『大統領様がいらっしゃるぞ!』・・軍事政権時代と何も変わらず

文在寅政府が不動産政策の柱の一つとしているのが、公企業が運用する賃貸住宅です。発想そのものが悪いわけではありません。不動産関連では全てが高騰している中、賃貸住宅を必要とする人は多いだろうし、ちゃんと管理さえ出来れば、役に立つ社会インフラになれるでしょう。でも、そういう展開なら、そもそも本ブログでネタになるはずも無いでしょう。以下、雑談エントリーとしてお読みください。

11日、文在寅大統領は、LH(韓国住宅公社)が建設、管理している賃貸住宅(マンション形)を訪問しました。大統領が訪問したのは人が住んでいない部屋だったけど、建物全体で見ると実際に賃貸住宅として運用されていたし、パッと見た感じではインテリアもきれいでした。文大統領は『新婚夫婦はもちろん、中産階級の人たちなら十分に暮らせるのではないか」と話しました。ネットでは大統領が誇大評価してるという不満もありましたけど、個人的には「まぁそんなもんでしょう」としか思いませんでした。

 

ですが、今日、その賃貸住宅・・入居初期から様々な手抜き工事でクレームが相次いでおり、大統領が訪れたその号室だけ、400万円以上をかけて急にインテリア工事をしたことが明らかになりました。大統領の訪問日程に合わせるため深夜に工事をして、住民たちは眠れなかったそうです。以下、中央日報の記事から部分引用してみます。

 

<<・・去る11日、ムン・ジェイン大統領が訪問した~(※地名省略します)~の幸せ住宅(賃貸住宅団地)の訪問イベントのために、韓国土地住宅公社(LH)が4億5000万ウォンを支出したことが分かった。文大統領が視察した部屋と家具、インテリア費用だけで4290万ウォンを使った。元からあったモデルハウスではなく、一時間余りの訪問行事のために、空室を急いで改造するためにかかった費用である。イベントを控えて、夜明けまで続いた工事のせいで、あるオンラインコミュニティには「夜明けにドリルで工事するから入居者たちは全然眠れなかった」という文が投稿されたりした。

キム・ウンヘ議員室(国民の力)がLHから受けたデータによると、LHは、大統領が訪問した賃貸住宅を演出するために、インテリアなど工事費用で4290万ウォン、イベント進行のための予算4億1000万ウォンなど計4億5000万ウォンを支出した。総工費の中、カーテン及び小物等の家具を借りてセッティングするのに650万ウォン、補修工事などのために3300万ウォン(付加価値税別途)を書いた。

 

見積書には、「2020年12月末までの賃貸基準書」と明示されている。空室を急に改造しただけではないのかという指摘に、LH側は「いまから改造した家をモデルハウスとして運営する計画だ」と明らかにした。しかし、見積書の賃貸基準によると、12月末には家具や小物などのレンタル期間が終わる。

この日、大統領が訪問した家の最低保証金(家を借りる前に大家に預ける敷金)900万ウォン台に家賃35万〜36万ウォン、最大保証金9000万円に家賃10万ウォン水準である。一日の行事のために、最大保証金の70%水準のインテリア費用をかけたのだ・・>>

 

しかも、カビ、漏水などでクレームが相次いでいる、とのことです。画像キャプチャーソースも記事の引用も、ともに中央日報からです

理想

現実

 

 

朴正煕、全斗煥大統領の頃に、似たような話がよくありました。大統領訪問の前に、何もかも『見た目を良くする』ために作り直し、大統領が帰ったら放置。大統領訪問の記念写真に顔が写っていれば、その人は出世確定だから、これでも安いものだ、などなど。そんな話でした。おかしな話ですね。文大統領は、その軍事政権、保守右派政権を『積弊』とし、抹殺しようとしているのに。

 

 

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