韓国の対日輸出企業、『円安』で赤字が急増・・政府への支援要請も

本ブログでも何度か取り上げたことがありますが、韓国メディアは「悪い円安」というキーワードのもと、日本の円安を、『安全資産ではなくなった』『日本が安物になった』などと報じました。そのときからウォンも安くなっていたし、一部では通貨スワップがどうとかの話も出ていたので、韓国がどれだけ精神的に『日本』という存在に依存しているのか、改めて実感できる、そんな流れでもありました。

で、早くも結論ですが、その円安のせいで、韓国の対日輸出企業がかなりのダメージを受けている、とのことでして。『日本への』輸出企業だから、別に日本企業と競争するという意味でもありません。そんな会社もあるでしょうけど、この場合は日本にものを輸出し、代金をもらう企業のことです。それら輸出企業からすると、ドルで原材料を購入して、それで品を作り、それを日本に輸出し、日本から『円』で代金を受けます。その円をドルに変えて、また原材料を買います。その過程で、円安によるダメージが発生しているわけです。

 

ドルでやればいいじゃないか、と思われますが、日本への輸出の場合、金額ベースで43.5%は円貨決済です。『世界』全体で見ると円による決済は2%代ですが、日本やEUなどは、代金を自国通貨(円、ユーロ)で決済することを慣行としています。そのため、地域を日本に限定すると、その決済金額の43%以上が円であるわけです。亜州経済(5月9日)の記事によると、この負担はかなりもので、政府に支援を要請している、とも。また、記事は何気なくかいていますが、中国への輸出の場合も、代金の12%は円貨決済だとのことでして。こちらもかなりの金額になるのではないか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・円が安くなり、対日輸出企業が恐怖に包まれている。輸出代金を半分近くを円で決済する状況で円が安くなれば、受け取るお金がそれだけ減ってしまうからだ・・・・他の地域ではほとんどがドルで輸出代金を決済するが、欧州連合(EU)と日本では、自国通貨で輸出代金を決済する慣行がある。実際、他の地域で輸出代金を円で受け取ることは、中国(12.%)ぐらいだ・・

・・日本では輸出代金決済の43.5%が円貨になっており、ドル(51.2%)とほぼ同じ水準だと集計される。結局、対日輸出企業が輸出代金43.5%を円で受けているという意味だ。昨年対日輸出規模を勘案すれば、円貨決済規模も小さくないと把握される。昨年基準の国内企業の対日輸出規模は300億6700万ドル水準と把握される。このうち43.5%を適用すれば、16兆4800億ウォンを超える。

 

実際、最近対日輸出企業は深刻な円安現象で、致命的な打撃を受けていると口をそろえる。特に対日輸出企業の多くは中小企業であり、耐えられないとの分析が出ている。対日輸出企業関係者は「円で輸出代金を受けてドルで原材料を買わなければならないのに、、円をドルに変えれば以前より85%水準に過ぎない」、「売上が15%以上減ったのと同じで、収支が合わない状況だ」と言った。

他の対日輸出企業関係者も、「最近、円安の幅とスピード共に、難しい」とし「今は赤字が避けられないので、このまま(輸出を)続けるべきか悩む」と言った。貿易協会の関係者は「対日輸出企業は今まさに大きな被害を受けている。政府レベルで緊急経営安定資金支援や為替レート変動保険支援拡大などに乗り出すべきだ」と話した・・>>

 

関連した話として、最近、また貿易赤字関連記事が増えています。危機とされていた2008年よりも、赤字の累積するスピードが速いそうでして。韓国は貿易収支で黒字を出さないとマズい構造になっているので(ここが日本とは違います)、一部のメディア、例えばソース記事のニューシースなどが、「もっと危機感を覚えるべきだ」と記事にしています。ただ、世論的には、この件はさほど話題にはなっていません。

韓国銀行(韓国の中央銀行)が出した「国際収支動向」によると、経済危機とされた2008年の場合、1~5月の貿易収支は累積63億4000万ドルの赤字でした。今年の場合は、1~5月で78億5000万ドルの赤字です。輸出は増えています。でも、その輸出品を作るための輸入金額もまた増えて、結果的には赤字になる構造です。

 

記事によると、「韓国のように中間財の輸入比重が高い国は、油化が高い基調だと、貿易収支が大幅に悪化する。 原油価格が上がれば原材料価格が高くなり、輸入単価も上がるためだ」、と。韓国内輸入原油の基準となるドバイ油の5月価格は108.2ドルで、前年同月比63%が上がりました。 同期間の原油輸入額も、前年同月比で65%も上がっている、とのことでして。

他にも、石油製品(金額ベース)は前年同月比36%上昇、ガスは74.1%、石炭は233.1%も増加しました。輸出も増えているそうですから、これがすべて輸入価格上昇『だけ』によるものだとは言い切れませんが、それでも、さすがにこの数値だと、赤字が急増したのも分かります(ここまで、ニューシースの記事を参考にしました)。

 

 

皆様のおかげで、新刊『日本人たらしめているものはなにか』が、発売中です。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、の自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。