米国とイランの停戦が発表されたものの、さっそくイスラエルのレバノン攻撃により、ホルムズ海峡の運行に問題が発生しているという報道も出ています。さて、終戦への議論はちゃんと始まるのか、気になるところです・・と、いろいろ「なにやってんだ」とツッコみだしたらキリがない今日この頃ですが、韓国の安保関連シンクタンク所長でもある軍事学教授が寄稿した内容を取り上げてみます。よくトランプ大統領が「日本、NATO(加盟国)、韓国などに不満を示した」といいますが、実は各国の「説明」にはそれぞれ差がある、という内容です。毎日新聞、9日の記事です。基本的には、「私たちも日本のようにしたほうがいい」、とも。詳しくは引用するとして、自分なりにちょっとまとめてみますと、日本の場合は「(憲法制約などで直接参加はしなくても)なにができるのか」「どんな寄与ができるのか」をちゃんと説明しています。
たとえば、「確実に停戦するなら、機雷除去などのために自衛隊を派遣できる余地がある」などです。日米首脳会談でも高市早苗首相がこの話をした、と言われています。しかし、韓国の場合は「私たちは~である」と、ホルムズ海峡軍艦派遣などに参加しない「自分の立場」は説明しているけど、「それでも~なら~ができる」はなにも説明していません。この点、記事は、「日本は海上自衛隊を活用して戦闘参加ではなく、情報収集と海上安全中心の制限的ながも寄与できる方式を設定し、これを一貫して説明してきた。欧州諸国も、軍事介入を最小限に抑えながら協力できる範囲を明確に提示した。核心は、参加のレベルではなく、何をするのかを明らかにした、ということだ」としています。
記事はこれを「沈黙」ではなく、「設計」で対応すべきだった(韓国政府はそれができていない)、としています。2019年3月25日の中央日報に、米国国務省の人の話として「日本は私たちに『何が出来るのか』を聞く、韓国は私たちを『教えようとする』」という記事がありました。そういうスタンスが、また出ていると言えるでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。2019年の中央日報の記事もちょっとだけ引用してみます。
<<・・このような状況(※ホルムズ海峡関連の米国側の対応、『請求書』が来るだろうという話、など)で、私たちがとるべき方向は、「沈黙」ではなく「設計」だ。韓米同盟、対中関係、中東エネルギー依存が同時に働く構造では、単純な「慎重論」だけでは、戦略にはならない。軍事的支援が難しい場合は、それに対応する代替としての寄与、たとえば、海上安全協力、情報共有、エネルギーサプライチェーンの安定化などを明確に提示し、同盟とそのための事前調整に乗り出さなければならない。この部分で、一部の同盟国の対応は、私たちに示唆点を与えてくれる。日本は、海上自衛隊を活用して、戦闘参加ではなく、情報収集と海上安全中心の制限的な寄与方式を設定し、これを一貫して説明してきた。欧州諸国も、軍事介入を最小限に抑えながらも、協力できる範囲を明確に提示した。
核心は、どれだけ参加するかのレベルではなく、「何をするのか」を明らかにした、ということだ。問題は、イラン事態は終わってもすべてが終結するのではなく、同盟に向けたトランプの「請求書」はさらに具体化される可能性がある、という点だ。特に、韓国は、防衛費、戦略資産、域外寄与を一つにまとめる「パッケージ交渉」の圧力に直面する可能性があり、ここに、さらに軍事・外交資産が朝鮮半島とインド・太平洋、中東の間で分散される負担が加重されることも懸念される。結局、議論の本質は、「韓国がなぜ応えなかったのか」ではなく、同盟という概念の変化の中で、「韓国がどのような役割を自ら設定したのか」である。政府の慎重な態度は理解できるが、戦略的説明と先制的な調整が不足したという点は、限界だ。このままなら、私たちが選択しての対応ではなく、圧力によって規定される構造になってしまうしかない。
重要なのは、韓国安保で韓米同盟が依然として核心軸だという事実だ。北朝鮮の核・ミサイルリスクが続く状況で、米国の拡大抑止は、短期間で他の手段に置き換えることができない。これからも、回避ではなく設計としていかなければならない。同盟を基本として、国益に合致する役割を精巧に規定し、「どのように貢献するか」を主導的に提示しなければならない。同盟は生存であり、主導性は選択ではなく義務だ(毎日新聞)・・>>
<<・・米国務省のある関係者は、このように、ワシントン内の日韓外交の違いを説明する。「韓国の外交官は、会えばすぐに私たちを教えようとする(※日本語版では「教化しようとする」となっていました)。そして、何かをくれとお願いする。その頼みを聞いてやると、その後、しばらくは連絡が途切れる。後でまた連絡が来てまた会ってみると、また何かを頼んでくる。日本の外交官は、会えば、まず「私があなたのために何かできることはないのか」と尋ねる。助けてくれようとしてくれるのだ。だから私も「じゃ、私の方からは何をすればいいだろうか」と言うことになる(中央日報、2019年3月25日)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。