韓国、PCR検査対象を(いままでに比べると)大幅に制限・・事実上『K防疫』を諦め、別の防疫システムへ

ここでいうK防疫は、「韓国の防疫体系」という意味ではありません。2020年4月17日、当時の丁世均(チョンセギュン)国務総理が、「広範囲な診断検査で早期に患者を見つけて地域社会から隔離し、ICTを活用した疫学調査を通じて確診者の接触経路を明らかにして透明に公開する戦略」を「K-防疫モデル」と定義しました(2020年4月20日、KBS)。そのK防疫のことです。なんでわざわざ定義する必要があったのか、それは、「K防疫を世界中と共有するさまざまな方法を探るよう、外交部に注文した(ソース記事より)」ためです。いわば、広報のためです。

もう少し具体的には、「3T」となります。可能な限りの全員検査(Test)、プライバシー問題を無視してでも、感染者の移動経路を徹底的に追跡(Trace)、そして隔離・入院を基本とする治療(Treatment)の3Tです。人にもよりますが、日本で「韓国の防疫を見習おう」なスタンスを取る人たちが支持していたのも、基本的にはこれら3Tです。

ですが、ドライブスルーはすでに機能しておらず(去年12月時点で1ヶ所だけ残して全閉鎖)、後述しますがPCR検査にも相応の条件が追加され、「出来る限りのPCR検査」路線は終わりました。追跡はもう不可能です。前の波(去年12月)のとき、すでに感染経路が確認できる人は24.7%だけでした(2021年12月20日、国民日報)。Treatmentも、去年、韓国政府は『自宅治療を基本とする』路線に変更しました。何の準備もなく、入院基準を満たさないと本人の同意が無くても入院を認めない方針、自宅治療中に亡くなった方を死亡者に集計していないのではないかという疑惑まで出てきて、いろいろ騒ぎになりました。

そう、韓国があれだけ自慢していたK防疫は、もうありません。韓国の防疫システムという意味でのK防疫があるだけです。政府はこれを認めず、「K防疫防疫が失敗したというのは、国民全体が失敗したと言うのと同じだ」としているだけですが(これについては過去エントリーをお読みください)。

 

そして、オミクロン波となり、さすがに、別の路線を公開しました。今回は、その部分を引用します。朝鮮BIZ(朝鮮日報)です。 <<・・当局は、確診者が急増する状況で被害を最小化するため、感染脆弱層に診断と治療に集中する方式に、防疫・医療体系を転換することにした。オミクロン変異株対応措置はこの日から、光州、全羅南道、平沢、安城など変異が優勢化した地域4カ所で優先的に施行される(※ソース記事には記述がありませんが、来月3日から全国に拡大実施されます)。

これらの地域では、密接接触者(※濃厚接触者)など疫学的な関連者、検査が必要であると医師の所見書を持っている人、迅速抗原検査で陽性になった人、60代以上など高リスク群のみ、選別診療所でPCR(遺伝子増幅)検査を受けることができる。それ以外の検査希望者は、選別診療所や呼吸器専門診療所など、指定病気・医院で迅速抗原検査を受けた後、陽性の場合PCR検査を受けることになる。

当局はまた防疫体系の負担を減らすため、確診者と密接接触者の隔離期間も調整し、この日から適用する。隔離期間はコロナ19のワクチン接種の有無によって異なり、全国で同様に施行される。まず確診者の場合、コロナ19ワクチン接種完了者の隔離期間は10日から7日になる。接種完了者は、3次接種者または2次接種後14日~90日の人である。未接種の確診者は現行のとおり10日間の隔離となる。

密接接触者の場合、接種を完了したら自宅隔離にしなくてもよい。日常生活をしながらコロナ19と思われる症状があれば検査する「手動監視」に、管理方式を切り替えるわけだ。密接接触者のうち、未接種者は7日間隔離する。ただし、密接接触者はワクチン接種に関係なく6~7日目にPCR検査を受ける・・>>

どこまで実行できるのか、、気になる部分もありますが、一時に比べるとかなり現実的な路線に舵を切ったとも言えるでしょう。結果、特に重症者がどうなるのか、2週間後のデータに注目したいところです。

 

 

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