一部の韓国メディア「岸田総理が『改憲する』と公言している。弔問外交は慎重にすべきだ」

昨日の参議院選挙のことで、韓国のメディアもほぼ例外なく、『これからの日韓関係に及ぼす影響』などを記事にしています。岸田総理が「早い時期に改憲案を発議したい」と話したことが、かなり響いたのではないか、と思われます。

今まで通り、「安定した政治基盤ができたので、岸田総理はもっと柔軟なスタンスを示すだろう」とする意見もあります。逆に、安倍総理のときから続いてきた政策において、路線変更がさらに難しくなったという意見も出ています。また、少数ではありますが、「岸田政権は、両国関係においての今のスタンスを変える必要があるとはそもそも思っていない」とし、大して何も変わらないだろう、という意見もあります。

 

そんな中、一部のメディアは、尹大統領のいわゆる「弔問外交」に対し、慎重に行うべきだとする記事を載せています。故人に対しては書きにくかったのか、「岸田総理が改憲を公言した」などを理由にしています。前から改憲すると言ってたのに、なにをいまさら驚いているのでしょうか。あえて表現がマイルドな記事をチョイスしますと、文化日報 その1その2 などがそうで、『岸田総理は、これから改憲すると公言している。その過程において、両国関係の優先順位はどうなっているのだろう。改憲は朝鮮半島の安保に影響をおよぼす。弔問外交は慎重にやったほうがいいのではないか』、という内容です。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・10日行われた日本参議院選挙で大勝を収めた岸田文雄日本首相が、「(憲法改正案を)できるだけ早く発議し、国民投票につなげる」と明らかにした。 8日、安倍晋三元首相銃撃事件による「保守票結集」効果で、改憲発議ラインである全体の3分の2議席以上を維持できたことで、自民党の歩みが加速すると予想され、私たちの安保にも影響が及ぶと予想される。岸田首相も10日、圧勝を宣言し、安倍元首相の宿願だった「憲法改正による自衛隊公式明記」を推進すると明らかにした・・(文化日報その1)>>

 

<<岸田文雄首相が前日(10日)参議院選挙勝利後、改憲のための国民投票の推進を明確にしたことで、両国間の対話は、しばらくは勢いが得られなくなったという観測が優勢だ。尹政権は弔問外交などを通じて突破口を探すという構想だが、慎重なアプローチが必要だという指摘も出ている・・

・・11日、パク・ジン外交部長官はソウル日本大使館公報文化院を訪れ、安倍元首相を弔問した。その後、記者たちと会い、「安倍もと首相の遺族と日本の皆さんに深い哀悼と慰めの意を示したい」とし「 韓日両国関係の改善と回復が、私たちの共同利益に合致するという信念を持って。両国間の関係改善のために努力する予定だ」と話した。

 

ハン・ドクス首相とキム・ソンハン大統領室国家安保室長なども、弔問する。尹大統領も今後、弔問する予定だ。尹大統領はまた、国務総理を代表とする政府弔問団を、今後日本で行われる公式追悼式に派遣し、哀悼の意を伝えることにした。弔問外交を通じて、当初、両国が共感帯を表示してきた関係改善の流れを続けていこうとする構想でなる。

ただ、日本が安倍元首相銃撃事件の衝撃を収拾し、参議院選挙後に結束を新たに備えていく状況で、韓日関係の優先順位を高く設定するのとは思えない、という見通しが出ている。早ければ来週に推進されてきたパク長官の訪日など、両国間で議論されてきた日程も、影響を受ける可能性が高い・・>>

 

これでも、他のメディアに比べるとかなりおとなしい書き方で(あえてこちらにしました)、『大統領まで弔問するのは低姿勢だ』とする記事も目立ちます。逆に、『弔問するのは当然だ』とするメディアもちゃんとあります。

で、ソース記事の方ですが、読み方にもよりますが、先の『これからの両国関係はどうなる』という議論そのものを、空騒ぎだと言っているような、そんな気もします。韓国側のメディアとしては、かなり現実的な指摘ではないだろうか(『いいのかわるいのか』ではなく、現実的に)、と思えます。

 

それはそうでしょう。例えば改憲とか、これから安倍元総理亡き後の歩みにおいて、果たして両国関係はどれぐらい優先されるのでしょうか。優先すると言われるかもしれませんが、実際はどうでしょうか。今回の参議院選挙で、日韓関係って、どれぐらい重要でしたっけ。

そう考えると、『これから両国関係はどうなる』を論ずること自体が、ただの騒ぎにしか見えません。当事者の岸田総理にとって、それは『後で』でいい事案である、と。ただ、いわゆる『弔問外交』においても「慎重になったほうがいい」とする記事、ソース記事だけでなくそういう記事全般に言いたいことですが、なにがどうなろうと、弔問のことまで絡まないでほしいところであります。

 

 

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