韓国紙「日米はグローバルパートナーになった。もう日本自衛隊は『盾』ではなく、『矛』になる」

これといったオチはありませんが、日米首脳会談、共同声明関連のエントリーとなります。

まだクアッド首脳会談は始まってもいませんが、日米首脳会談だけでも実に印象的でした。共同声明(外務省HPに全文PDFがあります)にもちゃんと入っている「日本の常任理事国入り」支持、共同声明にはありませんが、台湾の有事の際には米国が武力で介入するという話、その他、様々な協力、そして広大なビジョン、などなど。

私見ではありますが、米韓首脳会談の共同声明にも、特定分野で「グローバルなパートナーシップ」という表現は出てきます。韓国側のマスコミも、『軍事同盟ではなく、包括的戦略同盟になった』という表現をよく使いました。しかし、読んでみると、グローバルというよりは、『米韓は仲がいいです。本当です』という内容がほとんどで、どうしても範囲が狭い(『米』と『韓』だけ)感じがします。中国を気にしてのことか、どうしても『インド太平洋』など、範囲を制限しようとしたから、でしょうか。

日米首脳会談の共同声明は、タイトルからして日米首脳共同声明「自由で開かれた国際秩序の強化」始まってすぐ『グローバルなパートナーシップ』で、内容にも同じ表現がすぐ出てきます。内容も、日米がメインというより、『(自由で開かれた)インド太平洋』にしっかり重点が置かれています。あくまで私見ですが、このイメージは米韓共同声明からは感じ取ることができないものでした。

 

私と似たような感覚・・別に日韓比較論ではないにせよ、日米は『グローバル』に向かうという内容を記事にしたメディアがあります。失礼ながらちょっと意外ですが、左寄りで有名なハンギョレ新聞です。尹政権を肯定的に評価し・な・い・と・い・け・な・い・という縛りが無いから、でしょうか。日米首脳会談関連で色んな記事を読んでみましたが、その中では、本エントリーで書いている内容にもっとも近いものでした。以下、<<~>>で引用してみます。ちなみに、ハンギョレ+日本関連+DAUMなのに、コメントが一つも無い、不思議な記事でもあります。

 

<<・・日米首脳会談の後に両国が公開した共同声明を見ると、中露の挑戦に対抗し、規範に基づく「国際秩序」を守るという二国の決意を読むことができる。「自由で開かれた国際秩序の強化」という副題がついた共同声明で、米日は「グローバルパートナーとして、日米両国は規範に基づく国際秩序が避けられず、どの場所であろうと国際法と自由と公正な経済秩序に対する脅威は、私たちの価値と利益への挑戦であることを確認する」と宣言した。

「規範に基づく国際秩序」を守るという名分で、両国は今回の会談を通じ、過去70年間にわたって続いてきた日米同盟の性格を根本的に変える、長い旅程に第一歩を踏み出した。 1952年4月、同盟が結成された後、米国は外部に対する「槍」、日本は専守防衛の原則に充実に、自国の「盾」の役割にとどまってきた。しかし、今回の会談を通じて、今後両国ともに相手を直接打撃できる「矛」の役割を担うことになった。

共同文書で岸田首相は「ミサイルの脅威に対処するための能力を含め、国家防衛に必要な様々な選択肢を検討する決意」と「日本の防衛力を根本的に強化し、その裏付けとなる防衛費が相当に増額される決意」を表明し、バイデン大統領は「これを強く支持」した。これにより、日本は現在国内総生産(GDP)1%水準に留まる防衛費を2%台に大幅に増やし、これまで持たなかった「基地攻撃能力」を確保できるようになる見通しだ。日本が再び本格的な軍備に乗り出し。中国と北朝鮮のミサイル基地などに対し、矛としての能力を備えることになるわけだ。

 

米日同盟がこのような根本的な変化を経験した直接的な原因は、中国の浮上である。バラク・オバマ大統領はこれに対応するために「再均衡政策」を始め、これはドナルド・トランプ大統領時代「インド・太平洋戦略」に発展した。バイデン大統領2年目に入って米国はイギリス・オーストラリアと一緒にする軍事同盟人「オカス」(AUKUS)とこの日発足した「インド・太平洋経済フレームワーク」(IPEF)を通じて安保・経済の両方で「包囲網」を完成している。この過程で日本は米国の核心同盟として、「規範に基づく国際秩序」を守る守護者の位置を確保している。

このような変化がインド・太平洋地域にもっと大きな「安定」をもたらすのか、中国の反発を呼び、より大きな混乱をもたらすのか、予断するのは容易ではない。岸田首相は自身の覚悟を固めるように「自由で開かれたインド・太平洋の実現、そして自由で開かれた規範に基づく国際秩序を構築するにおいて、日米が不退転の決意で対応する」と話した・・>>

 

さぁ、「第一歩」といっても、やろうとして急に出来ることではありませんし、今まで準備してきたことが、少しずつ具体的に、形になっていくといったところでしょう。これがまた、『政権が変わったから~』な主張では及ばないところでもあります。

常任理事国関連の発言(安保理改革で、日本の常任理事国入りを支持する)は、一つ前のエントリーでも扱いましたが、韓国側のメディアはかなりの動揺を見せています。韓国の外交部は、『米国が日本の常任理事国入りを支持すると表明したのは、これが初めてでもない』とし、それ以上のコメントは出さないでいます。どうでしょう。共同声明にまで入っていて、国内(韓国)メディアがここまで速報を出したからには、『で、韓国はその意見に賛成するのか否か』ぐらいは示してほしいものです。ブログ更新ネタ的にも(笑

台湾関連の話は、後でホワイトハウス側が「米国の戦略に変更はない」としましたが、実は今月5日、米国務省の『台湾』関連説明から、『中国の一部』という説明が削除されました(京郷新聞の記事より)。直後に火消しすることまで含めて、計画的なものだった、と思われます。日本の場合、外務省の韓国関連説明などで『価値観を共有する』などのフレーズが消えたことは、両国関係が『前とは違うものになった』の象徴的な案件でもあります。今回も、それと似たような流れではないでしょうか。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。