韓国側に溢れる、「岸田『も』」記事・・ 何もせず、相手が変わることを期待するだけか

相変わらず、韓国側は政策協議団の話で盛り上がっています。ただ、あるメディアは岸田総理との面談が決まったかのようなニュアンスの記事を出しているし、あるメディアは「調整に入った」と書いているし、内容は一貫していません。

あるメディアは安倍元総理、菅前総理との面談も行うとしているし、あるメディアは林外相との面談を調整しているとしているし、あるメディアは日本の某メディアがソースだとするし、あるメディアは韓国の某ケーブル局がソースだとするし、あるメディアは政策協議団が岸田総理に会った場で大統領就任式に招待すると言うし、あるメディアはすでにその内容を岸田総理に伝えたと言います。

24日訪日ですから少し待ってみれば分かるでしょうけど、もし岸田総理に会えたとしても「表敬訪問(『面談』と書けなくもないですが)」の形になるでしょう。パクチウォン国家情報院長が急に訪日したとき、菅総理と会ったのもそういう形でした。韓国側には、『会談』と報じるメディアもありましたけど。こんな状況なので、どれか一つ記事を選んでエントリーするのはやめて、ちょっと別の件で、別の側面を書いてみます。

 

拙著『卑日(扶桑社新書)』にも同じことを書いたばかりですが、ちょっと前、「『韓国は何もしなくていい』とする風潮が広がっている」という内容を何度か取り上げました。いくつかの記事を紹介しましたが、やはり個人的にもっとも気になるのは、去年12月28日の東亜日報の記事です。東京特派員が書いたものですが、その結論は、「参議院選挙が終わると、日本の方から韓国に声をかけてくる。そのときまで、韓国が何かをする必要はない(解決策を用意するなどのことはする必要がない)。日本を『待ってやる』ことも知恵である」というものでした。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・2021年の日韓関係は、全く変わらなかった。岸田総理は「外交的解決法を模索しよう」という韓国側の提案に応じなかった。このような姿勢は、来年7月、参議院選挙まで続く可能性が高い。それまで岸田総理は、前任である安倍晋三、菅義偉総理の外交政策を踏襲し、支持層の結集を誘導しなければならないからだ。もし来年参議院選挙でも自民党が勝利すれば、状況が変わるだろう。政治基盤を固めた岸田総理が、いよいよ自分の色を表わすだろう。今、韓国側に必要なのは、雰囲気が熟するまで、待ってやる知恵であろう>>

 

露骨に書いてある場合も、そうでない場合もありますが、このような主張は、基本的には『韓国が解決策を用意する』という日本側の主張に対する、反論となっています。ちなみに、参議院選挙の前には衆議院選挙が終われば~という記事が結構あったし、その前にはまた参議院選挙が終われば~という記事がありました。こういう、『韓国が変わる必要はない(韓国はすでにやることを全部やっている)。日本が変わるべきだ』とする主張は、いまでも続いています。

昨日、外交青書関連での騒ぎを紹介しましたが、全部ではないにせよ、地上波放送SBSなど多くのメディアが、報道の題を「岸田政権『でも』」「岸田『も』」としています。すなわち、岸田政権になったのに、菅総理でもないし安倍総理でもないのに、なんで変わらないのか、というニュアンスとなります。変わるはずがないでしょう。韓国が何もしていないのに、日本が変わるはずがありません。『国家』ではなく、『政権』で全てを判断するから、でしょうか。それなら尚更、話になりません。次に政権が変われば、また話が変わるかもしれませんから。

 

『韓国は何もしなくていい』という、ある意味、昔の両班(ヤンバン)にも似たこの考え方は、結局は、『日本が何かをやって、韓国に合わせるべし』という一方的な路線、上から目線の路線として現れます。文在寅政権がよく言っていた、『裁判所が決めたことだから、政府がやることは何もない』と一脈相通ずるような、そんな気もします。逆に考えると、政策協議団だろうとなんだろうと、彼らが何を言おうと、それは意味がありません。韓国がどんな『行動』を示すのか。例えば、現金化問題において、実際にどんなアクションを取るのか。まだやることがあると認めて、何かをちゃんとやるなら、そのときに反応を示しても、遅くないでしょう。そんなスタンスを見ることができるかどうかは、分かりませんが。

2週間前に休んだばかりで恐縮ですが、また1日休みを頂くことになりました。次の更新は、24日(日曜)の午前中になります。ランチタイムになる前には更新できれば、と。それでは、次の更新まで、しばしお待ち下さい。

 

 

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様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、画像左の方ですが、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >が2022年4月28日に発売されます。日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・のほうですが、韓国に蔓延する、新しい、そして歪んだ対日観、『卑日』について考察した本が発売中です。卑日>という題です(扶桑社新書、2022年3月2日)。なぜ今韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。 ・に、既刊 <文在寅政権最後の暴走>が発売中です。文政権においての日韓関係とは。文政権の考える『まともな国』とは。まともな南北、対日、対米、対中関係とは。それらはどういうもので、どう失敗したのか。そんな内容の本です。同じく既刊として、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。