韓国、家計負債がGDPを超える世界唯一の国に

私がまだ韓国にいたときから、国内外から『それ、早くなんとかせい』と言われていた韓国の家計負債問題。当時800兆ウォンを超えて大きな話題(?)になり、1000兆を超えたという記事も結構目立ちましたが、いまは1800兆ウォンだそうです。

実はこれ、韓国経済を支えているものでもあります。前も同じ文章を書いた記憶がありますが、日本はバブル後に『政府』が負債を背負う形で対策を取り、韓国は家計負債で対応しました。いわゆるIMF時期の後、金大中大統領のときから、「借りて、不動産投資する」「とにかくカード作る」の2つは、本当に凄い勢いでした。

 

当時を知っている韓国人なら、小学生が「ぼくはクレカを◯枚ももってるんだぞ」と自慢する姿を目にしたことがあるでしょう。皮肉なことですが、韓国で現金無し決済が爆速で普及できた背景でもあります。大勢の人がクレカのキャッシング機能を使いすぎで、後で「カード大乱」という事態となり、いまでも似たような副作用が続いています。韓国で、人と会話しながら「カドゥビッ(カードキャッシングによる負債)」関連の話を耳にしなかった人は、そういないでしょう。

 

IMFのあとに始まった『借りて投資すればなんとかなる』という考えは、不動産、コイン(ビットコインなど)と、その姿形を変えながら、世代を乗り越えながら、いまも続いています。過去エントリーでも書いたことがありますが、青年層が、不動産価格の上昇を信じて無理して購入する、いわゆる「ヨンクル」などが、今の代表格と言えるでしょう。そんな中、ハンギョレ新聞など複数のメディアの記事によると、韓国が、GDPより家計負債が多い(104.3%)国になりました。少なくともIIF(国際金融協会)のデータでは、世界唯一だそうです。G1です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<韓国の家計負債が、国家経済規模を考慮すると、世界36の主要国(ユーロ地域は単一統計)の中で依然として最も多いことが確認された。今年第1四半期基準、日本と米国など主要国の国内総生産(GDP)対比家計負債比率は、新型コロナによって消費が減り、1年前より4%ポイント以上下がったのに比べ、韓国の下落率は0.7%ポイントにとどまった。

6日、国際金融協会(IIF)が5月に発表した「グローバル負債モニタリング」報告書を見ると、今年第1四半期の韓国の国内総生産(GDP)に対する家計負債比率は104.3%で、世界36カ国の中で最も高かった。 「家計負債世界1位」からまだ抜け出せていないのだ。続いて香港(95.3%)、タイ(89.7%)、イギリス(83.9%)、米国(76.1%)、中国(62.1%)、日本(59.7%)、ユーロゾーン(59.6%)が10位以内に入った。調査対象国家のうち家計負債が国内総生産を超えた国は、韓国が唯一だ・・>>

 

問題は、先リンクした過去エントリーと重複しますが、金利上昇です。韓国の物価上昇率は、5%台。これから6%を超えるだろうという予測も出ています。6月時点で、10年4ヶ月ぶりの最大の上昇率で、小麦粉が26%、塩が30%、などなどです。あのチキンすらも10%上がりました(クッキーニュース)。それに、米国とも日本とも通貨スワップに失敗したため、いろいろ、金利を上げるしかありません。

 

イジェミョン氏の「ウォンはハードカレンシーになるから家計負債は問題ではない」発言(2月)も記憶に新しいところですが・・韓国は(外国資本の離脱による)資本流出を気にせざるを得ません。韓国金融ICT融合学会長オジョングン氏はペンアンドマイクの寄稿文で、「(韓国は金利を上げて流出を止めなければならないが)日本は資本流出を懸念していない。日本円はハードカレンシーであるうえ、日本銀行は米国連邦と常時無制限の通貨スワップを締結しており、資本流出に対する懸念がない。景気と物価だけで金利政策を運用すればいい。この点が、韓国と違う。日本は2月の消費者物価上昇率は前年同期比0.9%、1月の失業率は2.8%水準だ」とし、日本と韓国とでは状況が違うと指摘しました。

 

こんな状態ですが・・金利を上げると、ヨンクルさんたち、どうなるのか。一部のメディアが題に「政府負債は日本が1位」とつけて頑張って(?)いるものの、コメントなどの反応は、どの記事もパッとしません。意外と「もっと金利上げろ」というコメントが多い方で、「『ヨンクル』を一網打尽せよ」というものも結構目立ちます。ヨンクルさんたちを、あまり快く思わなかったのでしょうか。それとも、『ヨンクルすらもできなかった』からでしょうか。

 

 

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