※ブログ表示に何か不具合があった場合、リロード、またはここをクリックしてください※
今日は、いわゆる「社会的距離を置く」において、神田外国語大学のキム・ギョンファ准教授が韓国日報に連載しているコラムからの部分引用です。基本的にこの方のコラムは、「趣旨も着眼点も興味を引くのに、なぜか記事の題や結論あたりで『義務的に』日本を評価下げする」という特徴があります。
最近はコロナ19のことで「3密を避ける」などが強調されていますが、本エントリーで引用した部分は、コロナ19ではなく、日常でのこと、『日本人は他人に迷惑をかけない』という内容です。それでは、以下、韓国日報からです。
<・・前は、西洋の研究者は、日本人は混雑を好むと主張していた。日本文化は他人と身体的に接すること、人が密集する空間を好む傾向があると見ていた。都市化が進む前、日本の文化的習慣は、そのように見える余地はあった。伝統的家屋では、畳の部屋に一団となって集まって食事をして、家族同士仲良く部屋を共有した。米国のある研究者は、「日本にはプライバシーという概念がまったく存在しない」と断言したりした・・
(ここから「続きを読む」の後になります)
・・西洋文化圏では、プライバシーというと、「私=私の身体」という考えが強い。許可なしに誰かが自分の身に触れることは、自我への重大な挑戦で受け入れられる。公共の場でも、あえて自分のスペース(プライバシー)を確保しようとする傾向が強いのは、このためである・・・握手や頬にキスなど挨拶は、軽い身体的接触をあえて許容することで、互いに攻撃する意思がないことを確認する手順とも見ることができる。
一方、東洋文化圏では、「私=私の精神」という考えが優勢である。体の存在を否定しないけど、私の本当の重要な核心は、体のどこかに込められている精神というものである・・・過去の日本人が他人との物理的な接触を大きな抵抗なく受け入れたのは、混雑が好きだったわけでも、忍耐力が強かったわけでもない。他人の体が触れることを、自分への攻撃だと思わなかったので、あえて抵抗する理由もなかっただけだ。プライバシーの概念がないのではなく、プライバシーを理解する方法が西洋と異なっていただけだ。
今では、韓国はもちろん、日本を訪問する多くの外国人が、「日本では他人と距離を置く傾向が強く、プライバシーに対する意識も高い」と口を揃えている。実際、日本の大都市では、日常生活の中で他人との距離を置くのが比較的厳しく実践されている。公共の場で他の人と体が触れないように注意を払って、近づく人への警戒心も強い。
日本は、むしろ社会的距離を置きすぎで疲れるほどだ。路上で声を上げて話をする人が珍しく、携帯電話もマナーモードや無音設定が基本である。地下鉄やバスなど公共交通機関は図書館のように静かで、乗客が覗いている携帯電話の画面には、のぞき見防止機能を備えた保護フィルムが付いている場合も多い。
だからといって「私=私の身体」という西洋的観念が完全に受け入れられたわけでもない・・・お花見やお祭りなど、多くの人が込み合うはイベントでは、抵抗なく他人と体が接触するのを受け入れる。普段は礼儀を重視していた会社の同僚でも、運動会や飲み会などの場では、肩や腕が触れてもあまり気にしない。混雑状況を快く思わない西洋文化とは全く感じが違う。
事実、日本の社会的距離を置くには、私的領域を守るという意志よりは、他の人に被害を与えてはならないという認識による側面が大きい。そのため、失礼でないと判断された場合は抵抗なく他人と体を触れ合う。見方によっては、「私は社会規範を徹底的に守る」を演出するための道徳的ナルシシズムが強いとも言えるが、やはり「私=私の精神」という前提は、まだ堅固である・・>
https://www.hankookilbo.com/News/Read/202004131013089398
基本的に、「日本で言う『社会的距離を置く』は、自分の領域を守るためのものではない。他人に迷惑をかけないためのもの」という話です。そこまでは分かるけど・・急にナルシシズムが出てくるのは、韓国人としての義務感なのでしょうか。筆者さんがナルシシズムだと思うなら別にそれでいいけど、こんなときに限って「東洋」とひとくくりにするのは絶対に同意できません。
本ブログで書いてきた内容と重なる部分を見出してみると・・例えば、韓国では「ウリ(仲間)の間では秘密などあってはならない」とする考えが強いため、日本の個人レベルのプライバシー保護は不思議に思われたりします(特に韓国では家族の間でプライバシーを尊重することはそうありません)。上下関係しか知らない人たちにとっては「職場での関係と私的な場での関係」の使い分けが不思議に見えたりもします。他人はナムに過ぎないと思う人たちの間では、ぶつからないように気をつけることなどそうありません。これ、私も「日本旅行記」などでよく書いた記憶があります。日本では、不思議なほど人とぶつかることがない、と。
東洋でも、いろいろ違います。そもそも、日本語「人様(他人様)」は、韓国語への直訳は出来ません。「迷惑をかけたくない」という気持ちの共有こそがプライバシーである、そういう価値観もまた、日韓では共有できないものでありましょう。
♨ 著書関連のお知らせ ♨
本ブログの拙書のリンク(基本アマゾンリンクになります)は、アフィではありません。目次など紹介のつもりで載せていますので、よかったらお読みください。
・新刊「なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか(新書版)」が2020年3月1日発売です!借りたお金を返さない心理が、今の日韓関係とそっくりである点を考察してみました。
・新刊「文在寅政権の末路」が、2019年12月27日から発売中です(アマゾン発売日基準)!文在寅政権の現状は何なのか、どこへ向かっているのか、あくまで「私」という微力な一人の観点ではあるものの、日本の皆さんに紹介したいと思っている文在寅政権関連の話を、自分自身に率直に書きました。
・他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。
・シンシアリーはツイッターをやっています。他のSNSはいまのところやっていません。ほとんどが更新報告ですが、たまに旅行先の写真をツイートする時もあります。よかったらチェックしてみてください。https://twitter.com/sincereleeblog