韓国自動車専門家が分析した、日本市場での現代自動車

日本の車が世界的に人気なのは、いまさら言うまでもありません。ただ、私が日本に来て特に感銘を受けたのは、軽車文化のほうで、『優秀』というのが決して性能によって決まるものでもなく、また、車だけで決まるものでもない(目に見える、見えないインフラあってこそのもの)と、いろいろ本当に勉強になりました。

そんなところ、韓国の現代車が日本市場に再進出し、韓国でも結構話題になりましたが・・車専門メディア「オートヘラルド」に載っているキムピルス・デリム大学教授の寄稿文によると、日本再進出2ヶ月間の販売実績は100台(記事本文より)にとどまりました。キム教授はその理由を、「私たちもノージ◯パンしたではないか。日本もノーコ◯アをやっている。日本のほうがさらに強い。だから売れない」と分析しました。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<現代自動車が去る5月からアイオニック5と水素電気自動車ネクソの日本オンライン販売を開始した。 13年前、ソナタとグレンジャーを中心に、韓流スターペ・ヨンジュンを前面に出して進出したが、うまくいかなかった。今回はいろいろ準備をした。タイミングも良く、販売モデル選定も無難だ。

現代車は狭くて複雑な日本道路事情を考慮してソナタのような中型車級以上を避け、技術的に先端で充電インフラが充実している電気自動車と水素電気自動車をまず投入した。費用を最小限に抑えるために現場試乗センターやサービス、販売はオンラインで分けて導入したのも良い戦略だ・・・・現代自動車が販売を始めた二ヶ月の成績は合計100台ほどだ。失望する雰囲気も見られる。しかし、心配することではなく、慌てる必要もない。

 

主力のアイオニック5はグローバル市場には、品薄で売れないでいるモデルだ。グローバル市場で数々の賞を席巻するほど完成度が高く、実際に市場人気が最高だ。他の追随を許さないほど最高の商品性を備えたモデルだ。日本進出後、現地専門家の好評も続いている。トヨタはなぜこんな車が作れないのかという評価まで出た。疑問は、なぜ売れないのかだ。

私たちの事例を見ると、約3年前にノージ◯パンの時、日本産自動車は国内で大きな試練を経験した。日本車を対象としたいたずらもあった。駐車を禁止することもあった。あるゴルフ場では、出入り禁止されたりもした。最高完成度のトヨタハイブリッドモデルを購入したくても、周辺を気にしないといけない状況になっていた・・

 

・・日本の場合も、輸入車に対してそうだ。私たちよりも強い。しかも、政府間の問題により、日本の消費者も周辺を気にしないとならない状況だ。幸いなことに、両国間の葛藤がある程度解消するという期待感が高まっている。我々の電気自動車の優秀性を知らせ、肯定的な視覚を拡大できるきっかけが作られつつある。もう韓日首脳が会えば、両国の関係はすばやく回復できるだろう・・>>

 

ちなみに、日本で5年間暮らしながら、日本でノーなんとかのキャンペーンなど見たことありません。この記事は、いったいどこの宇宙の日本のことでしょうか。しかも、つい2~3週間前、日本にある韓国領事館に「大勢の人がビザのために徹夜で並んでいる」との記事が無数に出ていました。行きたいと思っていた人たちも確かにいるだろう、とも思いましたし、処理できる範囲を考えると、数百人規模でもそう並ぶことになるのでは、とも思いました。でも、今度は、『周りを気にしないといけないから』車が売れない、と。これはいったいどういうことか。

あれと同じですね。「自民が参議院選挙で勝てば安定するから首脳会談できる」、「自民が参議院選挙で勝てば改憲するだろう」という記事が共存し、その日の有利さ・不利さに合わせてどちらか選べばいいだけの、そんな展開。

 

少しずつ実績を重ねて、良い評判を得て、それで少しずつ広げたシェアなら、それはそう簡単には崩れません。もちろん、それでも、明らかに『リスク』としか言いようがない事案(ノーなんとか)があった場合には、ピンチになることもあるでしょう。

しかし、そんな実績も無く、ありもしないリスクを作り出してまで『慌てることはない』とされるようでは・・どうでしょう。私には記事本文にある『失望したという雰囲気』のほうが、ずっと客観的な意見に見えます。最後に、車道が狭いという話もよく聞きますけど、日本では普通に他の国の車も販売されているし、いままでのベストセラーカーには軽車以外にもいろいろありました。こういうのもまた言い訳にしないで、『時代の流れ』と見たほうがいいじゃないでしょうか。次の更新は、16時~17時頃になります。

 

 

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