日本紙「日本政府は、新任駐日韓国大使に安堵している」・・しかし、その新任大使は2週間前に「10億円で補償が終わったとする日本の態度が問題だ」と話したばかり

本ブログで2回取り上げたことがあるので、この件はスルーしようかとも思いましたが・・なんか、新しい駐日韓国大使のことで、「日本政府が安堵した」とかそんな話まで出ているようで、またエントリーします。

日本側の記事でないと漢字も確認できませんが・・新しく駐日韓国大使に指名された尹徳敏(ユンドクミン)氏。中央日報いわく『日本の心が読める人』だそうです(韓国側が心とか正義とかを言い出すと、ろくなことがありませんが)。日本語も出来るし日本側に知り合いも多いとのことで、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が候補だった頃から側近の一人だったと聞きますし、この前、政策協議団のメンバーにも選ばれました。以下、「大使指名」状態ですが、ほぼ決まったようなものだし書きづらいので、「大使」と致します。

 

尹大統領の立場からすると、この人を大使にしたことは、無難かもしれません。文在寅大統領が候補だったときに保坂祐二氏を日本関連顧問にしていたことに比べると、顧問役としてもまだマシだったのではないか、そう見ることもできなくはないでしょう。そういえば、姜昌一氏はどうなったのでしょうか。最初からそんな人はいなかったというホラーエンディングだったりして・・

で、このユンドクミン大使ですが、どうやら「日本政府が安堵している(日経新聞)」などの記事が出ている、とのことでして。ニューシースの記事からの引用で、原文を全て確認したわけではありませんが、関係改善関係改善と、そんな話ばかりだそうです。さて、本当にそんな見方だけでいいのでしょうか。本題に入る前に、以下、ニューシースから<<~>>で引用してみます。

 

<<・・日本メディアもユン元国立外交院長(※ユンドクミン氏)の駐日大使起用を、関心を持って報道した。朝日新聞は大統領室関係者を引用し、「駐日大使の最も重要な業務は日韓関係の改善だ。大使として関係改善に重点を置くと思う」と伝えた。彼を「ユン大統領の対日政策ブレーン」と紹介し、「前の政権で問題になった韓日関係の改善のために、知日派ユン元国立外交院長の駐日大使起用が前から有力視されてきた」と説明した。

日経新聞は、ユン元国立外交院長が去る4月末、韓日政策協議代表団に訪日したとき、岸田文雄首相に「新しい政権は一日でも早く韓日関係を一番良かった時期に戻そうとする意志を持っている」とするユン大統領の意を伝えた、と報じた。日経は彼を「過去4年間(日韓)国交樹立以来もっとも良くない状態と言われた日韓関係に、心を痛めてきた人」と紹介した。

 

新聞は彼が「穏やかで優しい人物で、日本語にも堪能だ。日本にも厚い人脈がある」と説明した。特に「韓国側から大使内定を伝えられた日本政府内からも、『重要な時期にふさわしい人物だ』という安堵の声が流れてきた」と伝えた。読売新聞も駐日大使任命のニュースを伝え、ユン元国立外交院長が「京王大学で博士学位を受けた韓国屈指の知日派として知られる国際政治学者だ。韓日関係改善を重視するユン大統領の意向を反映した人選」と評価した・・>>

 

ですが、わずか2週間前、ユンドクミン氏は日韓合意について、「うまくいかなくなったのは、日本の態度のせいだ」と発言したばかりです。5月26日、ユンドクミン氏が日本経済新聞が主催した(すごい偶然ですね)「アジアの未来」というコンソーシアムにオンラインで講演し、その後の質疑応答での発言です。ここは中央日報の記事ですが、他にも現金化問題の解決策として、日本企業が参加する財団による解決、韓国政府による代位返済による解決などを主張しました。

 

<<・・(講演の後の質問・答弁の際に)彼は『個人意見である』ことを前提に解決方案の一つと言及したのが、韓国政府の代位弁済だ。裁判所の判決により、日本企業が賠償するようになっているが、これを韓国政府が代わりに弁済する案だ。彼は続いて1965年の韓日請求権協定に関連する企業(※当時の協定で特に得をした企業のこと)が自発的に参加する財団を作って、賠償を支援する方法も紹介した。同財団に日本企業が参加するアイデアも付け加えたが、ユン元院長は「問題解決のためには日本との協力が必要で、相当な時間がかかるだろう」と話した。

2015年の日韓合意と関連しては、「問題に対して責任のある日本側から、合意の後に『お金(※出捐金)ですべての問題が終わった』というふうの発言が出てきて、世論が大きく反発し、状況が変わってしまった」と説明した。補償と謝◯は、ヒ○イシャの名誉回復と治癒のための過程の一環であるにもかかわらず、日本側が『補償ですべてが終わった』という見方をしたのが問題だ、という解釈だ・・>>

 

韓国政府が代位返済するのは、『あとでその分を日本側に請求するのか、しないのか(支払う主体として責務を韓国政府は果たすのか、それとも手続き上の代位返済にすぎないのか)』が重要なので、まだなんとも言えません。言わなかったのか、(記事が)書かなかったのかは分かりませんが、ソース記事から詳しい内容までは確認できません。

ただ、2021年10月、韓国のイ・サンミン議員が、産経新聞とのインタビューで代位返済を取り上げ、「日本側に請求しない」と言ったことがあります。しかし、その後の韓国側の記事(2021年10月21日京郷新聞)には、「代位返済し、あとで日本に請求する内容を提案した」となっていました。財団の話は、一つ前のエントリーと内容が重なる気もします。記事に書いてあるわけではありませんが、もし日本政府も財団(基金)に参加すべきだとしているなら、ムンヒサン案とほぼ同じです。

結局、「日本語できるし便利だね」までは分かりますが、安堵の声を流すほどのことかな?というのが、心の曇ったシンシアリーの私見です。これで安堵するようでは、何もできません。

 

 

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