非住宅居住者

もう随分前となりますが、本ブログ(旧ブログ)では韓国、特にソウルの居住環境の格差が激しいといくつかのエントリーを書いたことがあります。

読者さんの中には、「地下」「半地下」で人が暮らしている、などの内容を覚えておられる方も多いでしょう。

それでも、彼らは「住宅」で暮らしているからまだいいほうです。もっと話題になってもいい内容なのに、ほとんど話題にならない人たちがいます。彼らを「非住宅居住者」と言います。住宅でない施設で暮らしている人たちのことです。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

考試院(もともとは勉強するために作られたものですが、価格が安いため住んでいる人たちも多いです)、ビニールハウス、ヨグァン(旅館、韓国の宿泊施設の中ではもっとも安いところ)などで暮らしている人たち・・

もちろん、店にちゃんとした部屋を用意してそこで暮らしているのに、それが「住宅」として集計されないという人たちもデータ内に含まれています。

でも、非住宅居住者のほとんどは、思わしくない暮らしをすることになります。

 

本エントリーの本題は、彼らが「多いか少ないか」ではありません。「増えるスピード」です。

2013年データで、KBSはこう報道していました。

「取材陣が政府の非公開実態調査の結果を確認してみたところ、考試院や旅館、チョクパン(ここでは違法で作られた小さな部屋を意味します)など、住宅以外の場所で住むいわゆる非住宅居住世帯は、全国で25万人を超えています」

http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=2767759

 

ですが、今日、聯合ニュースがこんな記事を載せました。

「安定した居住空間ず旅館やチムジルバンなどを転々したり、チョクパン、商店街などで暮らす世帯が、昨年50万を超えたことが分かりました・・家を放棄して生きていく世帯が、青年層を中心に急速に増えているという分析です。

8日、統計庁によると、昨年、オフィスを除いた「住宅以外居所」居住世帯(集団施設・外国人世帯を含む)は、前年より2万6千793世帯(5.6%)増の50万6千250世帯であった」

https://news.v.daum.net/v/20180908100104567?d=y

 

2013年のKBSの報道と、2018年の聯合ニュースの報道が、完全に一致する範囲のデータによるものかどうかはわかりません。でも、内容はほぼ同じだと思われます。

2013年に25万「人」だったものが、2018年に50万「世帯」って、これどういうことでしょうか。1人世帯が多いとは言われていますが、非住宅居住の全世帯が1人世帯というわけでもないでしょうし・・

繰り返しになりますが、彼らのことが、あまりにも話題にならないというのもまた、気になるところです。隠しているのでしょうか。大韓民国のイメージに、恥を「かかされる」ことを、恐れて。

 

 

 

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