韓国紙「手を差し伸べたのに・・関係改善のチャンスを逃してもいいと言うのか」

別にセットで書いているわけではありませんが、未読の方は一つ前のエントリー(日本が韓国外交部長官の訪日に『保留』通知 したという内容)と合わせてお読みください。

で、今回のエントリーですが、「手を差し伸べたのに」シリーズ最新作(?)があったので、紹介したいと思います。尹政権になってから、韓国右寄りメディアの記事が必要以上に政権擁護に走っていますが、この記事も例外ではありません。もともと書く人によって差が激しかった、というのもありますが。ソース記事は朝鮮日報です。

要は、政権初期こそが日韓関係改善の好機である、韓国が先に手を差し伸べたのに、なぜこの好機を逃すのか。日本は関係改善の好機を逃してもいいのか? そんな内容です。また、「日韓関係の改善は、日米韓共助の復元に力を入れているバイデン政権の意でもある」としながら、米国の意だから合わせないといけなんだぞ、な書き方をしていて・・原因はそこではないだろう、としか。

 

他にも、韓国側は首脳会談は楽勝だと思って正式会談を推進していた、就任式に参席した林外相が『採点』していた、などなど、興味深い内容もいろいろ書いてあります。記事の趣旨は「興味深い」と書いているものではありませんが。ちなみに『採点』とは、尹政権側の人が「韓国が解決策を用意し、日本はそれを『採点』するようなやり方は、通用しないだろう」と話したのが元ネタです。本ブログのコメント欄でも『宿題』という表現がよく出てきますが、『採点』って何気に的確な表現かもしれません。これまた、言った人は的確という趣旨で言ったわけではないでしょうけど。以下、まず<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※首脳会談が難しくなってきた、という内容の後に)首脳会談に積極的な韓国政府、これを支持している米国政府とは違い、日本は韓日首脳会談が来月の参議院選挙に影響を及ぼす可能性を懸念し、微温的スタンスを示していることが、15日、知られた。外交街(※外交部門の関係者など)の間では、「日本が国内政治を気にし過ぎで、やっとできた韓日関係改善の機会を失う愚をおかしそうだ」との指摘が出ている・・

・・韓国大統領室は、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領のNATO首脳会議出席が決まる前から、日本側と首脳会談に向け調整してきた。会談の形式も、略式ではなく、正式会談を推進してきたという。今月初めまでは、大統領室と韓国外交部は、韓日首脳会談の実現を楽観する雰囲気だった。このような雰囲気の中で、首脳会談の前準備とも言える韓日外交部長官(※外務相)会談も推進された。

 

ところが、日本側の雰囲気はぜんぜん違ったという。東京のある外交情報筋は、「(※日本は)尹錫悦政権は、文在寅政権とは違うだろうと期待していた。しかし、今はそのような期待はほとんど消えた」と話す。林芳正外務相が先月10日に尹大統領就任式に出席し、朴振(パクジン)外交部長官(当時はまだ就任前の候補者)と会った結果、尹政権は両国関係悪化の最大の原因である旧朝鮮半島出身労働者、イ◯ンフなど懸案の解決を、準備できていないとの印象を受けた、というのだ。

この情報筋は、「日本も7月の選挙を前に、韓国との懸案で柔軟な態度を示すのは難しいため、高位関係者同士の会談は、大きな負担だ」、「しかも、先月には韓国が◯島周辺で調査を行い、日本国内の世論が大きく動いた。これが決定的な要因として作用した」とも説明した・・

 

・・韓国の元高位外交官は、「両国の世論に大きく左右される韓日関係なだけに、できるだけ政権初期に改善のきっかけを用意しておくのがいい」、「岸田内閣が、国内の政治論理だけ気にして関係改善の好機を逃した場合、両国政府にとって今後もずっと負担になるだろう」と指摘した。韓日関係改善は、韓米日協力の復元に力を入れている米国バイデン政権の意でもある。韓日首脳会談は2019年12月、文在寅大統領と安倍晋三首相が出席した韓中日首脳会議の際に中国で行われ、それから開催されていない・・>>

韓国側は「日本『も』誠意を見せるべきだ」を主張し、これを少しでも日本側にそれを認めさせることで、「ボールは韓国側にある」、すなわち韓国側が条約を破っている(国際法違反状態にある)という現状を誤魔化そうとしています。国際法の問題ではなく外交問題だから、『両方が』『共に』努力すべきだ、と。

 

これは、日本側が言う『国家間の約束』を受け入れないためです。少しでも日本が「それはそうだが」なことでも言うと、韓国はこう主張するでしょう。『日本も認めた。やはり外交問題だ。両方が努力して解決するということは、すなわち国際法違反は関係ないということだ』、と。

韓国のこのスタンスに変化が無いかぎり、好機もなにも、チャンスはないでしょう。それに、記事のインタビューに応じた人たちが、まるで今までは両国関係が良かったかのような、政権初期に関係改善しておいたかのような言い方をしていて、違和感が半端ありません。

 

 

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