韓国大統領室『NATO首脳会談参席は、中国・ロシアではなく、北朝鮮問題のためだ』

韓国は、文政権でも、中国、または自由で開かれたインド太平洋に関するイベント、国際会議などに参加してきました。しかし、参加する前または参加した直後に、『これは中国を牽制してのことではない』というブリーフィングなどを行いました。

ある程度までは分かるとしても、問題はそれからの『行動』において、その国際会議などで決まった内容をこれといって履行せず、自由民主主義陣営の動きに積極的に同調していたとはいえません。ロシア問題、ウクライナ事態においても、韓国政府は表面的には協力しながらも、実際にはこれといて積極的な動きを見せませんでした。この前の、ゼレンスキー大統領の韓国国会オンライン演説が、もっとも代表的な出来事ではないでしょうか。

 

今回、NATO首脳会談に招待することとなり、参加すると公式発表した尹錫悦(ユンソンにョル)大統領ですが・・またもや同じ路線のようです。大統領室は昨日、「北朝鮮問題のための参席であり、中国、ロシアとを牽制するためのものではない」と事前に発表しました。な、NAんだTO!・・・・・・・・すみませんでした。続けます。

じゃ、なんで行くのか。マニュアルなことをいろいろ話していますが、一つだけ文政権から変わったことがあるなら、『北朝鮮問題』を強調している点です。ニューストマト(かわいい名前ですが、経済・金融関連ケーブルテレビ局をもっている中堅メディア企業です)と聯合ニュースの記事によると、中露牽制のためのものではないとしながら、「北朝鮮核問題に対する韓国政府の立場を詳細に説明し、各国からの支持を得るためのもの」、と。

 

この前、本ブログでは『用北』として、尹政権は北朝鮮問題においての韓国の重要性を強調する事で、対中牽制路線には積極的に参加しない(しなくてもいいとされる)立場を得ようとしている・・と書いたことがありますが、まさにその通りの展開になりました。また、日本関連では、「首脳会談の可能性は低い」とも。今の段階で議題などを調整していないなら、あるとしても立ち話、極めて略式の会談ぐらいでしょう。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<大統領室は、29~30日スペインマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、韓日首脳会談開催の可能性は低いと判断した。また、NATO首脳会談参加が、中国・ロシアとの対立のためではない線を引いた。北朝鮮核問題に対する韓国政府の立場を詳細に説明し、広範な支持を確保するという立場も明らかにした。それとともに、NATO同盟国と「包括的安全保障ネットワーク」を構築する機会になるとも期待した。

キム・ソンハン大統領室国家安保室長は22日、龍山大統領室庁舎ブリーフィングで「NATOの30の同盟国は自由民主主義、法治、人権など普遍的価値と規範を共有する韓国の伝統的友好国」とし「自由民主主義に基づく価値連帯を強化するだろう」と述べた・・・・大統領室は、NATO首脳会議の出席が中国・ロシアとの対立基調を表わすものだという視点を否定した。

大統領室関係者は「私たちはあくまでもNATOパートナー国としてのアプローチ方法、包括的安全保障、伝統的安全保障だけでなく、経済、気候変動、新しい新興技術など、こうした包括的な安全保障次元でNATO加盟国やパートナー局とネットワーク拡大の深化のために参加する」とし「中国、ロシア関連政策の大転換だと解釈する必要は全くないと強調する」と話した・・(ニューストマト)>>

<<・・キム室長はこの日ブリーフィングで、韓国首脳の出席の意味を、自由民主主義に基づく価値連帯強化、包括的安保盤構築、新興安全保障に対する効果的対応模索の3つに分けて説明した。まず「価値連帯強化」と関連し、「NATOを構成する30の同盟国は自由民主主義・法治・人権など普遍的価値と規範を共有する韓国の伝統友好国」とし「今回の首脳会議に出席し、北核・北朝鮮問題と関連して韓国政府の立場を詳細に説明し、出席国の広範な支持を確保できるだろう」と話した・・

・・韓米日3ヶ国首脳会談と関連し、大統領室関係者は「まだ公式に話し合っているわけではないが、開催の可能性が開いている」と明らかにした。韓米日3ヶ国首脳会談は、前任文在寅(ムン・ジェイン)政権初期の2017年9月、国連総会のきっかけに開かれた。今回開催されるなら、4年9ヶ月ぶりだ。

 

大統領室関係者は韓米日首脳会談議題に対して「安保協力に焦点を合わせるしかない」とし「北朝鮮核問題、特に最近7回目の北朝鮮核実験の可能性が非常に懸念される状況なので安保協力がメインになるだろろう」と説明した。韓日首脳会談の場合、正式会談の可能性は不確実な中、「プル・サイド」(pull aside・略式会談)の形で対話する可能性があると大統領室関係者は説明した・・(聯合ニュース)>>

最後の部分、略式会談というよりは「立ち話」のイメージになると思いますが・・そこはともかく。別に中国を名指しする必要まではないとしても、せめて『自由で開かれたインド太平洋』ぐらいはハッキリしてほしいところですが。次の更新は、16時~17時頃になります。

 

 

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