盗難仏像 観世音菩薩坐像、26日に最高裁判断・・日本へ返還なるか

長崎から盗難された観世音菩薩坐像の所有権に関して、韓国最高裁が26日に最終判断を下すことになります。聯合ニュースなど複数のメディアが報じています。1審では韓国の浮石寺に所有権があったとしましたが、今年2月の2審では、裁判所は日本の観音寺に所有権があると判断しました。観音寺が長い間、平穏かつ公然と所有していたし、民法上の時効もすでに成立していると判断しました。浮石寺側は当時、「裁判所が法律解釈を間違えた違法判決た」としながら、最高裁に控訴しました。2審のとき、「これは所有権に関する裁判であり、返還すべきかどうかについてはユネスコや国際法に基づくべきである」としていたので、もし最高裁が観音寺の所有権を認めたとしても、返還までスムーズに繋がるかはなんとも言えない状態です。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・ソサン浮石寺は「1330年頃、ソジュ(寺があるソサンの高麗時代の名称)にある寺院に奉安しようとこの仏像を製作した」という仏像結縁文をもとに「うばわれた仏像であるだけに、元所有者である私たちに返さなければならない」と2016 年、仏像の引渡請求訴訟を提起した。2017年1月26日、1審は様々な証拠に基づいて「仏像は倭寇に持って行かれたものだと見るのが正しい」という趣旨で浮石寺側の主張を認めたが、国家を代理して訴訟を引き受けた検察は「仏像と結縁文の(※関係の)真偽を明確に明らかにしなければならない」と控訴した・・

 

・・大田地方裁判所は2月1日、1審判決を覆して日本に返さなければならないと判決した。2審裁判部は「観音寺側が1953年から、仏像が盗まれる前の2012年まで60年間、平穏・公然と占有してきた事実が認められる」とし、「仏像が不法搬出されたものだったとしても、既に取得時効(20年) が成立しただけに、観音寺に所有権が認められる」と判示した。裁判部は当時、ソジュの浮石寺が現在の浮石寺と同じ宗教団体であると立証もされていないと見た・・

・・仏像所有権は日本に移ったが、2審裁判部が「民事訴訟はただ所有権の帰属を判断するだけで、最終文化財返還問題はユネスコ条約や国際法によって決定しなければならない」と明らかにしており、返還するかどうかは決定されなかった・・・・検察が控訴とともに出した仏像移送執行停止の申請が受け入れられ、仏像は現在大田国立文化財研究所の収蔵庫にある。浮石寺は「控訴審判決(※2審)は時効取得に対する法理を誤解して判決に影響を及ぼした違法性がある」とし、最高裁に控訴した(聯合ニュース)・・>>

 

浮石寺の浮石というのは、龍が大きな石に変身(?)して、寺の建築予定地から山賊たちを追い払ったという伝説に基づくもので、慶尚北道ヨンジュというところにある浮石寺がその伝説の場所だとされています。そこは本件の浮石寺とは別で、本件の浮石寺は忠清南道のソサンというところにあります。作った人は同じで、作られた時期もほぼ同じ(ヨンジュの翌年)だと言われていますが・・結構離れた場所にあるのに、当時、そんなペースで作ることができたのかどうか、個人的にはちょっと疑問です。浮石の伝説をもとにしてそんな名前にした可能性も十分にあるし、それなら他にも浮石寺という名前の寺は複数あったとしてもおかしくありません。有名な寺の名を勝手に使っていた可能性もありますが。だから、2審判決などで「仏像の結縁文に出てくる浮石寺と同じ寺なのか証明できない」という話も出てきたのではないか、と。あと、いま書きながら思いましたが、龍なら別に石に変身しなくても姿を見せるだけで追い払えたのは・・な気もしますが、そこはともかくして。

どうであれ、仏像がいま韓国にあるのは、明らかに「いまの法律」の時代に起きた国際盗難事件です。一刻も早く、仏像が『あるべき場所』日本に『帰って』来られることを願います。

 

 

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