1つ前のエントリーからの続きになります。このニュース、韓国ではかなり大きく報じられています。問題を指摘するのが極めて一部のメディアだけ、というのも・・なんか、韓国ならではのことかもしれません(大統領の支持率が高いときには批判記事がほとんど載らない)。前回と同じ朝鮮日報ですが、今回はもう少し突っ込んだ内容で、「イラン(国民への弾圧など)にも同じことが言えるのか」、「日本の場合、イランの外交を維持しているが、別にイスラエルと対立しているわけではない」などの内容です。
基本的にはダブル・スタンダード関連で、「北朝鮮、中国にも同じことが言えるのか」(前回、私もこのことを書きましたが、前回のソース記事にはこの内容はハッキリ描かれていませんでした)とか、「北朝鮮の人権問題を国連で議論していたときには棄権していた人たち(文在寅政権のときにハイレベルだった人たち)が、なんで今回は「国際人権」をここまで持ち上げるのか、などなどです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・2023年1月、アラブ首長国連邦(UAE)を国賓訪問した尹錫悦 当時大統領が、現地に派兵したアーク部隊を訪ねて演説をしていたときのことだ。イランを「UAEの敵」と表現して、外交部がひっくり返ったことがある。UAEが中東でも指折りの友好関係にあるが、複雑に絡み合っている中東内の構図に対してはあまり深入りしなかった韓国外交の長い法則を破ってしまったたのだ。
サウジと共に中東の強者であり、石油、天然ガス埋蔵量が豊富な資源富国であり、韓国企業の進出が活発だったイランと対立する理由もなかった。イランが「よほど干渉するのが好きのようだ」と対応し、この問題は両国間の外交問題に飛び火し、当時「共に民主党」代表であった李在明代表は、これを外交問題とし、「イランに敵対的な発言を出してしまった」「兄弟国UAEを非常に困らせてしまった」と批判した。
3年が過ぎた今回は、米国の同盟であり、中東の友好国の一つであるイスラエルを相手に、よく似たハプニングが繰り返されている。昨年末からイランの「神政」政権が反政府デモを弾圧し、最大3万人に達する市民が亡くなり、約5万人が収監されたという観測(マフムード・アミリ・モグハダム イラン人権代表が本誌に明らかにした推算の数値)が出ている中、韓国政府は「動向を注視している」(外交部スポークスマン、1月16日)という立場を出したのが全部だった。イランの状況には事実上、沈黙し、友好国イスラエルに人権と国際法の厳格な基準を要求している李大統領の言行は、自由・民主陣営の指導者の中ではなかなか見られないものである。
イギリス、ドイツ、フランス、欧州連合(EU)などもイスラエルに人権問題をしばしば提起するが、現在のイラン状況の中では「すべての当事者が自制する緊張緩和が必要だ」「イスラエル安保は重要だが地域戦争に広がってはならない」「繰り返されるリベンジを終わらなければならない」というトーンを維持している。直接批判することで得られるものもなく、ドナルド・トランプ大統領が主導し、中東に米軍資産を集中投射している状況であり、それに対する政務的な考慮も必要だからだ。
反面、北朝鮮・ロシア・中国などと共に、国際社会権威主義ブロックであるいわゆる「クリンク(CRINK)」の一つであるイラン内の権威主義政権の行動は、何度も批判を受けてきた。韓国と同じくホルムズ海峡を通じたエネルギー輸入に依存度が大きい日本は、イランと首脳・長官レベルで外交チャンネルを稼働しているが、それでもイスラエルに対立したりはしない。
李大統領の発言があった後、与党側の人たちが「人権国家として国際的発言は必要だ」(チュミエ民主党景気知事候補)と発言しているが、これがちょっとしっくりこない部分がある。韓国は朝鮮半島問題の当事者であるにもかかわらず、北朝鮮の人権問題を事実上、放棄しており、中国のウイグル自治区内の少数民族弾圧などに対して、国連が声を出した際にも、反対・棄権した場合が多かったためだ。李大統領本人が、ロシアが国際法に違反した一方的な攻撃から始まったウクライナ事態、航行の自由守護問題がかかっている台湾問題について、「韓国とは関係ないこと」という趣旨で話した批判を受けて、その立場を是正したことがある。そこで、外交専門家たちの間では、今回の李大統領の発言の背景は何なのか、という推測がいろいろと出ている。
文在寅政権は、南北関係に及ぼす影響などを意識し、2019~2021年国連北朝鮮人権決議案共同提案国に参加せず、対北朝鮮人権団体から少なからぬ批判を受けた。当時、大統領府・外交部で勤務していたチェジョンコン前1次官が、今回は、(※李大統領を擁護して、文政権の時とは逆のスタンスになって)「国際社会で発生した問題について一言しただけなのに、そんなに大きな問題なのか」、「大統領の発言を、外交部はより積極的に保護しなければならない」と話したりした(朝鮮日報)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。