G20外相会議、日米は「中国」明記、韓国は明記せず・・日韓外相会談は無し

本エントリーは、予定通りなら、昨日の午後にアップする予定だった初稿に、最新(8日)情報を加えたものです。せっかく書いたのに寝かせたままにしておくのもなんだし、『切り替える』意味も込めて、更新致します。明日からは普通の更新(2回更新ですが)にもどり、できれば参議院選挙なども速報できればと思っています。またよろしくお願いします!

8日、インドネシア、バリで、G20外相会議が開かれました。今回も日韓外相会談はありませんでしたが、日米韓外相会談が開かれ、米韓は安倍元総理に弔意を示しました。朝鮮日報(朝鮮BIZ)によると、その場で、米国が『自由で開かれたインド太平洋』など、迂回的な表現を使わず、『中国』とハッキリ名指しして議題にした、とのことでして。朴振(パクジン)外交部長官はその件について、記者たちにこれといって言及しませんでした。事前には、北朝鮮関連議題だけが記事に載っていました。以下、各紙、<<~>>で引用します。

 

<<米国国務省は8日(現地時間)、インドネシア・バリで開かれたパク・ジン外交部長官、トニー・ブリンケン米国務長官、林芳正日本外務相の会談で、中国に対応する問題が議題に上がったと明らかにした。韓米日外交長官会談の後に出した報道資料で「3国長官が中国が提起する課題に関する観点を共有した」と伝えた。また、域内平和と安定、繁栄のための共同の価値と願いを支持するために、インド太平洋と全世界にわたる3国の協力深化努力を議論したと説明した。

韓米日3国間協議で「中国問題が取り上げられた」と明示的に書いたのは、異例である。バイデン政権は「中国牽制」を、インド太平洋外交・安保政策の最優先事項としている。ただし、韓国及び日本当局者と中国問題について協議した結果を説明するときは、「自由で開かれたインド太平洋」、「規則に基づく国際秩序」という迂回的表現を使用してきた・・

 

・・パクジン外交部長官は、日米韓外相会談の内容を説明しながら、中国問題が取り上げられたかは言及しなかった。韓国外交部の報道資料にも、『中国』と直接言及されていない。ただ、外交部は「三国大臣は新しい地域・グローバル課題の前に、自由民主主義、人権など基本価値を共有する韓米日三国間協力の重要性を再確認」したと明らかにした・・>>

ふむふむ、といったところです。確かに「自由で開かれたインド太平洋」と「中国」とはニュアンスがずいぶん違いますね。ちなみに、日本外務省の発表を見てみたら、自由で開かれた~も書いてありますが、ウクライナ問題とともに、ちゃんと『中国』と書いてありました。表現がちょっと弱い気がするのは事実ですが。今回の日米韓外相会談、事前には北朝鮮関連議題だけがクローズアップされていました。6日のものですが、ソウル新聞など複数のメディアが「日韓会談は無し、日米韓会談はあり」とすでに報じていました。しかし、その議題については、北関連だけを書いていました。

 

<<・・韓国と米国、日本3国外交長官(※外相)が、7~8日にインドネシアで開かれる主要20カ国(G20)外交長官会談を迎え、3国外交長官会談を開く方向に日程を調整している。6日、共同通信は、「韓米日外交長官は今回の会談で先月末、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で開かれた韓米日3国首脳会談で協議した北朝鮮対策を具体化する方案を議論するだろう」と明らかにした・・

・・ただし日本政府は韓日外交長官会談や日中外交長官会談は開催は保留することにした。 NATO首脳会議の時も韓日首脳会談はなかったが、10日、参議院選挙を控えている岸田文雄首相の意図が反映されたという分析も出ていた。日本政府がG20で韓日外交長官会談を開かないのも、同じ理由なのではないかという解釈が出ている。読売新聞は「ただ、韓日外交長官が非公式会談をしたり、立って対話を交わす可能性はある」と明らかにした>>、と。

 

中国関連以外でもう一つ気になるのは、日韓外相会談が無く、今回、G20外相会談を開き、それから(11月のG20首脳会談での)日韓首脳会談の議題調整に入ろうとした尹政権の狙いが、また外れた点です。つい数日前まで、ファイナンシャルニュースなど複数のメディアが、『G20外相会議で外相会談をして首脳会談について話し、G20首脳会議で首脳会談する』というストーリーの記事を結構出していました。

<<・・パク・ジン外交部長官が来る7~8日、インドネシアバリで開催される主要20カ国(G20)外交長官会議に参加する。これを契機に韓中または韓米日外交長官会談が開催される可能性に注目が集まっている・・・・4日、外交部によると、朴長官はG20外交長官会の出席を契機に、議長国のインドネシアをはじめ、参加国長官との会談日程を調整中だ・・・・韓米日外交長官会談では、首脳が議論した3国間の軍事協力を具体化し、北朝鮮核に対する共助方案の議論が行われると思われる>>

 

G20首脳会議は11月だと聞いています。その前に議題を調整するなら、少なくとも外相がいった会談をして、「~~な話がありましたが、首脳会談を進めてもいいでしょうか」と両国首脳に聞いて、それから議題の調整に入るとすると・・1~2ヶ月ぐらいは必要ではないか、と思われます。ちゃんとした正式会談なら、ですが。7月訪日説が噂されているものの、今のところ公式発表はありません。いまのようでは、11月にも難しいではないか、としか思えません。9月、遅くても10月までの訪日が、一つのタイムリミットになるかもしれません。

最後に、今回のG20日米韓外相会談では、米韓ともに安倍元総理に弔意を示しました。会談の後、パク外交部長官は「いかなる状況でも決して受け入れられない衝撃的な事件だ」と記者たちに話しました。また、産経新聞の記事によると、「バイデン大統領は、安倍元総理への弔意を示すため、10日の日没までの間、ホワイトハウスをはじめとするすべての連邦政府庁舎や在外公館、国内外の米軍施設、艦艇などに半旗を掲揚するよう指示したと明らかにした」、とのことです。

 

 

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