米当局者、『韓国のクアッド参加は検討していません』・・一部のメディアは『拒否された』とも

韓国側は、ほとんどのメディアが米韓首脳会談を肯定的に報じています。中には「これで常設通貨スワップは間違いない」「戦略的曖昧さを完全に捨てた」と主張するところもあるし、しかも、どの記事を読んでみても、内容に差があるわけでもなく。個人的には、『えっ?』です。

事前に韓国側のメディアで話題になっていた、日韓関係とか、THAADとか、通貨スワップとか、クアッド(一応、公約でした)とか、そんな話が一つでもあったなら、『具体性』という面においてもかなり良い形になったはずですが。全般的にはそこまで悪評するほどでもなかったにせよ、『~に合意した』ではなく『~について協議することに合意した』とする内容も多く、ここまで肯定的に報じるほどのものかな・・と。

 

そんな中、米国側の当局者が、『韓国のクアッド参加は考えていません。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領はもっとクアッドと協力したいと思っていますけど』と話しました。また、中央日報などは「既存のクアッドをまとめることが先決で、拡大は考えてないという」とマイルドな書き方ですが、ニューシース(ソース記事その1その2)などは「尹大統領は希望したけど、拒否された」というニュアンスで報じています。同紙の別記事では、『日本が反対しているから』というお約束パターンも。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<米国の高位当局者は22日、韓国のクアッド(Quad)参加と関連、現時点では検討せず、当面の課題は既存クワッドを発展させることが重要だと明らかにした。ロイター通信は22日(現地時間)、米国の高位当局者の発言を引用し、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領がクワッドとさらに緊密に協力したがっているけど、今のところ、韓国をクワッドに追加することは検討していないと報道した。この当局者は「他の民主主義国家と協力できる方法を考えるのは当然だが、今のところは(韓国を追加するよりも)既に構築されているクワッドを発展させることが目標」と話した・・

・・ジョーバイデン大統領は、米国が北朝鮮に新型コロナのワクチンを提供するという意思を表明したが、北朝鮮から何の返事も聞くことができなかったという。バイデン大統領は「我々は北朝鮮だけでなく中国にもワクチンを提供する」と言ったが、同じく、何の反応もなかった、この当局者は話した・・(ニューシースその1)>>

 

<<尹錫悦政権が、米国・日本・オーストラリア・インド安保協議体であるクアッドに加入しようとしたが、米国政府がこれを公式にトェチャ(拒否)した。これにより、尹大統領のクワッド加入公約の履行は難しくなった・・・・米側では、これまで韓国のクワッド加入を快く思わない雰囲気が捉えられた。デビッド・マクスウェル民主主義守護財団選任研究員は、2月、VOA放送に「米国は、韓国にクワッド加入を圧迫したくないし、中国との関係が悪化したからといって、韓国がクワッドに参加することを望んでいない」と米国政府の気流を説明した。

クワッド加盟国である日本も韓国加入を喜ばなかった。日本は韓国が加入すればクワッド内での主導権を失う可能性があるという点などを理由に、反対してきたと伝えられている。クワッド加入不発で、中国が韓国に対抗措置を加える余地は減った・・(その2)>>

 

引用部分の最後、『そこかよ!』ポイントです・・かどうかはともかく。事前に噂されていたオーカスの話もありませんでした。米国側が韓国のクアッド参加に応じないという話が出てから、一部の韓国メディア(例えばニュース1)は『クアッドは緩い。オーカスのほうがいい』『米国がクアッドに誘わないのは、IPEFやオーカスに参加させるためだ』と報じたりもしましたが。『緩い』が何を意味するのかハッキリしませんが、個人的に、一般的なイメージだとクアッドよりIPEFのほうが緩い気がします。

これからどうなるのかまでは分かりませんが、少なくとも今の時点では、米国は尹政権、いや韓国を『クアッド(またはオーカスなど)の一員にしてもいい』と思うほど、信用してはいないということでしょう。さて、日本にオーカス参加を提案していた、というニュースもありましたが・・そちらも気になるところです。しかし、バイデン大統領も大変ですね。高齢なのに、首脳会談が重なって。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

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