韓国メディアの円安関連記事・・各紙、「円安で日本は緊迫」とも「円安で日本は好調」とも

韓国各メディアが、円安関連で多くの記事を出しています。円安だから日本は緊迫な状態にある、金融危機が近い、などの記事もあります。円安で好調だ、グローバルサプライチェーン再編のときに円安は大きな利点だ、などの記事もあります。ただ、いままでは後者の記事が多かったのに、最近は前者のほうが多くなった気がします。こてもピークコリア関連の影響(くやしいから?)でしょうか。円安だから何でもいいわけではないし、だからといって何でもよくないというのも間違いです。要は、どれだけ急に、どれだけ長く続くのかではないでしょうか。

金融不安などで(ウォンとドルの)為替レートの揺れが大きかった2010年、年平均で変動幅が約10ウォンでした。それで「揺れが大きい」為替レート変動を1日10ウォンとする見方がありますが、韓国経済(10月6日)によると、1日に10ウォン以上動いた年間の日数は、2010年には1年で5日だけでしたが、2022年には68日、2023年(9月まで)で52日です。高いか安いかを離れて、ウォンとドルのレートは急に動いているわけです。不安定という意味なら、こちらのほうが問題のはずですが。で、昨日は東亜日報も同じ円安記事を載せましたが、こちらは「これは、私たちにとっていいことではない」という趣旨です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・特に先月、米10年物国債利回りが一時5%を超え、金利が低い円を売ってドルを買う「円キャリートレード」が活発になり、円安はさらに進んだ・・・・日本経済新聞は「米国消費者物価指数(CPI)が予想より大きく上がらないだろうという見通しが広がれば、米連邦準備制度(Fed)の来年金利引き下げ予想が崩れ、ドルの強みが進みやすい」と分析した。鈴木俊一日本財務相は14日、「為替レートの過度な変動は望ましくないというのが基本的な考え」とし「日本政府としては引き続き万全の準備をしている」と話した。

記録的な円安は、韓国の輸出にもダメージを与える可能性がある。日本と輸出競合を繰り広げる商品を中心に、韓国製品の価格競争力が下がる。ソン・テユン延世大経済学部教授は「グローバル市場で円安になればなるほど、韓国の価格競争力が下がるしかない」と話した。旅行指数にも影響が懸念される。ソク・ビョンフン梨花女子大学経済学部教授は「円安現象が持続するほど日本に集まる国内観光客が多くなり、サービス収支不振に繋がる可能性が高い」と説明した。円安は国内金融市場で投資目的で低価格で円を買う人が多くなる、エンテク(円+財テク)につながっている。この日、金融圏によると、KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協など5大銀行の円預金残高は7日基準で1兆1407億円だ。先月末、1兆489億円から1週間で918億円が増えた(東亜日報)・・>>

 

2022年10月にもドル円が150円になって同じ現象がありました。あのときはほぼすべてのメディアが「金融危機だ(やったー)」という趣旨の記事を載せました。2022年10月21日、KBSは「我が国にも影響するので、日本の国運があまりにも早く衰退しないことを願うだけです(直訳)」と報じたりしました。当時、日本特派員などから「いやそういう雰囲気じゃない」と反論記事が載ったりもしました。本ブログでも、「円・ドル為替レートが150円になり、金融危機の影が見え隠れするのだろうかと思ったが、とても平穏だった。出勤する証券会社の職員たちに『金融危機が迫ることもあると思うか』と聞いたところ、みんなびっくりした。初めて聞く話だ、それはどういうことなのか、と。彼らが心配するのは物価だった」とする韓国日報日本特派員の記事を紹介したことがあります。外国からも、そんな趣旨の話はまったく聞こえてこない、とも。

 

 

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