韓国人が『民族情緒』とするのは、2つあります。果てしない恨みである『ハン(恨)』、そして、仲間同士で共有できる感情である『ジョン(情)』。韓国はこれを民族情緒だと自慢気に言いますが、私はこの2つは副作用の方が圧倒的に大きいと思っています。そんな中、2002年、どうみてもおかしな審判の判定で韓国チームがベスト4に進出した時から、『私たちはフン(興)の民族だ』という主張が出てきました。作家チェ・ジュンヨン氏が2018年書いた、中部日報というローカルメディアの記事を1つ紹介します。
<・・私たちの民族の固有情緒は「恨(ハン)」だと耳にタコが出来るほど言われた。学校でそう教えているからそうだろうと思った。もっとももらしい証拠もあるとのことで、そういうものだと思った。しかし、私たちの民族の伝統的な情緒は「ハン」ではなく「フン(興)」である。私たちは、興が多くの民族である。遠くに行くことなく、近くに覚えて、いくつかのだけ私たちがどのよう興が多い民族である・・>。その事例は、2002年W杯のときの応援、ろうそく集会などだそうです。
興は、韓国では「楽しくて盛り上がる」という意味です。最近は、単に「楽しさいっぱい」という意味で使うことも多く、そういう今どきの使い方の全てを否定する気はありません。また、これから書く語源についての話は、「諸説あり」です。そういう前提のもと、もう少しさかのぼって、以下、朝鮮の「興」がどんなものだったかを論じてみます。
韓国人がフン(興)という言葉を聞いてまっすぐ思い出すのは、独特の「囃子詞」です。そのまま歌の歌詞になることもありました。歌や踊りに合わせてはやしことばを叫ぶ。それが「興」を盛り上げるもっとも一般的な方法だったのです。その興(はやしことば)の中でも、特に有名なのが、『オルシグ(얼씨구)』『ジョルシグ(절씨구)』『ジファザ(지화자)』です。これらは韓国の各種民謡にも歌詞の一部として出てきます。言い換えれば、歌や踊りで、演者が、または大勢の観衆が、「オルシグ」などを叫ぶこと。それが韓国で言う「興」のもっとも一般的な形だったことになります。これらは、朝鮮中期から流行ったと言われています。
オルシグ(蘖氏求)は、「孼子の種でもいいから男の種が欲しい」という意味です。儒教社会だった朝鮮では、嫡流の子なのかどうかはとても大事でした。嫡流でない子たちが差別を受ける、または追い出されるのは、当たり前でした。その『嫡流でない子供』の中でも、ある程度の身分の女から生まれた子を庶子(ソザ)と言い、とても低い身分の女から生まれた子をオルザ(蘖子)と言います。庶子でも差別がひどかった時代、蘖子が受ける差別は想像を超えました。そんな男の種でもいいから、欲しいというのです。韓国では今でも種を「씨(氏)」と言います。
ちなみに、同じく興のための囃子詞としてよく使われるジョルシグ(卍氏求)は、僧侶の種でも欲しいという意味です。まず僧侶のあれという時点ですでにまともなことではありませんが、時代によって、僧侶はものすごく低い身分でした。一説では、卒氏求(ジョルシグ)だとも言います。朝鮮中期、兵の『卒』はいつ死ぬか分からない人たちでした。
韓国人が踊りだすとよく口にする「ジファジャ」という興も、実は「至下子」です。至下子とは障害者のことです。朝鮮時代、障害者は人間ではありませんでした。そんな人たちの種でもいいから、求めるというのです。
人が障害者のものまねをしながら踊る、「病身舞」というものがあります。病身も、身体障害者のことです。併合時代には「障害者への差別だ」として禁止されたりしました。この舞は、『両班の病身(障害者)だから大丈夫』という言い訳が存在します。病身といっても両班だから、権力者に抗う我が民族の伝統の一つだ、というのです。百歩千歩譲って、それが事実だとします。じゃ、オルシグやジョルシグを求める人たちも両班だったのでしょうか。多分、それを求める主体は女性だったと思われますが、彼女たちも権力層の女性だったのでしょうか。個人的に、それは違うと思います。
ここで、1つの見方ができます。『興(楽しさでいっぱい』の原点は、相手を見下すことだったのです。おかしな判定に誰も文句を言わず勝利に酔いつぶれる、法治を無視して気に入らない存在を追い出す、それらが「興」と繋がっているのは、そういう意味だと合っているのかもしれません。しかし、興もまた、恨(ハン)の一部ではないでしょうか。自分より弱い人を見下すこともまた、自分の恨(ハン)を抑えるための方法となりますから。
そろそろ最新ネタ書きたいけど、そう書きたい内容がありませんねぇ
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