ある企業人の韓国経済デフレ予測・・「中国の労働市場を見ればわかる。豊穣の時代は終わる」

昨日はいろいろ用事がありましたが、時間が余ったのでゴジラマン(マイナスワン)を見ました。良い映画でした。シン・ゴジラとは、テーマは似ていながらも「見せ方」が異なっていて、両方もう一度見てみたくなりました・・と、それはそうとして、本題入ります。韓国銀行(中央銀行)総裁が、「来年、債務が多い人、所得が低い人はものすごく大変でしょう」と話しました。産業生産、設備投資、消費販売などがすべて『マイナス』で、回復するぞするぞするぞとしていた半導体生産も、9月にはプラスになったものの、10月にはまた前月比で11%以上減少した、とも。

その際、韓国側の発表内容にしては珍しく、中国経済の回復・成長について他の国際機関よりも低い展望を出し、中国経済のデフレーション可能性に言及しました。韓国経済が中国経済とほぼダイレクトに繋がっていて、その影響をもっとも強く受けるというのは、誰もが認めています。しかし、いざ中国経済の成長が鈍化することで、韓国経済も成長ピークをすぎる(た)という話は、なぜか『とても』一部の人以外は、認めていません。そう、本ブログでも取り上げた「ピークコリア」については、認めようとしていません。ひょっとすると「士気が下がる報告(11月30日のエントリー的に)」はしてはならないと思っているのかもしれません。

 

一時は大手メディアも取り上げるところがありましたが、『日本のメディアがピークコリアを取り上げた』と騒ぎになったことを意識しているのか、それからは関連記事がまだありません。でも、まだ一部の人たちが、表現を少し変えながら、同じ主張をしています。KTのグローバル部門社長を経て、いまはワークイノベイションラボラトリーというシンクタンクの代表であるキムホンジン氏が、「アジア経済」に同じ趣旨の寄稿文を載せました。中国経済によって与えられていた豊穣の時代(原文ママ)が、もう終わろうとしている。中国の労働市場を見ればわかる、というのです。当たり前だと言えばそれだけですが、ある種のタブー化しているこの見解、以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・我が国は、その(※中国の経済成長)の恩恵を最も多く受けた国だ。国際政治、経済が比較的安定した状態で、その豊かさを享受してきたと言える。しかし、近年、大きな状況変化が生じた。各国がそれぞれ、生きる道を探さなければならない時代になってきたのだ。最も注目すべきは、労働市場の変化だ。中国の労働力は、世界の物価の安定に寄与してきた。しかし、大きな変化が生じ始めた。中国内の主要都市の賃金は、すでに想像できないほど高くなっており、ソフトウェア分野だけでも、「1線」の都市から2線の都市に移動しており、あるいは他の国に移っていくのが実情だ・・

・・さらに、多くの国が自国労働者のためにリショアリング政策(※企業の自国回帰)を積極的に推進しており、米国は主要産業の自国内生産を圧迫している・・・・中国は自然に輸出減少、成長率鈍化でデフレを心配しており、不動産景気鈍化によって開発会社、建設会社、金融会社が連鎖して影響を受けている。米国は新型コロナ期間中に増やした流動性が物価を圧迫し、これに対応するために金利を持続して何度も大幅に引き上げているが、これは再び不動産市場に混乱を与えている・・・・こういうリスクを考慮すれば、韓国の金利はより高くなければならない・・

 

・・しかし、金融当局は、知っていながらも適当に顔色をうかがっている状況だ。物価は上昇し続け、不動産市場が鈍化し、開発会社、プロジェクトファイナンス(PF)を行った貯蓄銀行・証券会社、保証になった建設会社のリスクが増え、「ヨンクル」で住宅を購入した人たちも影響を受けるしかない・・・・ 結局、様々な企業の退出が起き、物価が高くなり、庶民の生活が影響を受け、経済は後退するしかない。食べ物の値段が上がって商売ができず、店を畳む人が増える現象を、いま見ているではないか。結局、豊穣の時代が終わって、緊縮しなければならないデフレが来るのではないか、懸念される(アジア経済)・・>>

懸念されるもなにも、今の状態だと、デフレはもう来ている、または『なんとか時間稼ぎをしている』状態にしか見えません。私の個人的な持論の一つで、何度も書いた文章ですが、韓国経済は「中国経済」と家計債務」の2つによって支えられています。それが構造的に変わろうとしていますが、『そんな報告では士気が下がる』としているわけです。だからこそ、このあたり前の見解が、ここまで珍しい存在になるのでしょう。

 

 

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