さて、一つ前のエントリーで、ジョンジンソク氏が政策協議団の団長に選ばれたという話があったので、今日はジョン議員の持論でもある、日韓懸案の凍結論について、紹介したいと思います。
対韓輸出管理厳格化が始まる前、ジョンジンソク氏は凍結論を主張しました。米国側が非公式にこれを提案した、との話ですが、詳しく米国側の誰が、何時そんなことを言ったのかは不確かで、ジョンジンソク氏の他に凍結論を話す人もいませんので、朝鮮日報などもこの件については『米国側も非公式にそう言ったとされる』など、曖昧な表現を使っています。はやくも曇った見方で恐縮ですが、米国という名前を出して、早々の説得力を得ようとしているのではないか、そんな気もします。
2019年、ジョンジンソク議員は輸出管理問題で「韓国のホワイトリストから排除する措置を敢行した。日本ほど世界中で自由貿易の恩恵を最も受けてきた国ではないか。なのにこんなことをするなんてありえない。日本は、グローバル・チェーンに属する世界中の企業から孤立されるだろう。自らの手で墓穴を掘ったわけだ。国際的地位に似合うことをしてほしいものだ」と話しました。
そして、その際に解決法としてジョン議員が主張したのが、この凍結論です。ソース記事2019年8月2日のもので、クッキーニュースです。ジョンジンソク議員は同日、「まだ措置まで3週間も時間がある」としながら、外相レベルではなく首脳会談で『凍結』を決めると、両国関係を正常化できると提案しました。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・ちょうど私が一ヶ月前に提案したのが、日韓懸案の「凍結論」だ。同じような文脈で、米国もそのような言質が非公式に話したと報じられている。日韓間の難解な案件において、交渉案も設けることは難しい。しかし、政治的に、外交的に収拾はしなければならないから、冷却するための期間を置き、時間を稼ぐための、そのような知恵を発揮しなければならない。
そのために、凍結論が必要だ。これが新たな議題に上がる、そのような機会が設けられてほしい、と考える。最終的には、この問題は韓日首脳の間で解消すべき問題だ、という認識を私は持っている。これは、カンギョンファ外交部長官や、河野外相のレベルで解決される問題ではない。だから、いまの事態は、両国の総理と大統領直接会って解決しなければならない問題だ」と改めて強調した・・>>
なにかに似ている気がします。尹錫悦(ユンソギョル)氏が日韓の間の一括妥結(グランドバーゲン)を話すときも、ちょうどこんな雰囲気でした。とりあえず首脳が会って、そこで『具体的には何も言ってないが』何かの方法で一括妥結する、と。ここでいう妥結が、解決策なら、不可能でしょう。でも、全部『後回しにしましょうよそうしましょうよ』なら、出来るかもしれません。これを『出来る』と書くこと自体にとんでもない違和感がありますが・・
ひょっとして、新しい日韓の共同声明とか、一括妥結とか、それって『全部後回しにする』という凍結論の一種ではないでしょうか。だから、似たようなことを言ったジョンジンソク氏が政策協議団の団長に選ばれた、と。しかし、凍結とか、言うのは簡単ですが、問題を『起こした』のが韓国側ですので・・例えばつい昨日書いた現金化の件とか、これ、どうするつもりでしょうか。
判決または執行を『遅延させる』だけで5年使う、とか? いや、それは無理でしょう(それでもやりそうな気もしますが)。いまのところ、「尹政府は何もせず、日本側の譲歩を要求するだけ」になる・・そんな予感しかしません。騒ぎを起こした方が、ちゃんと後片付けもしないで、『このままにして、しばらくこの件は言わないことにしようぜ』と言ったところで、それは凍結でも何でもありません。ただの「甘え」です。
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