韓国与党『国民の力』、「米大統領が日本より先に韓国に来た。大統領が変わって、国格が上がったのだ」

またもや「国格」が話題になっています。与党「国民の力」の代表が、「米大統領が日本より先に韓国を訪れた。大統領が変わっただけなのに、国格がこんなに上がったのだ」と話したことがきっかけです。まずはちょっとだけ引用してみます。朝鮮日報<<~>>が引用部分となります。

<<イ・ジュンソク国民の力代表はジョーバイデン米国大統領の訪韓と関連、「大統領が変わっただけなのに、大韓民国の国格が変わったという感じがする」と話した。イ代表はこの日午前、慶尚北道永川市公設市場での遊説で、「バイデン大統領が日本より先に韓国に来て、尹大統領と首脳会談をして、晩餐もした。 私もその場にいたが、本当に誇りに思った」としながら、このように言った・・

・・イ代表は「今回の選挙で尹政権は自由と公正、常識を話す。だから若い世代が国民の力と尹政権に対する支持を高めている」とし「ユン大統領は食言しない人だ。 約束を守る人だ。文句を言われようと、言うべきことは言う人だ」とも言った・・>>

 

「韓国に先に来た」というのは、(個人的な意見ではありますが)IPEF公式スタートを日本で発表するため、韓国から確答を得ようとしたのではないか、そんな気もしますし、なにより「日本でのクアッド首脳会談が無かったら、訪韓しただろうか」という一言で全て終わってしまいそうな話であります。

それに、米韓首脳会談で微妙な側面はいくらでもありました。THAADや通貨スワップ関連の話が無かったのもそうですが、約束(公約)繋がりだと、クアッド劇場(?)がまた微妙すぎました。「クアッド参加を公約として掲げた韓国大統領との会談が終わった直後」に、「これからクアッド首脳会談に参加する米国大統領と同行した高位当局者」が、「『韓国のクアッド参加は検討していない』と言った」こと。この流れに、「政権が変わったからもういいだろう」とする韓国と、「まだ信用できない。もっと様子見が必要だ」とする米国のスタンスが、露骨なほどにわかりやすく現れているからです。

 

選挙期間、クアッド参加を公約とし、支持層から大きな反響を得ていた尹錫悦(ユンソンニョル)大統領。共同声明に「クアッドに関心を示してくれたことを歓迎する」という一行を入れるため、そこそこ苦労したのではないしょうか。でも、その直後、『検討していない』、と。これから韓国が日米から信用されるようになると、自然な形でQUADでもKUADでも入れるでしょうけど、まだそのときではありません。なにせ、何もしていませんから。

そう、『就任後、間もなく米大統領と会談できた』というのは、かならずしも韓国側に有利な話ではありません。なにもしたことがない状態での会談ですから、具体的な内容が無いのも当然です。実際、今回だって、「~に合意した」ではなく、「~について協議することに合意した」ばかりですし。特に、前の政権がとてもアレだったので、なおさらです。

他にも、イ・ジェヨンサムスン電子副会長が英語で話したことで、ネットでは「これぞ国格だ」という意見が出ていた、というニュースもあります(引用はありませんが、ファイナンシャルニュース)。この人たちの言う国格って、いったいどういうものでしょうか。今に始まったことでもありませんが。

 

そもそも韓国側の人たちが言う『格』というのが、一般的な意味での「品格」とは違い、とにかく比較対象が無いと成立しないものばかりです。まるで、階級のような概念です。そうやって足掻いたところで、本当に格が上がるのでしょうか。上下に拘る格もどきではなく、私が思っている本物の格というのは・・そうですね、あえてイ・ジュンソク代表の言葉をお借りしますと、「文句を言われようと、言うべきこと言う(やるべきことをやる)」ではないでしょうか。

そう、格とは、『一貫して信用できる』という意味も含まれています。先の、「まだ分からない、もっと様子見」という下りこそが、実は今の韓国の『格』に関わる話でもあるわけです。そういう意味からして、まず国家間の約束もちゃんと守ってほしいものであります。それこそ「格」や「文句を言われようと、やるべきこと」の問題ではないでしょうか。それさえ出来るようになっても、日本、いや日米が韓国を見る目は結構変わると思いますが。大統領が変わって格が上がるわけではありません。約束を守ってこそ、格が上がるのです。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

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