中国、通知なしに韓国への産業用尿素輸出を制限・・中国からの輸入は2年前より大幅に増加、輸入先多様化も無し

いわゆる「尿素大乱」と呼ばれた事態、超時空要塞の歌詞的に、覚えていますか。(先に買おうと)手と手が触れ合ったとき。それがもう約2年前のことですが、当時、中国からの尿素(尿素水)輸入が止まり、中国から71%を輸入していた韓国としては、トラックはもちろん、物流そのもの、建設装備まで全て止まるリスクが発生しました。日本でも似たようなことがありましたが、それほどの混乱はなかったと記憶しています。

ですが、最近、これといった事前通知無しに、中国政府が尿素輸出を止めています。記事にもよりますが、主に産業用のものが、通関できないでいる、とのことです。最近のユン政権の外交路線の影響ではないのかという声もありますが、今回は中国内部の問題だとされています。多くのメディアが結構大きく報道していますが、それらの中でも、もっとも気になるのはヘラルド経済の記事です。今回の件が本当に「尿素大乱再び」なのか、それとも中国内部の事情によるトラブルなのかは分かりません。でも、2年前にあんなことがあったのに、いまは中国からの輸入が71%から91%に増えている、とのことでして。単なる一つの案件というより、いわゆるチャイナ・リスク管理側面の問題とも言えるでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・尿素水の中国依存度がさらに大きくなった。2年前の尿素水問題以後、中国依存度を下げて国内需給の安定を図るとしていたが、できなかったわけだ。特に、中国当局が最近韓国への産業用尿素の通関を突然保留し、国内の需給にまたもや騒ぎが起きている。政府は4日、中国の尿素通関中断と関連した合同会議を開き、尿素サプライチェーン対応策を議論する予定だ。先月30日、国内企業が中国から輸入しようとした尿素の相当な部分が、検査を終えた状態のまま、現地税関の指示で出荷作業が中断された。産業通商資源部と企画財政部、環境部、外交部など関係省庁は、1日から会議を開き、対応策を議論している・・

・・ただし、公式に尿素輸関連措置を取っていないというのが中国政府の立場だ。韓国政府は中国側に問題解決を要請した状態だ・・・・2021尿素水事態を経験したことがあるだけに、政府は、徹底した準備をしなかったという批判を避けることができないだろう。2021年1~9月、韓国が中国から輸入した車両・産業用尿素は約1450億ウォンだ。総輸入額の0.03%だけだが、これにより物流・建設・化学など国内全産業が深刻なリスクに直面した。政府は、当時、「輸入先の多様化」を通じて再発を防ぐとしたが、2年が過ぎた現在、中国依存度はむしろ2年前(71%)よりはるかに高い91%水準だ・・

 

・・中国内の尿素価格は、6月から7月の間に約50%ほど上昇した。すでに9月から金融市場では中国政府が自国企業に輸出の止めるよう指示したという話が出て、国内尿素水関連の株価が急騰したりもした・・・・しかし政府は、9月8日になっても「車両用尿素水の原料などに対する中国当局の包括的輸出関連措置は確認されていない」とし「公共備蓄分と民間在庫量を合わせて60日分以上を確保した」と答えた。ただし、政府のこのような回答とは異なり、市場では尿素水の品薄現象が再現されるのではないかという懸念が広がり、オンライン上でも尿素水販売が急増し、価格は10倍以上も上がった(ヘラルド経済)・・>>

政府が確保した備蓄と民間在庫は、60日分だそうです。ベトナム、日本から輸入して備えるとしていますが、複数の記事が「もう少し早く代替先を見つけておくべきだった」としています。本当に「第2の事態」になるかどうかはまだ分かりません。でも、このリスク管理の問題は、本件に限った話ではないでしょう。半導体とか、バッテリーとかの経済安保においても。また、中国内部事情によるものなら、他の国への輸出も止まる可能性が高いです。日本としては、なにより国内での需要分を確保しておくべきでしょう。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国人として生まれ、日本人として生きる」が発売中(2023年7月29日発売)です!2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」を受け入れ、その連続性を大事にしながらも、「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。「両国間の架け橋になりたい」などと全然思っていない理由は何か。『日本人』として初めて韓国を訪れたときの感想をメインにして、一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。新刊・準新刊紹介エントリーもぜひ御覧ください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。