韓国紙「ユン大統領、米韓首脳会談のあとにバイデン大統領と一緒に日本に行って、クアッド首脳会談に参加する予定だった」

韓国メディアが、『日本が北東アジアで米国の代理人、メイン・パートナーになるなら、尹政権はどうするのか』という疑問を問いかけました。米国のパートナーとして、『サブ』になるなら、それでいいのか、というのです。いまも日本のほうがメインにしか見えませんが(笑)。東亜日報、この前、東京特派員の記事を紹介しましたが、今回はイチョルヒ論説委員の記事です。

記事の主張は大まかに二つです。一つは、日韓関係の改善に対して、尹政権はもっともらしい外交を用意していたのに、『岸田総理のスタンスにより』、スタートがうまくできなかった、という点。一時は結構大きなニュースになった、「尹錫悦(ユンソンニョル)大統領のクアッド首脳会談参席」についても、それは本当だった(結局、できなかった)としています。

 

米韓首脳会談を終え、そのままバイデン大統領とユンソンニョル大統領が「ははは~ユンたん~」「ははははは~バイたん~」と仲良く手を握って一緒に日本に行き、クアッド首脳会談に参席するシナリオを描いていた、でも、それは岸田総理のスタンスにより、うまくいかなかった、と(もちろん、記事本文に『ははは~』は書いてませんけど)。

もう一つは、その参議院選挙の結果、日本が本格的に防衛力を強化し、東北アジアで米国の代理者になれば、そんな日本とどうつきあうのか。『サブ』でいいのか、という点です。案の定、壮大に疑問を提起し、答えは極めてマニュアルなものしか書いてません。『根本的な変化の可能性まで視野に入れよう!』、と。楽でいいですね。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が当選人だったとき、米国と日本に派遣された政策協議団は、新政権発足直後に韓米日首脳間の連鎖会談を通じて三角共助体制を迅速に復元するという破格的な構想を推進していた。尹大統領就任式に岸田文雄日本首相が祝賀使節として出席し、その十日後、ジョーバイデン米国大統領の韓国訪問に続き、韓米首脳が一緒にクワッド(米日印豪4カ国)首脳会議が開かれる日本に行くという、もっともらしい絵だった・・

・・だが、その連鎖イベントは、岸田首相の訪韓が無いとはじまらないものだった。つまり、日本が先に糸口を用意する形は困難だという岸田総理側の躊躇が、この外交構想を止めてしまった。参議院選挙を控えた岸田政権では、すぐに手に入ることもなく先に手を差し出すことは、政治的にはオウンゴールでしかないと見たのだ・・

 

・・今までの経験的にも、今回も、ユン政権の『速戦即決』が、むしろ急制動と後退を生み出すのではないかと懸念する声が多い。今現在も日本が韓国側に解法を要求している各案件はもちろんのこと、いつまた問題になるか分からない事案が多すぎる。多くの人々が期待しているように、10日参議院選挙以後には日本の姿勢が変わるだろうか。

自民党の無難な勝利が予想されるが、そのような結果は、韓日関係の未来の見通しをさらに難しくする可能性もある。選挙の最大の案件は、防衛費の大幅増額と憲法改正だ。日本は激化する新・冷戦気流に乗って、さらに声を上げている。世界3位の経済力にふさわしい防衛力を手に入れようとする勢いだ。

 

◯去を忘れた日本が、世界3位の防衛力で、米国の対中政策の北東アジア地域の代理人として浮上した場合、、韓国はそんな隣国をどのように相手するのか。日本が先頭に立つ地域安全保障体制において、サブ・パートナーとして参加する気か。関係の改善は必要で、速いほど良い。だが、急ぎすぎる必要もない。北東アジアの安保秩序の根本的変化の可能性まで見出した戦略的な悩みとともに解いていかなければならない>>

これ、どんなシチュエーションにも使えそうです。「環境問題は、地球規模の秩序の根本的変化の可能性まで見出した戦略的な悩みとともに解いていかなければならない」、「ショッカー対策は、人類の安保秩序の根本的変化の可能性まで見出した戦略的な悩みとともに解いていかなければならない」、などなど。昨日も東亜日報の東京特派員が「韓国内の多様な世論に耳を傾け、東アジアをはじめとするグローバル情勢を正確に判断し、韓米日協力など課題に主導権を積極的に取り組めば良い」と主張していましたが、これも単語を変えれば色んな場面で使えそうです。

 

・・かどうかはともかくして。『美しい絵を描こうとしたのに、岸田総理のせいで描けなかった』という主張が目立ちますが・・それって、現状を理解できずにとりあえずもっともらしい絵を描こうとしただけ、ということじゃないでしょうか。この部分だけではありません。

記事はユン大統領のクアッド首脳会談参席がプランの一部として存在していたとしていますが、バイデン大統領と仲良くクアッド首脳会談に行く予定だったというのは、米国が韓国のクアッド参加を認めるに・決・ま・っ・て・い・るという前提があってこそでしょう。この部分もまた、現状がちゃんと理解できてなかったのです。結果、クアッドには入れませんでしたし、ちなみに、常設通貨スワップもありませんでした。

結局、納得できるのは、『参議院選挙が終わっても、韓国側が望んでいるような展開にはならない』という一行。この部分だけではないでしょうか。次の更新は、明日(8日)の11時頃になります。

 

 

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