中国系企業、相次ぐ韓国進出・・米国の各種措置を迂回するため

最近、特に半導体関連で、自由民主主義陣営の企業が日本への投資を行う、または増やすというニュースが頻繁に聞こえてきます。逆に、韓国では中国(系)企業が進出するというニュースが増えています。特にバッテリー部門、そして今回は電気自動車部門です。毎日経済など韓国メディアは「韓国の安定した生産インフラと技術力」「米韓FTAを利用するため」としていますが、その問題点については何も指摘していません。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・中国のジーリーグループ(※浙江吉利控股集団有限公司、「吉利汽車」と「ボルボ・カーコーポレーション」の親会社)系列の電気自動車企業のポールスターが韓国を主要生産拠点に選んだ。中国系自動車企業が韓国に生産拠点を置いた最初の事例だ。米国輸出の迂回拠点として韓国がいいという判断が作用したものと解釈される。韓国が米国と結んだ自由貿易協定(FTA)ネットワークと安定した自動車生産能力が理由だとの分析だ・・・・中国バッテリー素材メーカーが米国インフレ削減法(IRA)を迂回するため韓国投資を拡大してきたことに続き、自動車まで領域を広げ、韓国を北米輸出の橋頭保として活用する戦略を強化している・・

 

・・中国企業が韓国を製造・生産拠点として活用しようとする試みは、バッテリー分野を中心に活発に行われてきた。完成車業界は韓国の関税恵沢に集中し、バッテリー素材業界はインフレ削減法(IRA)補助金の恵沢に目をつけ、韓国を「IRA迂回」のため活用する方式を選んできた。IRAの規定によると、補助金を受け取るためには、米国あるいは米国とFTAを結んだ国で調達した原料を使用しなければならないからだ。これに先立ち、中国のロンバイは全北セマングム国家産業団地に約1兆ウォン以上を投資して前駆体工場を建てる計画を明らかにした。合弁会社なしで単独で工場を建てる方案だが、韓国政府から許可を得た。

中国の浙江華友コバルトは今年初め、ポスコフューチャーエムとLG化学と手を取り合って合作生産基地を立てると発表した。SKオンとエコプロも中国のGEMと合弁会社を立てる方針だ。中国1位の電気自動車企業BYDは、国内中堅完成車メーカーKGモビリティと手を取り、国内にバッテリーパック工場を設立する方針だ。ジョン・インギョ インハ大学国際通商学科教授は「国内の電気自動車生産サプライチェーンと技術力などがかなり良好なため、中国企業の立場では韓国を生産拠点として活用する誘引策は十分だ」とし「今後もこのような傾向が拡大する可能性がある」と話した(毎日経済)・・>>

 

韓国メディアの全般的な論調は、「うれしい」ですが・・韓国貿易協会のジャンサンシク室長など一部の専門家は、「米国がこの件をどう考えるかで変わる」可能性を指摘しています。は、中国が韓国に進出するこの流れはインフレ抑制法(IRA)などを迂回するためだが、たとえ韓国内にあるものでも、米国が「海外懸念機関」に指定されれば、税額控除対象ではなくなる可能性がある、というのです。結局、バッテリー原料をはじめとする核心鉱物を安定的に確保するためには、国別にカスタマイズされた進出戦略が重要だ、と(8月30日韓国日報)。SKハイニックスの反対によりウェスタンデジタルとキオクシアの合併が霧散されたこともそうですが(合併は、日米への安定した半導体供給のためだとも言われていました)、どうも日米で聞こえてくるものとは『逆』の流れが目立つ韓国であります。

余談ですが、キオクシアとウェスタンデジタルの合併失敗の件、日本・欧米メディアから「SKハイニックスが反対している」というニュースが流れたあと、それを気にした保守系メディア朝鮮日報が「SKハイニックスは反対するとは言っていない」とする記事を載せたりしました。保守系メディアとしては、「これはまずい」とでも思ったのでしょうか。その数日後、こんな結果が現実になりました。

 

 

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