尹大統領就任式に、「佐渡島の金山」世界遺産登録のための議員連盟の会長が参席

尹錫悦(ユンソンニョル)氏の大統領就任式に参席する日本の国会議員のリストですが、『佐渡島の金山(佐渡金山)世界遺産登録を目指す自民党議員連盟』の中曽根会長が含まれています。イーデイリーなど、複数のメディアがこの件を記事にしていますが、どれも『意外だ』というニュアンスはありますが、それ以上の内容はありません。何か話すことがあるのか、それともただの偶然かは分かりませんが・・いつもの曇った推測は後にして、まずは記事から引用してみます。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※就任式参席のために正式に招待の手続きがあり、日本からも訪韓の許可が得られた国会議員リストの中に入っている)中曽根弘文元外相は、3月28日に設立された佐渡島の金山 世界文化遺産登録推進議員の会の会長として知られている。

同会には顧問として安倍晋三元首相、麻生太郎自民党副総裁、菅義偉前首相などが含まれている。佐渡金山は、日本側が不利な部分を隠して世界文化遺産登録を推進しており、議論が起きている。1月には岸田文雄総理が世界文化遺産の推進を公式に表明した。議員の会も政府の登録推進を支援するために設立された・・(イーデイリー)>>

 

記事には就任式準備委員会が招待したとなっていますので、韓国側が中曽根会長を指名して招待した可能性もあります。または、日本側から参席者リストを送り、それを参席の意として、準備委員会が正式に手続きを進めた可能性もあります。日韓のどちらが先に参席者を決めたのかは微妙ですが、普通なら日本側が決めて、それから韓国側が招待の手続きを進めるものではないかな、と私は思っています。

いまの尹政権(まだ始まってもいませんが)が、なにかスタンスの変化を示したわけでもありません。尹政権は公式に、佐渡金山の世界遺産登録には反対すると公言しています。ヘラルド経済によると、外交部長官候補であるパクジン氏は、聴聞会(書面)にて、また同じ趣旨で答えました。日本関連部分だけ引用してみます。

<<・・(パクジン候補者は)日本の処理水放流については、「IAEAの透明な検証動向と日本側の措置を注視しながら、国連海洋法協約上の紛争解決手続きの回付を含む、すべての対応方案を検討していく必要がある」と答えた。また、パク候補者は、日本が佐渡金山のユネスコ世界遺産登録を推進することについても、現政府と同様、反対の立場を維持した・・>>

 

余談ですが、また処理水がどうとか言ってますが、IAEAは処理水関連調査結果、「問題ない」というレポートを公表しました。NHKによると、「IAEAは、ことし2月に実施した現地調査の結果を公表し、国際的な安全確保の基準に照らし問題はないとする見解を示しました」とのことです。この件も尹政権は『反対』を公言しているため、スタンス的に尹政権はどんどん不利になっていく、と見ていいでしょう。

で、本題ですが、日本側は何で中曽根会長を参席者として選んだのでしょうか。いまさら、韓国側に佐渡島の金山関連で何か話し合うことがあるのでしょうか。佐渡金山のユネスコ登録の件は、尹政権にとっては、比較的に、解決しやすい懸案ではあります。韓国が「国内向けに『反対』を表明したまま、投票で負けることができる」案件だからです。事前に外交戦(ロビー活動など)を広くしないなら、投票で日本の勝利の可能性は高くなります。尹政権からすると、国内からの反発は確かにあるでしょうけど、投票で負けたとなると、ある程度の言い訳はできます。

そうやって、尹政権に対して『賛成しろとまでは言わないが、反対を広げるな』という意図を伝える・・そんな可能性も、ゼロではないでしょう。そもそも、外交というものに可能性ゼロってないでしょうけど、それで韓国側に何かの『対価』を与えるとなると、それは嫌な話です。さて、どうでしょう。単に日本側のスタンスを伝えに行っただけなのに深読み(曇り読み)しすぎただけかもしれませんし、それぐらいがちょうどいい気もしますが。就任式のあと、佐渡金山関連で韓国側のスタンスに何か変化があるのか、注目したいと思います。

 

 

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