古い記事をチェックしていたら、とても短いながらも、いろいろと『想像』して楽しめる記事があったので紹介します。この1938年~1940年は、朝鮮人志願兵が話題になっていた頃です。もともと朝鮮人志願兵は競争率が高かったと聞きますが、当時の記事を見ると、『募集が終わった後に志願した(無効となった)人』も多く、実際の競争率はもっと高かっただろうと推測されます。そんな中、東亜日報の1938年12月25日の記事です。
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<(※見出し)「特別志願兵を差別待遇しない。龍山師団当局の談」
朝鮮人の第一次特別志願兵は10日に活発に営門に入り帝国の軍人になったのだが、各部隊において彼ら志願兵が、1つの班を組織して訓練していることから、世の中では、志願兵が差別待遇されているのではないかと誤解されているけれども、だが龍山師団当局はこの点について次のように話している。
1つの班に集めておいたのは、部隊の生活にまだ慣れていないのが理由であり、これから少し時間が経って軍隊生活に慣れると、各小隊に均等に分けて配属させるつもりでいるので、決して志願兵だからといって差別待遇をしているわけではない故、一般は誤解しないで欲しいと願う>
師団側がわざわざ談話を発表するほどのこと、朝鮮語で書かれた新聞に載る(多分、師団のほうから載せてほしいと願った)ほどのことでしょうか、これは。よく考えてみると、こういう案件は今とさほど変わってない気がします。
どこからどう漏れたのかまでは分かりませんが、『あれれー?朝鮮人志願兵って一か所に集められているよねーこれって差別じゃね?』と話す人たちがいたのでしょう。『え?差別なの?』→『よくわからないけど差別っぽくね?』→『そうか、じゃ差別だな』になって、『せっかく志願したのに、朝鮮人兵士たちが差別待遇を受けている』という噂が広がったのでしょう。そして、一部、朝鮮人志願兵を快く思ってなかった人たちは、この噂を利用していたかもしれません。そもそも、そんな人たちが最初から広げた可能性だってあるでしょう。
でも、事実は、差別でも何でもありませんでした。いろいろ考えられますが、やはり軍人になっただけでもかなり緊張するはずですし、慣れないうちは、同じ朝鮮出身の人たちで集まっていたほうが心強かったかもしれません。それに、日本語の問題もあります。
当時、志願兵を選ぶ基準の1つに、日本語能力がありました。ちゃんと日本語が話せるのか。作戦内容が分かるのか。読めるのか、聞き取れるのか、仲間に伝えることができるのか。これは、軍人にとってとても重要なことです。しかし、これは『私』もそうですが、日本語が普通に話せるといって、特定環境内で使う単語まで全てを知っているわけではありません。軍部隊内で通用されている用語、単語などを学ぶのにも、時間が必要だったのでしょう。
考えてみれば大した問題でもないのに、「差別だ!」と騒ぎだす人たちがいて、また「いや違いますよ!」と談話を出す人たちもいる。『師団』というのはちょっと違和感ありますが、こういうのは当時も今もさほど変わっていないんだな・・この記事を読みながら、そう思いました。
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