韓国の「練炭」事情・・7万4千の貧困世帯が利用するも、生産はほぼ限界

「心理的にG8」シリーズと関係があるような、無いような、今日は(も)そんな話です。韓国では、まだ練炭が現役です。現役というほどではないけど、まだまだ多くの人が使っています。エネルギー費用を節約するために練炭暖炉を使う人もいて、韓国の住宅街には今でも練炭(使った後のもの)が家の前においてあったりします。でも、そういう節約の一環ではなく、それ以外に使う余力が無い人たちも多く、韓国日報によると、約74000世帯がそうです。全世帯の約0.3%です。多くが高齢層の方々で、2020年まで8万~10万と言われていた練炭使用世帯が、急に7万世帯と集計された理由も、亡くなった方が多いからだという悲しい分析もあります。

その練炭ですが、生産もほぼ限界に来ているようで、多くの工場が生産を中止することになりました。「練炭は貧しい人たちが使うものだから」という理由で、価格が1個639ウォンに固定されているからです。価格を制御する人たちは善行のつもりかもしれませんが、工場からすると、もう限界です。それに、練炭を使用する世帯はほとんどが「車が入れない」場所です。そう、問題なのは、練炭の性能ではなく、それが使用者の手に届くまでのインフラ的な側面です。かなり高いところにある町まで、古い階段で人が配達しないといけない(※冬は普通に凍るため、あぶない)ので、使用世帯が実際に払う費用は、練炭1個に約1000ウォンです。配達しようとする人も、もうボランティアや慈善団体以外はほとんどありません。以下、データ部分を引用してみます。

 

<<・・全国約7万世帯が練炭に頼って冬をすごさなければならないと調査された。26日、社会福祉財団「練炭銀行」の調査によると、今年全国の練炭使用世帯数は7万4,167世帯で、総世帯数の0.3%に相当する。2021年(8万1,721世帯)と比較すると8%ほど減った。 一方、ソウル(1,827世帯)と大邱(1,8433世帯)、忠清北道(7,618世帯)は同期間4~30%増えた。済州(311世帯)の場合、2倍近く増えた。全国的に、2014年以降、練炭使用世帯が減少の傾向を見せることに相反する数値だ・・・・ 練炭銀行は、一部地域の練炭使用世帯が増えた原因で、灯油価格の引き上げ、電気・ガス・水道など各種公共料金の引き上げ、低所得高齢層の増加、景気低迷などを挙げた(韓国日報)・・>>

 

別記事ですが朝鮮日報(朝鮮BIZ)によると、練炭工場が相次いで仕事をたたみ、2018年45カ所だった練炭工場は、今年9月基準で30カ所になりましたが、その中で実際に稼働しているのは21ヶ所だけです。練炭価格は1個当たり639ウォンで数年間凍結されている、とも。運搬費、配達料が加わるため実際の価格が上がっていて、配達ボランティアは増えたものの、後援は急激に減っています。YTNの報道によると、後援で用意できたものは必要予想数の4%だけだそうです。

ちなみに、3日にトコジラミ関連ニュースをエントリーしましたが、どうやら私が予想したように「住居問題」が関わっているようで、「チャンネルA」というケーブルテレビ局が、住居貧困とされる場所(考試院や、一つの部屋を無理して多くに分けて作った『分け部屋』村など)を調べたところ、トコジラミによる問題がすごいことになっていた、とのことです。防疫するにも10万円はかかるので、放置状態である、と。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国人として生まれ、日本人として生きる」が発売中(2023年7月29日発売)です!2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」を受け入れ、その連続性を大事にしながらも、「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。「両国間の架け橋になりたい」などと全然思っていない理由は何か。『日本人』として初めて韓国を訪れたときの感想をメインにして、一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。新刊・準新刊紹介エントリーもぜひ御覧ください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。