竜(後)頭(部)蛇尾

今回は、引用から始めてみたいと思います。韓日親善協会の中央会長が書いた寄稿文の一部となります。最近、韓国の右寄り(というか、共に民主党支持者以外の)人たちがテンプレのように話している、『正常化』関連です。尹錫悦(ユンソンニョル)政権になって、やっと米韓関係が正常化できた。次は日韓関係だ、と。韓国経済から、<<~>>が引用部分となります。

 

<<バイデン大統領が韓国と日本訪問を終えて帰国した(※記事は6月3日のものです)。韓国では2泊3日の比較的長い日程で、尹錫悦大統領就任1ヶ月にもならない時期での貴賓だ。朝鮮半島は地政学的位置のために常に強大国の間に挟まれる運命である。米中関係の途中でこれまでギリギリだった韓米関係が、あるべき位置に戻るようで、安心できる。

次は韓日関係を正常化することだ。日本を抜きにして、私たちの安保と経済を考えることなどできない。今回、米国主導のインド・太平洋経済フレームワーク(IPEF)にも韓国と日本が同時に加入した。韓・米・日安保経済三角協力体制がさらに重要視され、急がれる理由だ・・・・それにもかかわらず、両国の関係は、その関係が長かった分、複雑に絡み合っており、それを解くのは容易ではない・・

 

・・しかし明らかなのは、指導者の姿勢と決断によって変わることができるということだ。立派な指導者は、国家を過去と感情だけに任せたりしない。これは日本でも同じだ。両国の政治家たちも、相手の国を悪く言えば人気が高くなるという考えを捨てるべきだ。韓国も、もう日本を悪く言うことが、自国を愛することだという考えから、抜けだす時だ。

イギリスのある教授の言葉だ。韓国はもはや米国と中国の間で挟まれるエビではなく、両側がお互いに韓国を欲しがりながらも、下手に触れることができない、そんな「良い手札」を韓国が握るようになるだろう、と言う。国際関係において、昨日のテキは今日の友である。平凡だが永遠の真理であることを忘れないでほしい>>

 

竜頭蛇尾というか、竜(後)頭(部)蛇尾です。趣旨は分かります。感情に任せたりしない!。良い指摘です、はい。案の定、具体的な内容は「ノービザ復活させよう」な内容しか書いてませんが、とにかく趣旨だけは分かります。そうですね、感情に任せてはダメですよね、はい(適当)。ですが、慣用的な表現かもしれませんが親善協会の会長さんが日本のことを『テキ』としているところもそうですが・・なんでそこで『イギリスのある教授(誰?)が韓国は凄いと言った』が来るのでしょうか。普通に読んでいると、編集ミスかな?と思ってしまうぐらい、急に出てきます。

この『韓国はもう凄いから、~~でもいい』たる主張は、様々な分野に適用されています。前からありましたが、文在寅政権の「韓国はもう先進国」発言のあと、急に強くなりました。前は、「もう韓国は豊かになったから、アジアの国々を見下すのはやめよう」「国格を考えて、外国でマナーよく行動しよう」な記事が多かったですが、最近は頻度だけでなく中身的にも重症化しています。また、この主張に逆らうのは、容易ではありません。『韓民◯は偉大だ』の国家バージョン、とでも言いましょうか。ある種の聖域と化しています。本ブログ何度も取り上げた、あの「韓国は何もしなくていい。日米が折れてくれる」という考えも、根本は同じです。

 

「国会外交統一委員会与党の幹事を務めているイジェジョン議員は、『私たちは、私たちが経験した苦痛には自信を持って話しながらも、私たちが他人に与えた被害については話さなかった』、『今の大韓民国の位相(地位)に照らしてみると、実に恥ずかしい姿だ』と指摘した」。これは、他でもない、ベトナム戦争のとき、韓国軍によって起こされた惨劇に対する、韓国側の国会議員の主張です。

この発言が載っている記事は、当時の生存者に対し、政府があまりにも無関心な態度で、それを批判する内容のものです。市民団体や一部の国会議員が、政府の態度変化を促している、と(2021年6月30日ノーカットニュース)。マスコミや国会議員が、当時の生存者に対し、政府の無関心さを批判するのは問題ありません。しかし、なんでそこで『地位』が出てくるのでしょうか。じゃ、韓国で言う地位、すなわち権力や富などを持っていない人は、こんな問題に対して関心を示さなくてもいいのでしょうか。単に、相手を見下すだけではないのか、そんな気もします。

 

一つ言えるのは、こんな考えこそ『自分に自信が無い』人の典型例であるということです。人に見せるために、モノの価値も分からずブランド品に拘る生き方に似ている・・とでも言いましょうか。『えらくなったから、施そう』という主張には、相手に対する如何なる尊重もありません。尊重とは、相手と自分を同等な存在として見たときに生まれるものだからです。

そう、地位とは、上下に拘ったときに輝くものではありません。同等の基準に置かれたとき、その人(国)がどんな反応を示すのか、そのときにこそ、ハッキリ見えるものです。『法治』『国家間の約束』たる同等な基準から逃げながら『もう先進国』としているかぎり、その国が他国を尊重することも、他国から尊重されることもないでしょう。

 

 

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