韓国メディア「日米とは違う・・中韓会談が無かったのは、中国と韓国の間に懸案が無いからだ」

この前のAPECで、日中首脳会談、米中首脳会談があったのに中韓会談はありませんでした。本ブログでもなんどかお伝えしましたが、アジア競技大会のときに訪中したハンドクス総理が習近平主席と面談したことで、すぐにでも日中韓首脳会議ができ、習近平主席も訪韓するだろう、年内はちょっとむずかしいかもしれない、そんな報道が相次いでいたからです。このことで「なんで中韓会談が無かったのか」を指摘するメディアは多く、1週間以上経ったいまでも記事が出ています(ソース記事マネートゥデイは19日のものです)。

大統領室はこのことで、2つの理由を述べています。一つは、「そこまで懸案が無いから」。もう一つは、「戦略的な選択だった」です。すなわち、会談をしないほうがいいと判断したからだ、ということですが・・このことでマネートゥデイは、会談することは中国に低い姿勢を示すものだから、会談しないほうがいいと思った、とも書いています。言い換えれば、わざと会談しなかったということですが・・なんか、大統領室の発表も、記事の分析も、どこかズレているとしか思えない今日この頃です。どうしても「中国との関係は大丈夫だからね、本当だからね」としているだけにも見えます。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・大統領室がAPEC(アジア太平洋経済協力体)首脳会議期間中、中韓首脳会談が不発になったことに、「韓中間での懸案は十分に対話を通じて疎通している」と明らかにした。 韓中間には、無理に会談を推進するほど緊急な懸案がなかったため、会談が実現した日本などと比較する必要はないという話だ・・・・(※大統領室の『核心関係者』は)「米国と中国は、基本的に必ずしなければならない懸案がたくさんあった」とし「日本と中国も必ず解決すべき懸案があり、必ず会談が必要だった」と話した。 一方、「韓中に関しては、最近、大統領が中国の首相に会った。ハンドクス総理も習近平主席と会って会話したので、懸案は解消されている状態。近いうちに日中韓外相会議もある。韓国と中国は十分にコミュニケーションしている」とも話した・・

 

・・大統領室は、韓中首脳会談を無理に推進していない理由として「戦略的選択」を挙げた。 大統領室高官は、現地で「両国の戦略的選択によって、会談したほうがいいのかどうか、それをどう判断するかにかかっている」と話した。米国の全方位圧迫の中、中国も私たちとの関係改善が必要なだけに、私たちが低い姿勢を見せる必要がないという分析だ。代わりにユン大統領は習近平主席とAPEC1セッションに先立って3~4分ほど短い歓談を交わした。 ユン大統領が「杭州アジアゲームのきっかけでハンドクス首相をよく迎え、おもてなししてくれてありがとう」と挨拶し、習主席は「首相と素敵な会談をした」と答えた。 続いて「APECのきっかけに良い成果をあげたい」という尹大統領の徳談に、習主席は「良い成果があると確信する。このために韓中が互いに共に協力していくことを希望する」と話した(マネートゥデイ)・・>>

 

関係が良好なら、略式でも会談をもっと「する」ものだと思っていましたが・・そうでもないみたいです(笑)。あと、最後の段落もそうですが、中国との関係は大丈夫だ、という内容を強調しすぎです。「低い姿勢を示す必要はない」と考えているなら、こんな内容を書き加える必要もないでしょうに。ちなみに、ユン大統領が中国の総理に会ったのも、韓国の総理が習近平主席に会ったのも、面談レベルです。これで懸案が解消された状態だというのは、果たしてどうでしょうか。

記事はまた、「日本が中国と会談できたのは、中国ではなく日本が積極的にとりかかったから」とするなど、どうしても「日本は中国と会談できた」を気にしているようです。記事の題も「日米とは違う」と、某モビルスーツのようなことになっています。こういう心理こそ、低い姿勢ではないのか、そんな気もします。ちなみに、記事では「もうすぐ日中韓外相会議があるから」としていますが、その日中韓外相会議も、中国側は晩餐会に参加せず、共同記者会見もありませんでした。

 

 

 ブログ(PC版)のトップ画像を松本城の写真にしました。待ち時間が長くて中には入れませんでしたが、美しく、立派なところでした。

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