バイデン氏、(日韓関係で)『貿易障壁のような案件がある』と発言・・質疑応答の全文を紹介します

韓国メディアが、「バイデン大統領が、記者会見で、『前任者が貿易障壁を作った』と話した。て撤廃させるという意味だ」という記事を載せ、前任者とは安倍元総理のことを言ったのだ、と主張しました。ちょうどコメント欄にもこの記事に関する話があったので、今日はこの記事を取り上げたいと思います。まず、元ソースニュー◯ースの記事から、該当部分を引用してみます。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<バイデン、日の輸出◯制(※輸出管理厳格化)を目指して「日本の前任者が貿易障壁を立てた」(題)・・バイデン米大統領が21日、韓米首脳会談後、韓国と日本が貿易障壁を立てたと述べた。日本政府が韓国を相手に施行した輸出規制を意味するものとみられる。バイデン大統領が日本訪問で輸出◯制の撤廃を扱うか注目される。

バイデン大統領はこの日、韓米首脳会談後、共同記者会見で韓日関係の悪化に関する質問に、「私が日本を訪問することになり、そこでも議論することになるだろう」とし「軍事的に緊密な三国関係を整えることが重要だと思う」と答えた。バイデン大統領は「貿易障壁のような事案がある」とし「前任者が貿易障壁を立てたことがあるが、そのような障壁を打開できる案を模索している」と明らかにした。安倍晋三元日本首相が韓国に対して輸出◯制を強行したことを狙った発言だと見られる・・>>

 

これが本当なら、韓国としてはものすごく大きなニュースになります。しかし、ちょっと妙だな、とも思いました。SBS(地上波)が日米韓関連の発言についてまとめた報道などを見ましたが、そんな内容は無かったからです。少し調べてみたら・・例のソース記事、7割ぐらいは誤報でした(個人的な見解です)。共同宣言ではなく記者会見で『貿易障壁』『日米韓』という言葉が出てきたのは事実です。しかし、中身のニュアンスは、記事とはちょっと違います。

特に「これ、わざとだろう」としか思えない部分は、前任者関連の発言が、『私の前任者の期間中』でした。だから前任者とはトランプ大統領で、どうしても日韓まで拡大するなら、その期間中の首脳のことで、すなわち文大統領も含まれます。見方によっては、バイデン氏が「私のせいではない」というニュアンスで話した気もするし、『安倍元総理』とも、『日本が』貿易障壁を立てたとも話していません。それに、例のソース記事(引用部分)をよく読んでみると、最初の部分だけ『日本と韓国が』貿易障壁を~としておいて、それから全ては日本のせいという展開になります。人為的なミスリードでしょう、これは。

 

バイデン氏が輸出管理厳格化について関心を持っているのは事実で、日韓ともにこの話をする可能性が高いでしょう。というか、いままでも言ってきたと見たほうがいいかもしれません。そこは事実です。しかし、ソース記事が報じたようなニュアンスのものではありません。だから他の韓国側のメディアも、そこまで騒いでいないわけです(本エントリーを書いている時点では、ですが)。ソウル経済に、記者会見の質疑応答全文を載せた記事があったので、そこから該当発言を引用してみます。以下、結構長いので、その点はご容赦ください。

 

<<・・(※米国記者の「韓国と日本は両者関係が悪化しており、経済関係が梗塞されている。米国が両国間の紛争を解決することで、行政府の経済同盟を強化できる方案がある。米国がどのような役割を果たすことができるのか」という質問に対する、バイデン大統領の答弁) 私たちは、一般的な意味でさまざまなことを議論しました。これから(私は)日本を訪問することになります。そこでもいろんなことを議論するでしょう。

ここで重要なのは、韓米日は三角の経済関係を持っていて、軍事的な関係も結んでいるということです。だから、私たちは、何かの貿易障壁とか、そんな葛藤を解いていくことができるのです。これは、私の前任者の期間に問題がありましたが、現在、私もそんな部分をよく見ています。それ以外にも、すでに私は、多くの時間をかけて、これらの問題解決のために努力していることを知っています。

 

多くのことが変わりました。太平洋地域での民主主義は、これまで以上に緊密な共助を求めている。軍事的な側面だけでなく、経済的な側面での緊密な共助が求められています。だからユン大統領と、私たちがこれを米国と日本と韓国だけでなく、もう少し域内の、太平洋の他の島嶼とか、インド・太平洋地域に拡大しなければならないと話しました。

そのため、私がこれまで無数に同じ話をして恐縮ですが、私たちがここで歴史を作って、歴史的に見れば今、私たちがとても早い変化を目指しているということです。それで民主主義と独裁主義の間で競争が起きている。ところが、これはとても残念なことだが、ここだけでなく他の場所でもこのような競争が起きたという事実が立証されています。だからこそ、これは地域だけの問題ではなくグローバル問題になっているわけです。そのため、グローバルな対応が必要です。

 

そのためには、私たちが同盟に頼るしかありません。例えば韓国・日本がまさに今ウクライナに支持を見せて声援を送ってくれています。このような広範囲な支持が必要なのです。これらすべてが、まさに私たちが民主主義を持続可能なものとして増進できるかどうかを決定することになるでしょう。だから、ユン大統領と私は、私たちがこのようなことにおいて非常に重要な役割を担うことができるという話をしました。ありがとうございます>>

答弁になっているような、なってないような、そんな気がしますが・・とにかく、ニュー◯ースの記事が、個人的に7割は誤報だったということ、そして、「貿易障壁のような案件」について言及したのは事実だということ、この二つが個人的な結論です。これもまたこれで結論になっているような、なってないようなものですが・・とりあえず、日本政府としては、なぜ輸出管理厳格化が始まったのかなどについて、米側にもっとしっかりした説明をお願いしたいところです。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。