韓国紙「日本と中国が尹大統領にラブコール」 / 就任式演説についての私見

昨日、尹錫悦(ユンソンニョル)韓国次期大統領の就任式がありました。そのためか、尹錫悦大統領関連で、雰囲気を盛り上げようとする記事が増えています。とりあえず「外交的に大きな成果が出せた」な内容のもので、韓国の地位がどうとかの話もありますが、具体的な話が書いてあるわけではなく、もっとも多いのは鳩山元総理関連の記事だったりします。

あえて韓国側がよく使う「~大」表現を借りるなら、事前の3大予想は岸田文雄総理、オバマ元大統領、李克強総理でした。全部外れたし、昨日もお伝えしましたが米国の反応もパッとしなかったので、『なんとか、良かったところを探して盛り上げてみよう』な、まるでファンサイトのような動きだとも言えるでしょう。ただ、内容的に無理があります。

その中でも個人的に印象的(思わしくない意味で、ですが)だったのが、日本と中国がラブコールを送っており、尹大統領は「どちらと先に首脳会談しようかな」と悩んで(?)いるという、ニューシースの記事です。尹大統領との首脳会談で日中が競争していて、いまのところ日本が有利に見えるけど、懸案がいろいろあって、中国と先に首脳会談するかもしれない、と。私見は後で書くとして・・以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<尹錫悦大統領が就任して間もないのに、日本と中国からのラブコールが激しい。ユン大統領が日本との関係改善に集中するような姿を見せると、習近平主席が中国への招待の意思を伝えるなど、日中が力比べをする格好になっている。これによりユン大統領が来る21日、ジョーバイデン米国大統領と初の首脳会談をした後、日本と中国のどちらと先に首脳会談するかが、関心事として浮上している。

有利に見えるのは日本だ。ユン大統領は大統領選挙の過程で日韓関係の正常化を掲げ、日本に手招きをしてきた。ユン大統領は当選人だった先月にも、ジョンジンソク国会副議長を筆頭にした政策協議団を日本に送った・・・・(※しかし、懸案の解決法で意見が合わないでいて)実際に首脳会談が開かれるまでは、難関も多い。

よって、意外と、ユン大統領と習近平主席の韓中首脳会談が先に開かれる可能性も予想されている。まず、中国は日本に比べてより積極的だ。習主席はユン大統領就任式に副主席を送った。習主席は、王岐山副主席を通じてユン大統領に中国に来てほしいと招待した。尹大統領は「主席の訪韓を楽しみにしている」と逆提案をし、すぐに成立したわけではないが、会うという点には意思が一致したのも事実だ・・>>

記事の後半部は、急に『ネタ度』が落ち、普通のことが書いてあります。文在寅前大統領が2回も中国を訪問したため、普通なら、今回は習近平主席が訪韓することになるが、それは簡単ではないだろうという内容、などです。さて、どうでしょう。日本の動きをラブコールとするのも的外れですが、中国の動きを甘く見すぎではないでしょうか。

 

あと、ここからは、尹大統領の就任式演説に関する内容についてです。尹大統領が自ら草案を書いたという今回の演説に、日韓関係、日米韓関係についての内容はありませんでした。でも、参席してくれた各国代表を読み上げる部分以外では、特定の国家・地域名の言及はなく、日本以外の国との関係にも言及していません。関係というか、『問題』として取り上げたのは、北朝鮮だけです。だから、日韓関係についての言及が無いのは、そこまで不思議なことではないとの見方もできます。

ただ、演説でもっとも強調したのが『自由』と『民主主義』であるにも関わらず、具体的な話はまったくありませんでした。これは、ある意味、具体的な案を何も示せないでいる、今の尹政権そのものではないだろうか、そんな気もします。例えば、いま国際情勢でもっとも韓国が『当事者』であるべき事案、自由で開かれたインド太平洋に関する内容などは、まったくありませんでした。もちろんウクライナに関する内容もありませんし、米国との連帯に関する内容もありません。

選挙期間中はもちろん、当選人だったときにも、あれだけ「米韓同盟」を強調してきた尹大統領が、米国との関係について一言の言及もなかったこと。これもまた、明らかに不自然でした。ちなみに、韓国大統領演説にはかならず出てくる『統合』という単語が、今回はありませんでした。これは、前政権を何かの形で『審判』するという意味でしょうか。

 

 

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