韓国メディア「『つなぐ』文化が、日本スポーツに超長期計画を可能にした」

珍しく、「アジア競技大会決勝、日本はU22、韓国はU24最精鋭だった」と素直に認める記事があったので、ちょっと読んでみました。この件、韓国側の記事では、ちょっとしたタブー扱いでしたので。韓国日報のシリーズ記事(ソースその1その2)で、日本スポーツのクアンタムジャンプ(一気に次の段階へ跳ね上がる)の凄さ、そして韓国スポーツ界の問題点を取り上げるものでした。記事は、日本のクアンタムジャンプを、「相次いでノーベル賞受賞者を出しているのと似ている」としながら、いくつかの要因を書いています。そのうちの一つとして、記事は、「超長期プロジェクトを立て、それを実行できる力」は、日本の『つなぐ』(次に繋げる)文化にあるとします。どれ、それ、ほれ。シリーズ記事から2つチョイスして、<<~>>で引用してみます。

<<・・ジャンケンもまけてはならないというけど、最近韓国スポーツは日本に格段に押されている。夏季オリンピックは2016リオオリンピックはもちろん、夏季アジアゲーム(※アジア競技大会)でずっと守っていた2位の座も、2018ジャカルタ・パレンバンアジアゲームから渡した。いわゆる「4大プロスポーツ(※サッカー、野球、バスケ、バレーボール)も同じだ。サッカーはA代表チームは2021年、2022年0-3だった。17歳以下、23歳以下の年齢別代表チームも同じだ。先月、杭州アジアゲーム決勝で2-1勝利し金メダルを獲得したが、韓国は24歳以下選手とワイルドカード(年齢制限超過)を活用して最精鋭だったが、日本は2024パリオリンピックに備え、22歳以下でのみ構成した。短期成果だけ目指す韓国と長期計画で動く日本であった・・

 

・・野球は2023ワールドベースボールクラシック(WBC)で日本に4-13で完敗し、2回連続1ラウンドで終わった。男子バスケットボールは杭州アジアゲーム組別リーグで2進級選手たちで構成された日本にまけ、バレーボールは男女共にノーメダルで終わった。韓国はエリートスポーツと学園スポーツが分離されているが、日本はずっと前からその壁がなくなった。早起きサッカーに登録された女性まで含めても、韓国は選手が3,500人に過ぎないが、日本は45万人に達する・・・・女子バスケットボールも、韓国高校チームは19個、日本は3,000個を超える・・(※ここまで記事1)・・

 

・・「エリートスポーツ(国家代表級)は韓国、生活スポーツは日本が強い」という言葉が通用する時代もあった。 しかし、現時点で日本はエリートスポーツでも私たちより強い。野球とサッカー、バスケットボール・バレーボール(男女)など4大スポーツともに日本が韓国より世界ランキングが高い。 特に、10年前だけでも私たちが上だった男女バスケットボールでも押されている。日本は陸上短距離などアジア選手には「壁」のように感じられた種目でも、オリンピックメダルを獲得するなど底力を見せている・・

・・専門家たちは、日本が超長期計画を立てることができるのは、「つなぐ」文化のおかげだと言う。 笠原健司日本オリンピック委員会強化部長は、「日本人は『すぐに』ではなくても『いつか成果が出る』という考えで計画を続けていくことを、大切に考える」とし「時代が変われば細部計画は少し変わることもあるだろうが、一緒に悩んで立てたビジョン自体は変えない」と話した。 1964年東京オリンピック100周年となる2064年までスポーツを通じて個人の成長と国家の発展、世界平和に貢献するという計画を盛り込んだ「ビジョン2064」も十分な社会的議論を経て作られた。

 

文化心理学者ハン・ミン氏は、「日本社会は『すべての人が役割を果たさなければならない』という認識が強く、すぐにお金にならなくても投資を続ける」とし「ノーベル賞受賞者を20人余りも出せたのも、投資と研究が150年近く蓄積された結果」と説明した。日本中小企業の研究職職員がしばしばノーベル賞を受ける理由も、すぐに成果がなくても研究をあきらめないツナグ文化のおかげだという(韓国日報)・・>>

繫ぐ・・この場合は「絆ぐ」がいい気もします。そういえば、韓国というか朝鮮半島には「連続性」という概念が弱いと前にも書いた記憶があります。それとも関係した話だと言えるでしょう。政治だけみても、政権交代で外交路線そのものが真逆になり、また世論がそれを支持するパターンが一般的ですし。スポーツでも同じ現象が問題になっていたとは知りませんでした。11月6日に部活関連のエントリーを書いたことがありますので、未読の方はそちらも一緒にお読みください。6日のエントリーは2019年の記事を紹介したものですが、中心内容というか、記事の趣旨は今日紹介した韓国日報(2023年11月16日の記事)とほぼ同じです。

 

 

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