韓国「ねじれ国会」の現状・・1年間で野党単独処理50件、大統領拒否権発動8回

韓国の政治・国会関連ニュースを読んでいると、野党が「野党だけで」法案などを処理し、大統領が拒否権発動でそれを弾き返す話ばかりです。国会に戻された案件は国会議員3分の2の賛成がないと、そのまま破棄されます。野党共に民主党は議席を3分の2までは取っていないので、そのまま案件はなかったことになります。そこで、拒否権発動でユン大統領が新記録を達成しました。「毎日経済」が調べたところ、ユン大統領は2023年だけで8件の案件に対して拒否権を発動しました。これは、新記録です。韓国の大統領選挙が直接選挙制度に戻ってから、いままででもっとも多いとされたのは盧泰愚(ノテウ)大統領の7件です。これを1年で超えるとは、大したものです。

ユン大統領が拒否権発動に頼り過ぎでいるのは、間違いありません。中には大統領夫人が関わったとされる株価操作案件に関する特別検事法案など、与党内からも一部「拒否せず、そのまま調べて結論を出した方がいい」とされていた案件にも、「とりあえずビール」な感じで発動してしまい、そういうところは確かに問題です。しかし、実はさらに問題なのが野党共に民主党です。野党だけで単独処理したのが2023年に50件で、記事によると「ほぼ1週間に1回はやった」、とのことでして。G8・・韓国語で拒否(Geobu)8回政治、半端ないな・・な気がして、エントリーしてみます。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・14日、毎日経済が、昨年 多数党である野党が国会法案・決議案処理過程で与党無しで処理した回数を調査した結果、合計50回と集計された。ほぼ一週間に一回はあったことになる。ユン政権は拒否権で対応した。ユン大統領は・・・・など計8つの法案に対して拒否権を行使した。民主化以後(※直接選挙制になってから)、最も多かった盧泰泰前大統領の記録(7つ)を超えた。政治専門家たちは、政治家たちが先頭に立って「ファンダム」を構築し、これがさらに対立を強くする構図になっていると見ている(毎日経済)・・>>

 

うーん・・なんというか、最初から最後まで全部オチで、これ以上書くこともありません。でもこのままだとちょっと短過ぎで申し訳ないので、一つ前のエントリーで取り上げた「ELS」関連で、中央日報(一つ前とは別記事です)から、興味深いデータを引用してみます。今回、投資家たちは「銀行が通帳をくれたので、預金だと思った」「香港ハンセン株価指数が何なのかも知らなかった」(記事原文ママ)と話している、とのことですが・・実は今回ELSを購入した人は、91.4%が前にもELS商品を購入したことがある、とのことでして。すなわち、少なくとも知らなかったはずはないわけです。記事は「利益が出たときには何も言わなかったという意味だ」としています。

 

<<・・(※金融機関の売り方に対しても厳しい意見を述べたあとに)投資の自己責任原則を放棄したまま、金融会社の不完全販売を主張して補償を求める投資家たちもそうだ。本人のお金を運用することであるにもかかわらず、「銀行から通帳が出てきたのでみんな預金だと思った」とか、「香港ハンセン指数が何なのかも知らなかった」と声を高めている。しかし、前にもELS投資経験のある加入者が、10人のうち9人、91.4%だ。早期償還などで利益を見た時は何も言わず、元本割れが発生すると、不完全販売だったと主張するとは、これはどういうことなのか。

イ・ボクヒョン金監院長は「ELSは預金・積金ではなく自己責任による金融商品であるだけに投資家も責任を負うべき部分が当然ある・・・・としながらも、いまは必要以上に投資家を保護しようとしている。そのような当局の姿は、金融市場そのものをねじまげることだ。しかも「香港ハンセン指数は騰落がはげしく、元金損失が発生した前例がある」とながら(※なんでそんなものをこんなにたくさん販売したのかと)金融会社をせめる発言もしたが、公募ELSの主要指数に香港ハンセン指数を許容したのは金融当局だ。まるで自分たちには責任がないように、投資家たちの見方を演じる姿も、いままでと何も変わっていない(中央日報)・・>>

 

 

拙著の一部が、「プレジデントオンライン」に掲載されました。主に、少子化関連の内容です。よろしければ、ぜひお読みください。コメントは、本エントリーのコメント欄をご利用ください。
おかげさまで、新刊「韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)」が発売中です(2023年12月21日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。