。2022年に「2023年自律走行商用計画発表」と言いましたが、何度も延期し、再び「2026年レベル4レベルの自律走行商用化」を発表した事例などがそうです。「2年後」と「今年の中に」を繰り返し、市場の信頼を失っているテスラとそっくりに見えます(オーマイニュース)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。