万国博覧会開催、「日米だけを見る外交が原因」など様々な展開に・・大統領は対国民談話まで発表

万国博覧会関連ニュースがあまりにも多く、もう一回だけ(多分)エントリーします。日本からすると、「えっ、こんなことで?」と不思議に思われる現象ですが、韓国では、ユン大統領が対国民談話を発表するなど、ある種の非常事態です。「底力を見せた」「惜敗した」「ローマに勝った」「外交の格が上がった」「Kカルチャーを広く知らせた」「2035年に再挑戦だ」など、どうしても擁護するメディアもあります。「外交力全般的に弱い」「現実」「誘致できなかったことより、(一つ前のエントリーで紹介した金銭的選挙など)各種発言がもっと問題だ」「再挑戦するにもまだ時間がかかる」「いくらなんでも事前の情報(2次投票で勝てるという内容)とギャップがありすぎ」などの現実的な批判を書くメディアもあります。

まず、ユン大統領が対国民談話で、「全ては私の不徳、不足によるもの(何箇所か似たような表現がでてきますが、不徳だったり不足だったりします)」「サウジの成功的開催を願う」と話したことは、他の案件に比べると、すなおに評価されていいでしょう。しかし、「徳」と聞いて思い出しましたが、11月8日、「感化」「教化」などについて書いたことがあります。徳のある人が単に「合う」「話す」だけで、徳のない人は感化され、それこそが正しい社会の姿である、とする考えです。各メディアは「200カ国以上と会った」「地球を495周できる距離を動いた」などを努力を強調していますが、会って何を話したのでしょうか。ひょっとして、「私たちが正しいから、会って少し話せばすぐ相手は味方になってくれる」と思っていたのではないか・・そんな気もします。ユン大統領本人がこう思っていたというより、政権関係者、担当者たちのやり方がそうではなかったのか、と。

 

そんな中、野党側、一部のメディア、さらには与党内(新党設立予定の人)でも、日米だけを見る外交が原因だ、という主張が出ており、しかもある程度は広がっていることが、印象的です。当の日本で次の万国博覧会開催することになっていますけど・・どうしても「日米外交」に話を振りたい人たちがいるのでしょう。でも、少し前には「日本が支持してくれるから大きな力になる」「外交成果」としていたのに、いまはまた「日米だけ見るから問題」になっているところが、いかにも。以下、時事ジャーナルから例の発言関連を、中央日報から与党「国民の力」イジュンソク氏の発言を<<~>>で紹介します。ユン大統領と対立している人で、新党を設立すると言われています。また、引用はしませんが、サウジアラビアを訪問して、当地の開発産業に参加できるから経済的な成果を出したとしてきたユン政権が、いまになってオイルマネーの話をしてもいいのか、という指摘も出ていて、たしかに、と思いました。

 

<<・・イジュンソク前代表はこの日午前、フェイスブックで「釜山エキスポ誘致のために努力してくださった各界関係者の努力を高く評価して感謝する」とし「経済関係者と文化芸術体育関係者、そして韓国外交部関係者すべてがここ数ヶ月間努力してきたことがわかる分、結果がさらに残念だ」と話した。しかし、彼は結果において冷静でなければならないとした。イジュンソク前代表は「米国・日本との関係に集中した現在の外交傾向は、安保的には間違った方向ではないが、このような国際行事誘致には1国家1票の状況の中で不利になる」と指摘した(中央日報)・・>>

 

<<・・2030年万国博覧会(EXPO)誘致のことで、「結果を謙虚に受け入れる」としながらも、勝者サウジアラビアに対する公開発言を相次いで、論議が起きている。「金銭投票」を明示的に言及したことで、サウジはもちろん、サウジを支持した国々に外交的に失礼だ・・・・釜山エキスポ誘致委員会諮問委員として現場にいたキムイテ釜山大観光コンベンション学科教授は、会議場から出た後、メディアインタビューで投票結果について「サウジはオイルマネー通じて2030年までに4300兆ウォン投資を通じてリヤドを建設しようとした」 「エキスポ開催のために10兆ウォン以上の投資を、低開発国家に天文学的開発次官と援助基金で金銭的投票が行われたと見る」とした・・

・・教授は「リヤドの王権強化を通じた国家イメージ刷新と自国イメージ改善のため経済改革を核とするサウジビジョン2030を挙げ、サウジ国民の視線をエキスポ誘致と冬季オリンピックなど複数のメガイベント回し、国民の忠誠と支持の確保を享受するためのものだ」とも主張した・・・・総会現場で公開的に相手国に向けてこのような発言をしたのは、深刻な外交的失礼である。サウジを「買った」、サウジを支持した国を「買われた」と規定したものだからだ。今後、問題を残したという批判が大きくなっている(時事ジャーナル)・・>>

 

 

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