イギリスメディア、万国博覧会投票前の記事で「(大阪万博の予想で)博覧会には2800万人が来る。43000人の隊員を管理できなかったのに、大丈夫だろうか」

前にも同じ文章を書いた気がしますが、万国博覧会の件、まだまだ韓国では大きなニュースネタになっています。なにをそこまでするのか、としか思えませんが・・事前の『盛り上げ』がまた必要以上に大きかった分、余波はまだまだ続きそうです。特に、関係者の中に辞任の意思を示す人が1人もいないので、あまり関係ない外交部長官(外相)が交代される(留任の予定が取り消された)という話まで出ている今日この頃です。そんな中、また世界スカウト大会の話も増えてきました。イギリスのネットメディア「ジ・アーティクル」が、相応の記事を載せたことが明らかになったのも、一つのきっかけです。

例のスカウト大会、ユン政権は「コンサートで有終の美」、「リスク管理能力を世界に知らしめた」とするスタンスを変えずにいます。そのためか、あまり今回の万国博覧会と繋げる記事が意外なほど少なかったですが、『イギリスのメディアが言った』というふうにすると、多少は書きやすくなる・・そんな事情もあるのでしょう。ジ・アーティクルの記事は、投票の前の記事で、「World Expo 2030: the day of decision」という題です。よくわからないメディアですが読みやすい文章だったので原文を読んでみました。

 

世界情勢的にも万国博覧会はとても重要だとし、自由民主主義を世にアピールする意味でも、リヤドよりはローマか釜山のほうがふさわしいとする内容です。ただ、記者は韓国のことで「43000人の隊員も管理できなかったのに、(2025年予想)2800万人を管理できるのだろうか」とし、文化的な意味からしても、ローマを応援するとしています(開催可能性が高いとは書いていませんが)。そこで、~な記事がありました、ということで、韓国の一部のメディアも似たような記事を載せたわけです。他のメディアはジ・アーティクルの記事を引用するレベルですが、ネットメディア「プレシアン」は、投票結果において韓国政府及び一部のメディア(KBSなど多数)が見せた反応やコメントが、世界スカウト大会も万国博覧会も、似たようなものだったと指摘しています。

 

本ブログでも紹介しましたが、投票結果が出た直後から、KBSなど大手を中心に、「惜敗した」という記事が結構出ていました。どこをどうみればあの結果が惜敗になるのかはよく分かりません。ほぼ4倍差だったはずですが。今回の万国博覧会でも、投票後に政府側は「今回多くの国との外交に頑張ったことで、外交の新しい地平を開くことができた」としました。全然うまくいかず、ユン大統領が談話を出すことにもなりましたが。寄稿文は、「コンサートで挽回」「リスク管理能力」と「惜敗」「外交地平」は、結局は同じこと(ちゃんと事実関係を把握せず、あとになってそれっぽいいいわけをしている)ではないのか、と指摘しています。

また、本ブログで11月30日「士気」エントリーで紹介したパターンが、世界スカウト大会でもあったことが明らかになりました。大会が終わったあと、国政監査で、担当長官が「報告が事実ではなかった」として、実務者たちの責任だと言った、とのことでして。今回の万国博覧会では、ありのままに報告したら、なんで士気を考えないのかとおこられたという話がありました。そういうことだから、現場の人たちも、事実と異なる内容を報告するしかなかったのでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※世界スカウト大会担当の)キムヒョンスク長官は2022年10月25日会国政監査で、「10ヶ月後の世界スカウト大会、暑さや大雨、虫対策、新型コロナ対策など、本当にいまのままでいいのか」と何度も話す野党議員に対し、「対策をすべて立てた」と自信満々に答えた・・・・それから1年後(※大会の後)に行われた国政監査で、同長官は「現場の施設本部長と事務総長が、すべてが完了した、準備が完璧だと言っていた。そんな報告を受け取ったからだ(※だから1年前はそういった)」と話した。大会の問題の責任を、事実上、大会実務者たちのものにしたわけだ・・・・その余波はそっくりそのまま万国博覧会誘致に影響を与えた・・

・・(※ジ・アーティクルの記事などを紹介したあと)海外メディアではこのような内容の報道が続いたが、国内メディアは49対51まで追いついて2次投票で勝てると報じていた。政府関係者たちも、サウジとほぼ互角で、二次投票でば勝てるという「希望事項」を広げた。万国博覧会の「惜敗だった」「外交地平を広げた」という話も、「初期運営には懸念があったが、Kポップフェスティバルで有終の美を収めた」、「私たちのリスク対応力量を世界に見せた」という話も、すべてが重なって見える(プレシアン)・・>> 思えば、各種首脳会談のあとにも同じこと言っていた・・そんな気もしますが。はてさて。

 

 

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