「3NO」破棄、尹錫悦氏の公約集に入らず

尹錫悦(ユンソギョル)当選人の最終公約集に、いわゆる「3NOの破棄」が入ってないことが明らかになりました。選挙期間中は、尹氏側は3NOの破棄を公約していました。代表的なものが、THAAD追加配置です。

もはや説明不要の、文在寅大統領の偉業(?)である3NO、または3不。米国のミサイル防衛網に入らない、THAAD追加配置無し、日米韓3角共助の軍事同盟化しない、の3つです。THAADについては、中国政府が『あれれ?今設置してあるのも片付けると言ってなかったっけ?』なニュアンスで話すことがありますが、韓国側はそんなことまでは言ってない、としています。

尹氏は選挙期間中、クアッド加入と3NO破棄(特にTHAAD追加配置)を公約としていて、それが『戦略的曖昧をやめて、将来的には日本・米国(を含めたクアッドなどを介しての)軍事同盟まで考えている』という予測に繋がったりしました。しかし、本ブログで3月31日に紹介しましたが(過去エントリー)、日本・米国との『軍事訓練』関連の話が出ると、尹氏側は急いで『それは無い』とスタンスを明らかにしました。日韓関係は正しい歴史認識が前提である、とも。そして、ソウル新聞によりますと、今回、政府参加のシンクタンク「国立外交院」の米州担当者が、『尹錫悦当選人の最終公約集に、3NO破棄が入っていない』点を指摘しました。以下、ソウル新聞の質問と、国立外交院米州研究部長キムヒョンウク氏の答弁を引用してみます。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※記者の質問)「尹錫悦氏の対中政策はどういうものか」 / (※キム部長の答弁)「尹錫悦大統領当選者が選挙期間中に言及していた3NO政策(THAAD追加配置しない、米国のミサイル防衛体系加入しない、韓米日軍事同盟しない)の廃棄が、最終公約集から抜けたという事実に注目する必要がある。次期政府は、文在寅政府の政策に縛られないというものであり、別に中国に対立する方向に転換するという意味ではない」

(質問)「 中国が、経済的に韓国に何かの措置をしかけるのではないか、という懸念もありますが」 / (答弁)「中国に対する韓国内の感情が、思ったより悪化している。中国は、自分たちが主張するレッドラインを越えれば、韓国に経済関連の措置を取るというスタンスだ。前のTHADD関連問題のような措置がまた発生すれば、韓中関係は、 もう取り返しがつかなくなる。次期政府も中国関連政策を慎重に準備し、推進する必要がある」

(質問)「次期政府は日韓協力強化も話しているが」 / 「韓米日軍事協力強化を要求する米国の戦略、そして韓日協力基調という側面から、韓日の軍需支援に関しては議論される可能性がある。しかし、国内外からの反発が強いので、実現するかどうかは分からない」・・>>

 

ソース記事は今日のものですが、インタビューした日付が明記されていません。インタビューしてから1~2日後に記事になることが多いので、最後の部分は、尹氏側が『日米韓共同軍事訓練』に応じないと発表する前のことかもしれません(もしその後なら、キム部長としても『分からない』というより、尹氏側の発表内容を引用したでしょう)。もしそうなら、分析があたったことになるのでしょうか。公約集に入らなかったとして「やらない」という意味ではないでしょうけど・・しかし、本当に3NOをNOする流れがNOになったならば・・いいのでしょうか、これで。

3NO破棄は、韓国保守派たちにかなり『効いた』公約だと思いますけど、こんなふうに無かったことにしていいのでしょうか。3NOは各メディアから大きく報じられたし、破棄すべきだとする方からも、支持する方からも、何度も取り上げられたので、知名度が結構高い案件ですから。もしこんな状態で朴槿恵氏が(別の人の後ろ盾という側面で)政治的な影響力を再開する展開になれば・・保守右派からの支持は一気に下がるのではないか、そんな気もします。

 

 

 

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