米国、日韓に『日韓の間の相互防衛』について探るよう勧告か・・現状としては、あまりにも非現実的

韓国だけでなく、日本としても頭が痛い話ではないか、と思われますが・・米国、国防部が、『日米韓』だけでなく、『日韓』の間の軍事強力増進について話しました。京郷新聞によると、米国防部は、日米韓だけでなく、日韓の、さらには日韓の相互防衛オプションについて、もっと話を進めていく、と話しました。まだ具体的な話が出ているわけでもないし、安保という側面でどれだけ影響するのかも分かりません。でも、個人的に、現実とあまりにもかけ離れたプランではないでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<米国国防部は26日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイル挑発と関連し、韓米日の3国軍事協力だけでなく、韓国と日本の軍事協力増進を希望するという意を明らかにした。ジョン・カービー米国防総省スポークスマンはこの日の定例ブリーフィングで、最近、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを含めて3発の弾道ミサイルを発射したことに対する対応措置に関する質問に・・

・・「ロイド・オースティン国防長官は、韓米日間の協力増進に常に関心を傾けてきた」とし、「私たちはまた、韓日両国の間に相互防衛のためのオプションを探索してみるよう、勧告している」と話した。彼は引き続き「24日、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対応して日本航空自衛隊だけでなく韓国軍とも訓練をした」とし「それは3国間軍事訓練だった」と話した・・>>

 

この話、ちょっとした『オチ』があります。米国防総省はブリーフィングの後、「(3国間で訓練したというのは)米国が日本と訓練をして、韓国と別の訓練をしたという意味だ」としました。日米と米韓でそれぞれ別の軍事訓練を行っただけで、日米韓の共同訓練では無かった、という意味です。ある意味、『セルフ』オチとでも言いましょうか。わざわざこう修正しないといけないというのは、まだまだ日韓はおろか、日米韓の3カ国共同訓練も出来ないでいるという意味で、しかも、「3カ国共同」と発表すると、同盟国を困らせることになるという意味でもあります。

3月あたりから、『日米韓軍事訓練』の話がありました。3月15日、まだ文在寅政権だった頃、米国側は韓国に対し、日米韓の3国による共同軍事訓練の定例化を提案しました(※この時点では、韓国国防部は否定していました)。でも、同日の聯合ニュースによると、この件は『国民の世論を考えると』などの理由で、有耶無耶にされました。もしこの話が本当なら、韓国側が応じなかったことになります。

 

記事は、「米国が今回の国防部長官会談で、日米韓3カ国の連合訓練の重要性などを強く提起すると、韓国としては、会談の議題にするしかないだろうと観測されている」、「軍の内外では、我が国の国民情緒などを考慮すると、すぐに米国の要求を受け入れることは困難との見通しが優勢である」としています。それから、大統領選挙が終わって、3月末頃から、この話は本当で、文政権が拒否した、という後続報道が流れました。

 

すでに選挙が終わり、大統領職引受委員会が活動を始めていたので、ブリーフィングの際、『新政権は、この話に乗るのか?』という趣旨の質問がありました。すると、引受委員会のスポークスマン キムウンへ氏は、「まだ日米韓で軍事訓練をするわけにはいかない」という趣旨で答えました。新政権でも、それは無い、と。

「韓米日共同軍事訓練は、韓米日安保協力とは次元が異なる問題」、「共同軍事訓練なら、安保協力ではなく軍事訓練段階に入るものだ」、「新政権では、韓米日間に実質的かつ効果的に安保協力を成し遂げられる方案を検討することになると思う」、「韓日関係改善の大前提は、正しい歴史認識だ」、「それが改善されないかぎり、日韓関係の安定的、未来志向的な持続は成し遂げられない」、などです(詳しくは過去エントリーを参考にしてください)。

3月、尹大統領(当時、当選人)が日本大使館の相星大使と会い、日韓関係改善が~という話をした直後、日本の教科書検定関連で、韓国では大きな騒ぎがありました。引受委員会は(相星大使と会ったばかりの尹当選人の立場を気にしてか)『この件において、引受委員会がスタンスを表明するのは適切ではない』と話し、かなり批判されていました。そして、3月30日あたりから、引受委員会側も『日本は正しい認識を持つべきだ。それが関係改善の前提である』と、言葉を変えました。その直後、31日のことです。

 

米国が「3角同盟(3国同名ではなく)」という言葉を使うたびに思うことですが、日米韓や日韓の話なら、もうちょっと現実的なプランにしたほうがいいでしょうに。相互防衛なんて、日本からしても「えっ?」な話ですが、韓国からすると、さらにハードルが高すぎます。

引用した記事にある「世論」とやらもそうですが、韓国は『例え有事の際にも、自衛隊は朝鮮半島に入ってきてはならない』としています。GSOMIAをやめると言い出したのも韓国で、なにより、例のレーダー照射の件が、まだ未解決のままです。た・か・が・政権が変わったぐらいで、これらが解決できるはずがないでしょう。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。