韓国紙東京特派員「尹政権が何をしても、返ってくるのは『一貫した立場に基づいて』だけだ」

2日前、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領がついに『旧朝◯半島出身労働者問題を先に解決しないといけないとか、そういう考えは控えるべきだ』と話した、とお伝えしました(過去エントリー)。いろいろ理由はあるでしょうけど、私には、ついにしびれをきらしたか、としか思えませんでした。多分、尹大統領は、安保関連で、そして未来志向という言葉で、すぐなんとかなると思っていたのでしょう。少なくとも表面的には。

これは尹大統領だけでなく、韓国側が全般的にそうでした。いまでもたまにブログを書きながら、ふっと思い出して一人で笑ったりしますが・・尹氏の当選直後、林外相が佐渡島の金山(さどの金山)の世界遺産登録を進めているという趣旨を話したとき、一部のメディアは『なぜだ!もう尹錫悦氏が当選したのに!』と、納得できないという反応を示しました。

 

しかし、現実はそうではありませんでした。それから、日本側は『一貫した日本の立場に基づく』という姿勢だけは崩さず、尹大統領もやっと現状がどうなっているのか、気づいたのでしょう。でも、気づいたからって認めるわけにもいかないから、そんな発言をしたのではないでしょうか。

同じく、各メディア、特に特派員たちが書いた記事の雰囲気が、NATO首脳会議から、妙に変わりました。今日ソースとする世界日報の記事もそうで、『尹政権が何を言っても、日本は一貫した立場だけを言う』とし、いつもの『参議院選挙さえ終われば』についても、多少は現実的な見方をしています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<『日本の一貫した立場に基づいて、緊密に疎通したい』。スペインマドリードで開かれたNATO首脳会議で尹錫悦大統領と会ったことについての記者の質問に、岸田文雄日本首相はこう言った。韓日関係と関連した公式的な言及をする際に、「日本の一貫した立場」という表現がいつも登場する。岸田首相だけではない。日本政府関係者のほとんどがそうだ。

NATO首脳会議での両国首脳の出会いは、尹政権が関係改善に積極的に乗り出している中で行われたこともあり、両国ともに、関心が大きかった。両首脳の初対面なので、さらにそうだった。尹大統領は岸田首相に対して「両国関係を発展させるパートナーになると確信することになった」と話したが、日本政府は「一貫した立場に基づいて疎通する」以外は、特に言及がなかった。 「一貫した立場」とは、両国間の懸案に対して譲歩することがもうないので、韓国政府が解決策を提示せよ、という意味だ・・

 

・・(※いつもの参議院選挙が終われば~という内容の後に、しかし、)日本政府の態度変化は期待できそうにない部分が多い。 2015年12月日韓合意当時、外務相だった岸田首相は、合意の当事者だった。「最終的、不可逆的に解決された」としたこの合意を、文在寅政権が破棄したというのが、日本政府の認識だ。朝日新聞も読売新聞もこの件について取り上げ、「首相は、両国関係を変化させることに慎重だ」という岸田首相周辺の人たちの言葉を伝えた。

成果が確実に期待できない状況でも、尹大統領は直接首脳間の出会いを希望し、岸田首相に対する好意的評価を公開的に明らかにした。一方、日本政府は硬いままだ。参議院選挙を意識したものかどうかは置いといても、相手をひ◯まずかせたい、それだけではないのか、そんな気がするほどだ。

 

外交は、相手の立場と境遇を見ながら接点を訪れる技術だ。しかし、「一貫した立場」だけを繰り返す日本政府から、そのような意志を読み取ることはできない。「こうした態度が尹政権を困らせ、両国関係がより難しくなる可能性がある」という警告を、日本政府も知っているだろう。尹政権も、関係改善という当位にこだわり、短時間で成果を出そうとせず、長い目で世論が共感できる知恵を作っていくことが必要だ・・>>

 

「相手は、私がひざ◯ずくことを望んでいる」との表現が出てきますが、日本側が要求していることは、国家間の約束を守れ、すなわち、『日本に対して』何かをしろという意味ではありません。韓国政府が『自分自身の行い対して』是正する姿勢を示せ、と言っているのです。

もともとこういう考え方が強い国柄でもありますが、実は「私がそう思っているから、相手もそう思っているに違いない」とする側面もありますし・・困ったものです。こんな考え方が強いからこそ、『誰と戦っているのか』すらもハッキリしないわけでして。 次の更新は、17時頃になります。

 

 

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