韓国、また増えてきた『日本との通貨スワップ』主張

米韓首脳会談もあるからか、ウォン安が明らかになったからか、5月になってから通貨スワップ関連記事がまた増えてきました。今朝の中央日報(日本版)にも、米国・日本との通貨スワップが必要だ、という記事が載りました。

ちなみに、この記事の韓国版は存在しません(今日、16時あたり)。ヤフーなどにも載っているのですでにお読みの方も多いでしょうけど、こちらの記事(中央日報日本語版)となります。同じメディアの日本版と韓国版が、同じ記事だけを載せるという決まりはありません。でも、韓国メディアの場合、いつもは同じ内容の記事が、日本語と韓国語で載るのが普通でした。

ブログ書きながら何度も日本版と韓国版の両方を目にしたので、『普通』は両方(韓国語版がオリジナル)存在するものだと、私も思っています・・が。なんでこの記事は韓国語版は無いのか、ちょっと気になります。とにかく、日本語版ですので該当部分だけ引用しますと、こうです。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※ウォン安だ うわぁぁ な内容の後に)米国ではなく日本との通貨スワップ契約締結の必要性が提起される。「国民の力」のソ・ビョンス議員は2日、チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官の人事聴聞会で、「政治的問題や両国間の感情問題を離れて必要なものを互いに助けて協力すべきという立場から韓日通貨スワップを再開すべき」とした。これに対し秋副首相は「日本との通貨スワップも外国為替市場に肯定的な影響をもたらすだろう。両国間の政治・外交的問題と絡み合っており、そうしたものをうまく好循環して進められたら良いだろう」と話した・・>>

 

さて、どうでしょう。つい最近まで、円は安物になった、日本の円が信頼されなくなった結果だ、そんな記事が結構出ていました(数は減りましたが、まだあります)。ウォンの場合、結局は金利を引き上げるのか、しないのかです。上げると、家計負債などが大きな負担を背負うことになります。上げないと、外国の資金が離脱します。SBSの報道ですが、8日に韓国金融研究院の「家計財務状態が赤字である世帯の特徴と改善方向」という報告書によると、2021年時点で、韓国の全体2052万世帯の17.2%である354 万世帯が赤字世帯であり、彼らは平均で所得の98%を負債の返済に使っている、とのことでして。

個人的に、家計負債問題に比べると『まだ』そこまで大きな問題ではないとも思っていますが、外国資金の流出も続いています。こちらはニューシースですが、韓国銀行が発表した「2022年4月以降、国際金融・外国為替市場動向」によると、4月、外国人の国内株式投資資金が42億6000万ドル流出し、3ヶ月連続で純流出でした。今年1月までは、3ヶ月連続で純流入だった、とも。株と証券を合わせた外国人の国内全体証券投資資金も37億8000万ドル純流出で、善戦していた債券関連も限界で、 2カ月連続の純流出になったそうです。

 

結局、米国との通貨スワップを首脳会談の議題にしないといけないとか、そんな趣旨の記事がいくつかのメディアに載るようになり、その中には、『日本との通貨スワップ』にフォーカスを合わせる記事もありました。本ブログでも4月30日に一つエントリーしましたので、未読の方はお読みください。ですが、実は2017年10月2日、中央日報自ら、「次に何かあった場合、日本と米国は、韓国と通貨スワップに応じてくれるのだろうか、今のようでは疑問だ」という記事を載せたことがあります。『オチ』の代わりになってくれそうで、こちらを引用して終わりにしたいと思います。

<<・・基軸通貨国(※韓国ではハードカレンシーも基軸通貨と表現します)ではない韓国のような小規模開放経済にとって、経済同盟の重要性は、いくら強調してもすぎることはない。しかし、米国との関係は、以前とは変わったように思えるし、日本との溝は深くなっている。次、何かあったら、自力だけでなんとかしないといけない、切迫した境遇になるかもしれない。外貨保有額が増えたからって、過信していい時ではない。経済も安保も、根拠のない自信こそが危ないのだ・・>>

 

 

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