個人的に、尹大統領の戒厳令レベルで「なにやってんすか」でしかない、トランプ大統領の関税無双。方向性としてまで論ずるなら様々な見方もあるでしょうけど、今現在の「やり方」としては、本当に無責任だとしか思えません。さて、この政策が、他の国はともかくアメリカそのもの(外交も含めて)を「いだい」にするのでしょうか、それとも「いたい」にするのでしょうか。そんな中、各国が相応の対応、すくなくとも政府レベルでの反応を示しています。日本とEUは実に遺憾としながら、これからも話し合いを続ける、トランプ政権の他の政策と総合的に評価したいという慎重な反応です。ちなみに、EU圏では特にドイツがものすごい影響を受けると予想されています。EUの対米自動車輸出の7割以上がドイツですので。
メキシコも似たような反応で、すでに何かの緩和措置のために協議中だと発表しました。昨日もデータを紹介しましたが、2024年米国の国別自動車輸入規模は、メキシコが785億ドルで、次が日本(397億ドル)、韓国(366億ドル)、カナダ(312億ドル)、ドイツ(248億ドル)の順です。メキシコの件はロイターなども今日の記事で報じています。カナダは、強い対応を取ると話しました。トランプ大統領も「じゃこちらもさらに増やす」と言っており、もうこの人たちなにやってんだ、としか思えません。ただ、ソース記事のデジタルタイムズ(27日)によると、こうしてみると、先の「嬉しくない上位5カ国」の中で、韓国だけは政府レベルでの対応について話していない、とのことです。大統領不在が原因だというのもありますが、いわゆる「疎通」通路がないのではないか・・そんな気もします。なにせ、米国側に何かを要請したという話しはなく、「各省庁が業界と話してみる」ということでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ドナルド・トランプ米大統領が4月3日から全ての輸入車に25%に関税をかけると、26日(現地時間)に電撃宣言した・・・・完成車業界はもちろん、各国政府も今回の急な発表に戸惑いが隠せずにいる。トランプ大統領はこの日午後、ホワイトハウス執務室(オバルオフィス)で記者会見を開き、「私たちがすることが何なのかというと、米国で生産されていないすべての自動車に25%の関税をかけることだ」とし「(米国で生産すれば)多くの外国自動車会社が良い状況に置かれるだろう」と明らかにした。続いて「外国産自動車関税政策で年間1000億ドル(約147兆ウォン)の税収増加が期待できる」とし、貿易拡張法232条に基づいて25%関税に署名した。米国東部時間基準で4月3日0時1分から関税をかけることになると適時した。トランプ大統領は、彼の任期中に自動車関税が維持され続けると強調した。
韓国をはじめ、主要自動車輸出国は非常にかかった。米国商務省によると、対米自動車輸出国1位はメキシコ(785億ドル)、2位は日本(397億ドル)であり、韓国が3位だ。特に韓国の場合、昨年全体の自動車輸出額(約708億ドル)の49.1%(347億ドル・約51兆ウォン)が米国への輸出によるものだっただけに、米国市場の比重は莫大だ。昨年、現代車グループ(現代車・起亜)の対米輸出量は97万台程度だった。韓国GMの輸出量も41万台ほどで集計された(※韓国GMの場合は基本的に対米輸出がメインで、今回の措置でもっとも大きな影響を受けるだろうとされています)・・
・・各主要国は、急速に反応した。ロイター通信によると、マーク・カーニーカナダ首相は自動車関税を「直接攻撃」と呼び、カナダも相応の関税をかける可能性を示唆した。ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州連合(EU)執行委員長はこの日の声明で、「すごく遺憾」とし、「私たちは今回の発表を米国が構想中の他の措置と合わせて評価しようと思う」と明らかにした。続いて「EUは経済的利益を保護する一方、交渉を通じて解決策を模索し続ける」と述べた。日本政府の広報担当である林芳正官房長官も「日本も対象国に含まれる形で発表されたのは極めて遺憾」とし、日本を除外することを米国政府に公式要請した。ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領も、「じっとしているわけにはいかない」として対応に乗り出すことを示唆した・・
・・韓国政府はこれだけ大きな事態になった関税問題であるにもかかわらず、半日も過ぎた後、長官級会議で対策議論に入った。やっと出てきた対策も、「自力救済」レベルのものだった。アンドックン産業通商資源部長官はこの日に開かれた緊急民・官合同対策会議を主宰し、「米政府の関税政策で自動車企業の対米輸出に相当な困難があると懸念される」とし「政府は業界と緊密に共助して対応方案を講じていく一方、関係省庁とともに対策を・・・・イ・ホグン、デドク大自動車学科教授は、「自動車産業は造船業と比較して前・後方産業に及ぼす影響が3~4倍程度大きいため、大きな混乱が予想される」と話した(デジタルタイムズ)・・>>
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。