岸田さんが総理になった直後、韓国紙の日韓関係関連記事・・日本人教授「岸田内閣でも、大きな変化は無いだろう」/韓国人教授「衆議院、参議院選挙さえ終われば、変化の可能性がある」

すでに本ブログでも何度も取り上げましたが、「参議院選挙さえ終われば、日韓関係改善できる」という話が、どんどん広がっています。もう首脳会談とかそんな記事だけでなく、日本旅行など観光関連のニュースでも、「参議院選挙が終われば、またノービザになるのでは」な話が出てきたりします。日韓関係関連でニュースを読むと、少なくとも8割以上にはこの「選挙さえ終われば~」という記述が入っています。

韓国側には、日本の衆議院選挙の前には「衆議院選挙さえ終われば関係改善できる」という記事が溢れ、参議院選挙の前には「参議院選挙さえ終われば」という記事が溢れます。その理由は、『韓国が何かやる必要はない(解決策を用意する必要はない)』、『日本総理も韓国との関係改善を望んでいる。でも、国政(世論)を気にして、強く出ているだけだ。だから、選挙で勝利すれば、日本の方から話しかけてくる』と信じているからです。もう少しひねくれた書き方をしますと、『これだけ韓国が手を差し伸べているのに、日本がこの手を掴まないのは、きっと何かの理由がある』ということ(という設定)にしたかったのかもしれません。

 

もちろん、この主張は、選挙で与党(自民党)が勝利することを前提としています。しかし、安倍政権(2期)あたりから、自民党が選挙で負けたことはありません。でも、この妙な主張が消えることはありませんでした。最近もそこそこ目立ちますが、一時、『政治家が問題で、日本の普通の世論は韓国の味方だ』とする主張が、韓国メディアの日韓関係関連記事では揺るぎない定説になっていました。

でも、その政治家たち(ぶっちゃけ、自民党ですね)が勝ち続けるというのはいったいどういうことなのか。それこそ世論に支えられているという意味ではないのか。しかも、その自民党が勝利することで日韓関係改善できるというのは、またどういうことか。先の「一般的な世論は~」の話はなんだったのか。なにからなにまで矛盾しています。それでも、この手の主張が消えることはなく、最近、特に盛り上がっています。

 

この手の主張は、もっと前からあるにはありましたが、岸田総理になり、『岸田総理はハト派らしいよ』という話もあり、さらに盛り上がるようになりました。岸田総理が韓国との関係改善に乗り出さない理由は、一つしかない。衆議院選挙や参議院選挙があるからだ、と。岸田さんが総理になった直後、2021年10月から、さっそくこの手の主張が各メディアに載るようになりました。2021年10月4日の聯合ニュースもこの件で同じ趣旨の記事を載せましたが、当時、日本人教授と韓国人教授の主張は、ハッキリ分かれています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・木宮正史東京大学大学院教授は、「岸田内閣で日韓関係が変わるだろうとは、あまり期待しないほうがいいだろう」と、電話インタビューで話した。彼は、安倍晋三政権や菅義偉政権で活動した茂木敏充外務相が岸田内閣でも同じ席を維持しており、韓国に対する輸出管理厳格化の担当行政機関である経済産業省の首長に、安倍の側近である萩生田光一が任命されたことなどを取り上げ、このように言及した。

木宮教授は、岸田首相が自民党内の温健派である点に対する『期待』と関連し、「冷戦時代に韓日関係で重要な役割を果たしたのは、ハト派よりもむしろタカ派が多かった」としながら、あまり大きな期待はすべきでないという認識を表明した・・

・・イジョンウォン早稻田大学教授は、岸田首相が『自分の色』が出せる条件が、まだ成熟していないと分析した。彼は今月の中衆院総選挙が実施され、来年夏に参議院選挙があることを取り上げ、「選挙を控え、外交で譲歩や妥協的な姿勢を見せるのは難しい」とし「韓日関係改善を今すぐに期待できる状況ではない」と話した。ただし彼は「岸田が衆議院選挙と参議院選挙で善戦し、自分の基盤を確保すれば、対内外的に自分の色を出す可能性がある」と付け加えた・・>>

 

これでも結構マイルドな記事で、当時、「衆議院選挙さえ終われば、岸田総理はすぐにでも日韓関係改善のために動く」という手指の記事も結構出ていました。ご存知、それから衆議院選挙でも自民党が勝ちましたが、韓国メディアが望むような変化はありませんでした。ちなみに、菅総理のときも「やっと安倍政権が終わった」という期待を込めた記事が結構出ていたし、林さんが外相になったときにも「韓国に親しい人だ」という記事がかなりありましたが、それからも何か大きな変化はありませんでした。

さて、本当に参議院選挙が終われば、岸田政権が「キター」としながら急に変化するのでしょうか。確かに彼の外交方式は不安だとする人は多いと思いますが、どうでしょう。参議院選挙は来月ですから、もう数カ月後にはハッキリ分かるでしょう。でも、いまのところ、変化の兆しはありません。それもそのはず、ボールを持っている韓国が何もしていないのに、日本が変わるはずがないでしょう。

 

これもまた、書く内容が重複し過ぎで恐縮ですが・・他人の心(何を思っているのか)を勝手に決めて、その『他人』の返事が、自分で決めつけたことと異なる場合、「なぜだ!」と怒る人たちがいます。「私は、お前自身以上にお前を知っている。なのに、なんで私の知っているお前と違う返事をするのか」、と。ツイッターにも似たような経験談を書いてくれた方がいますが、そんなところです。韓国にいたとき、何度も見ました。それだけで結構深刻な口論になることも。あのときはまだ「心情心理」という言葉を知りませんでしたが。

参議院選挙の後は、「なぜだ!」と怒るのでしょうか。こんなはずはない、またはこんなことは『あってはならない』と、いつものフレーズで。それとも、「選挙で勝利したから、自民を牽制するのは難しくなり、日韓関係の変化は難しくなった」と手のひらを返すのでしょうか。

 

 

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