韓江(ハン・ガン)氏のノーベル文学賞が決まってからもう10日以上経ちますが、毎日毎日、多くのメディアが多くの記事を出しています(今日はチェックしていません)。別に話題になること自体はいいですが、それらの記事の多くが「賞金」や「テーマ株」に関するもので、ずいぶん違和感がありました。金大中氏のノーベル平和賞のときもこうだったかな・・ちょっと思い出せませんが、少なくとも日本で体験したノーベル賞関連記事とは明らかに異なる内容でした。賞金が~ももらえるとか、大金持ちになったとか、大手メディアが「税金はどれくらい払うことになるのか」という記事を載せたときには、さすがにびっくりしました。これだけで記事になるのか、と。ちなみに、非課税です。
その中には『テーマ株』関連記事も目立ちました。LK-99(及び関連シリーズ)のときにも似たような騒ぎがありましたが、なにかが注目されると、関連したとされる会社の株価が上がります。こういうのをテーマ株と言います。ある人が国会議員に当選すると、その人と親しい企業人は誰なのか、そんなことまで情報が流れ(ただの噂の場合もありますが)、株価が上がったりします。科学関連のノーベル賞なら、『その分野』に関わってきた会社が注目されるのはわかりますが、ノーベル文学賞にどんなテーマ株があるのでしょうか。主に出版社・大型書店などです。中には、韓江氏の本の紙を作ったとされう会社までテーマ株とされました(韓国製紙という会社の株価が一気に25%も上昇)。賞金とか税金とかもそうですが、毎日のようにこんな記事が載るわけですから、違和感があったわけです。
で、『急騰した』『~もそのテーマ株ですが・・10日ぶりにすべてもとに戻った、とのことです。あがった分、そのまま急落した、と。ハンギョレ新聞(21日)が、多少あきれた論調で報じています。専門家の分析も載っていますが、そもそも企業の実績とは関係ない急騰だった、とのこと。いわば、LK99などのときと同じだったわけです。あのとき「謎の論文とテーマ株だけが残った」と批判していた朝鮮日報なども、今回はテーマ株がどうとか税金がどうとかと記事を載せたわけですが。実際、マネートゥデイ(11日)などの記事によると、『超伝導体よりハンガンが本物だ』などを言われていた、とのことでして。ただの乗り換えも多かったでしょう。「なにか好材料があれば急騰し、すぐに急落するいわゆる『テーマ株現象』は、ノーベル文学賞でも例外ではなかった」、とも。なかには、韓江氏とはこれといった関係もないのに2日間で株価が50%以上も上がり、それから4日間でもとに戻った会社もありました。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・小説家韓江が韓国で初めてノーベル文学賞を受賞し、11日、出版関連株ずっと上限まで上がる不思議な風景が広がった。前日の夜、ノーベル文学賞の発表以後、「ノーベル賞テーマ株」を探る投資家の買収が高かった・・・・ノーベル文学賞発表直後からオンライン上では「テーマ株」を買おうとする投資家の質問が相次いで上がってきた。この日、株価が急騰した出版種目と関連したインターネット上の議論には「超伝導体より韓江が本物だ」「(※あがったタイミングで)全量売却した」という様々な反応が出た。一部では、急騰してから差益実現の売りがあふれ、急激な変動性に巻き込まれているテーマ主のリスクを指摘している。証券業界関係者は「テーマ株として上がった種目は、その好材料が終われば一瞬で下がる」とし「投機資金が入ってきたと見られるが、定石の通りリスク管理をしなければ大きな損失を見ることもある」と話した(マネートゥデイ)・・>>
<<・・特定の好材料があると、企業価値とは無関係に受益関連種目の株価が急騰し、すぐに下落に転じて急落する「テーマ株」現象は、作家韓江のノーベル文学賞でも繰り返された。代表種目だったインターネット書店運営会社イエス24の株価が、21日まで4日連続下がり、4取引日前に記録した場中最高価格に比べて35%も下落した。コスダック市場上場会社のイエス24は、ハンガンがノーベル賞受賞者として発表された後、本の販売が急増しているというニュースが伝えられ、11日と月曜日の14日の2日連続、価格制限幅まで上昇した。 15日にも場中25.2%上昇し1万380ウォンまで上がった。この最高値はノーベル賞受賞のニュースが伝わる前の10日の終値(4915ウォン)に比べれば112%も上がったものだった。しかし、15日午後に上昇幅を大挙『返却』し、5.6%上昇で取引をおえ、16日から21日までは取引日数で4日連続下落した。 21日には2.6%下がって6750ウォンで取引を終えた。15日の終値(8750ウォン)に比べて22.9%下がった価格だ・・
・・イエス24の営業利益は2022年157億ウォンから昨年58億ウォン(当期純損益は42億ウォン赤字)に急減したが、今年と来年に小幅回復にとどまるという分析だ。企業の実績とは関係のない株価急騰だったわけだ・・・・他の「ノーベル賞テーマ株」もこれまでの上昇幅をすでに返却した。「ミリの書斎」は11日と14日の2日間で29%上がったが、5日連続で下がり、21日の終値がノーベル賞発表以前より下がった。ノーベル賞発表前に急騰していた「イェリム党」は発表後2取引日の間54.3%上がったが、その後4日間で上昇幅を全て返却した。サムスン出版社も2取引日間20%上がったが、5取引日にかけて上昇幅を全て返却した(ハンギョレ新聞)・・>>
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